とさちょうものがたり

メディアとお手紙

お便りの紹介 

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「とさちょうものがたり」が始まってから、お手紙やはがき、メールなど、編集部へたくさんのお便りをいただいています。今まで届いたお便りはすべて大切に読ませていただいています。なかには文通のようにはがきでのやりとりが続いている方も。心を寄せてくださっている方がいるということは、私たち編集部にとって大きな励みとなっています。

 

【東京都 神山義三さんより】

「とさちょうものがたり」お送りいただき有難うございました。

このような企画、発行をなされる町の姿勢に驚嘆しました。そして、それに答える窪内様の名文、石川様の撮影の目のつけどころ、さらに鳥山様の謙虚で、しかも核心をついている一文、まことにお見事でございます。

私共の退職した元教員グループの年二回の会合の折に差しあげようと思い、六部注文したのですが、コロナ蔓延の時世、開催の延期が続いて、未だ配布できずにいます。いずれの日にか、会員の皆様が歓声をあげる折を夢みて、電話をかけては手にしたい気持ちを高ぶらせているところです。

亡き妻の入院中、枕許で三〜四節は読んであげました。あとは重篤の状態になり、完読はできなくなりました。仏前に飾るように供えました。妻はきっと喜んでいるものと思っています。

私共と窪内様との出会いを窺える新聞コピーを勝手ながら送らせていただきます。窪内様のご温情で、以来20年、折々電話や文通でのご交誼を賜っております。

私共のお会いした四国の方々は、何故こんなに御心が温かいのかと、在りし日に語り合ったこともあります。

 

 

今年の夏、いくつかの新聞記事のコピーとお手紙が送られてきました。

差出人は神山義三さん。「『とさちょうものがたりZINE04』を、著者である窪内隆起さんから送ってもらった。友人たちにも手渡したいから購入したい」と、以前編集部にお電話をくださった方でした。

お話を聞くと、今は亡き奥様が入院中、義三さんは枕元で「山峡のおぼろ」を一話ずつ読んであげていたとのこと。

「『今日はここまで。また明日ここから読もうね』と毎日楽しみに少しずつ読み進めていたんです。でも、全部読み終わる前に亡くなってしまいました」。

電話口で奥様のことを語る神山さんの口調は穏やかで優しく、奥様のことを慈しみ続ける姿に胸が震えるような思いでした。そして、こんなにも「とさちょうものがたりZINE」を大切にしてくれている方がいることへ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

亡くなった奥様、神山育子さんは小学校の先生で、司馬さんの「21世紀に生きる君たちへ」を日本で初めて授業で取り組んだ先生として、2000年に愛媛県で行われた「えひめ菜の花忌シンポジウム」に招かれました。その会場で同じくパネリストとして招かれていた窪内隆起さんと出会い、司馬文学を21世紀にどう受け継ぐかを議論をしたそうです。それがご縁で、義三さんと育子さん、窪内さんは手紙や電話でやり取りするようになったとのこと。

この20年後、とさちょうものがたりZINE04号ができ、窪内さんが神山さんにZINEを送ってくださったことからこのご縁が生まれました。同封してくださったシンポジウムの新聞記事を読みながら、その不思議さを思います。

折に触れて神山さんはお電話をくださいます。現在86歳とのこと。人生の大先輩が送ってくださったエール、大切にしていきます。

 

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コロナに負けるな

オンベリーコのジンジャーシロップ

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画像をクリックするとショップページに移動します

 

 

「カラン、カラン…」

オンベリーコの木の扉を開くと聞こえるベルの音は「今日はオンベリーコに来たんだ」という、ちょっと特別な実感を与えてくれます。

土佐町の中心部・田井あるオンベリーコは、2016年に高知市から移住してきた高橋宏郎さん・由香里さんご夫婦が営むイタリアンレストラン。「オンベリーコ」とは、イタリア語で「おへそ」の意味。土佐町は四国のちょうど真ん中にあるのですが、その四国の「おへそ」に多くの人が訪れますようにという願いが込められています。

末広ショッピングセンターのお隣です

 

地元産の食材を使ったイタリアン

地元産の食材をふんだんに使ったランチやディナーを味わいたいと、わざわざ町外や県外からもお客さまが訪れます。その人気の秘密は、美味しさを追求するシェフ・宏郎さんの料理への飽くなき姿勢と、由香里さんの細やかで温かいおもてなしにあります。

手前から:ブルスケッタ(砂肝の煮込みのせ)・なすのパルミジャーナ・自家製ハムのモルタデッラ・ロシア風ポテトサラダ・季節の野菜サラダ

上の写真はある日のランチの前菜です。

「自家製ハムのモルタデッラ」は豚肉と背脂、ピスタチオと黒胡椒を混ぜ、二日間かけて作るとのこと。「なすのパルミジャーナ」は土佐町の米なすとトマトソース、モッツァレラチーズを重ねて焼いたもの。それぞれの食材の味が絡み合い、前菜なのにおかわりしたくなるほど美味しい。

まさに「オンベリーコ・マジック」です!

 

 

夢をかなえるためにイタリアへ

土佐町へ来る前、宏郎さんと由香里さんは「自分たちのお店を持ちたい」という夢を叶えるため、ふたりでイタリアへ留学。一年間、イタリアのキャンティ地方のレストランで働きながら、宏郎さんは料理を、由香里さんはお菓子づくりを学びました。

修行していたカステルヌォーヴォベラルデンガという村のレストランで

帰国後、知人から現在の店舗を紹介され即決。土佐町の人たちがとても親切だったこと、お米や野菜、土佐あかうしなど美味しい食材が揃っていたことが決め手だったと言います。

「イタリアでの時間があったからこそ今がある」と由香里さんは言います。

 

土佐あかうしを味わってほしい。独自の地元応援キャンペーン

コロナ禍の中、冠婚葬祭などのイベントが自粛され、土佐町の特産品である土佐あかうしの生産者さんも大きな影響を受けています。

今、自分たちにできることは何か?

そう考えたおふたりは、土佐あかうしを地元の人たちに味わってほしいという思いから、オンベリーコ独自の「地元応援キャンペーン」を行うことにしました。

「土佐あかうしのタリアータ」(タリアータはイタリア語で「切る」という意味)

キャンペーンのおすすめメニューのひとつである「あかうしのタリアータ」は、土佐あかうしと地元産の季節の野菜をたっぷりと味わえる一品。

赤身の肉は柔らかく、肉汁が口の中で溢れます。この日の野菜はかぼちゃやオクラ、玉ねぎ、原木しいたけ。ひとつひとつの味は濃厚、びっくりするほど甘い。こんなに美味しい野菜が地元で収穫できることは素晴らしい財産だとあらためて感じ入りました。

今や多くの人が訪れる人気店となったオンベリーコですが、地元の人からは「予約をしないと入れない」という声もあり、由香里さんはどうしたものかと頭を悩ませていました。

そもそもお店をつくるとき「地元の人に気軽に来てもらえるお店」にすることが、ふたりの願いでもあったのです。

このキャンペーンをきっかけに、地元・土佐町の人たちにぜひ足を運んでもらいたい。

ふたりの初心が込められた「地元応援キャンペーン」は本日9月1日から始まります。(キャンペーンは2021年2月28日まで)

 

 

さて、ここからが本題!

オンベリーコ手作りのジンジャーシロップを買ってください!

オンベリーコの由香里さんが作る「ジンジャーシロップ」をとさちょうものがたりのネットショップで販売します。

新型コロナウィルスの影響を受け、オンベリーコも売り上げが平常時の4割に減少。全国に緊急事態宣言が出ていた時には料理のテイクアウトなどを行い、なんとか営業を続けてきました。

客足が少なくなった分「何かで補填しないといかん」と考えた由香里さん。少しでも売り上げを増やすため、開店当初から人気があったジンジャーエールの素である「ジンジャーシロップ」を瓶詰めにし、販売することにしました。

 

この瓶の3本セットです

オンベリーコの店舗や近隣のお店でも販売していますが、遠方の人たちにもぜひ楽しんでもらいたいと、今回、オンベリーコから直送します。

1本に300mlのシロップが入っています。写真のコップに入っているジンジャーエールを約6杯ほど作ることができます。(賞味期限は常温で約5ヶ月です。開封後は冷蔵庫に入れ、早めにお飲みください。)

4時間煮込んで作る

高知県産の生姜をスライスしたもの、すりおろしたものに砂糖やスパイスなどを加え、次の日にコトコトと鍋で煮込むこと4時間。

取材時、ちょうど煮込んでいる最中だったのですが、台所中が生姜とスパイスの香りで満たされていました。
ピリリとした生姜と赤唐辛子のパンチに驚くこと間違いなし!スパイスのクローブやシナモンも効いていて、とても奥深い味。手間暇を惜しまない由香里さんの姿勢がその味に現れています。

編集部も休憩時に炭酸水と割っていただいていますが、夏の暑さで火照っていた体は冷んやりさっぱり。体が喜んでいるのがわかります。

生姜のスライスとすりおろしは大仕事。この手間暇がシロップの美味しさの源です

贈りものにいかがですか?

ジンジャーシロップの売上は、ネットショップの決済手数料3.6%を除き、全額オンベリーコさんへ支払われます。
ご家族やご友人、大切な人への贈りものにいかがでしょうか。

ジンジャーシロップ3本セット 3500円(税・箱代込) 送料は別途

お届け方法は3つ。3種の商品ページがありますが、配送方法・送料のお支払いが異なります。届く商品は同じです。

*支払い方法で「銀行振込」を選択した場合、振込手数料はお客様の負担となります。

①送料元払い 4500円(商品3500円+送料全国一律1000円)  

・箱(80サイズ)に入って届きます。
・到着日の指定がある場合は、希望日の3日前までにご注文をお願いします。
・到着日の指定がない場合は、注文をいただいてから通常2~3日程度でお届けできる予定です。

●ショップページはこちら

 

②着払い 3500円

・箱(80サイズ)に入って届きます。お受け取り時に送料(高知県内800円・他県一律950円)がかかります。
・到着日の指定がある場合は、希望日の3日前までにご注文をお願いします。
・到着日の指定がない場合は、注文をいただいてから通常2~3日程度でお届けできる予定です。

ショップページはこちら

 

③直接手渡し 3500円

・オンベリーコでの直接手渡しとなります。
・希望日は、注文時に備考欄に必ずご記入ください。オンベリーコの営業時間内(9時〜19時・木曜日定休)でお願いいたします。

●ショップページはこちら

 

 

オンベリーコ  高知県土佐郡土佐町田井1353-2    Tel: 0887-72-9186   営業時間:9時〜19時  定休日:木曜日

 

宏郎さんと由香里さん

「土佐町でお店を開くことができて本当に良かった」と話す、宏郎さんと由香里さん。

オンベリーコさんのジンジャーシロップが多くの人の元へと届きますように、と願っています。

「美味しいね」と笑い合えることがどんなにゆたかなことか。
コロナ禍が落ち着いた際には、ぜひ、大切な人とオンベリーコさんの扉を開いてもらえたらと思います。

 

土佐町の方々へ

新型コロナウィルスの影響で、これまで大切に育ててきた事業がこの数ヶ月苦しい状況を迎えているという方々が多くいると想像しています。

もちろん微力ながら、とさちょうものがたり編集部も具体的になにができるのか? そういうことをずっと考えてきました。

今回の記事や、「みどりさんの金魚草を買ってください」「アメゴを買ってください」で紹介させていただいたネットショップでの販売は、現時点での私たちの見つけた答えの一例です。

実際にやってみないことにはどうなるかわからないような段階ですが、「町のために、私たちができることを(小さくても)やる」という姿勢をとさちょうものがたり編集部は貫こうと思っています。

今回のような動き、リアルとネットの橋渡しを担うような仕事を、もし必要とされている土佐町の事業者の方がいらしたら、遠慮なく編集部に声をかけてください。

とさちょうものがたり編集部

メール: info@tosacho.com

電話:0887-72-9260

 

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とさちょうものづくり

米袋、大募集!!

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土佐町のみなさんのお家に、きっとひとつはあるのではないでしょうか?

そう、茶色の紙でできている「米袋」が!

お米を食べ終わった後にも野菜を入れたり、おがくずを入れたりと色々と重宝する米袋ですが、もしよかったら、ぜひ分けてもらえたらうれしいです。

米袋バックを作ろう!

とさちょうものがたり×土佐町社会福祉協議会、この米袋を使ってバックを作ろうと考えています。

このお話のスタートは、今年の三月からレジ袋が有料となり、エコバックが欲しいなと思っていた頃のこと。

土佐町社会福祉協議会が毎月行なっている「あったかふれあいセンター」で、地域の人たちと作ったという「米袋バック」を目にする機会がありました。

 

これはエコバックにちょうどいい!

米袋は何重にもなっていて、多少濡れても大丈夫です。先日、油1リットル、瓶に入った醤油1リットル、牛乳2本を入れて持ち帰りましたがビクともしません。

糸で縫った米袋バックを販売しているのは知っていましたが、これは折ることだけでできているバックです。

 

地域の人の仕事に

「これを仕事にする仕組みを作れないだろうか」

そう考えた編集部は、土佐町社会福祉協議会の和田郷子さんと話し合いを重ねてきました。

土佐町社会協議会が土佐町の各地域で行なっている「あったかふれあいセンター」の活動の一環として、地域の人たちが製作。とさちょうものがたり編集部がその米袋バックを販売し、その利益を仕事をした人に還元したいと考えています。

まずはやってみよう!
その姿勢でこれから製作に入ります。


ご家庭に分けてもよい米袋のある方は、土佐町社会福祉協議会かとさちょうものがたり編集部にご連絡ください。たくさんある場合は取りに伺います。(
破れや汚れがないものをお願いいたします。)

・土佐町社会福祉協議会… 0887-82-1067
・とさちょうものがたり編集部…0887-72-9260

どうぞよろしくお願いします!

 

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コロナに負けるな

アメゴ、売れて〼

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みなさま。

 

去る8/10に公開した記事「アメゴを買ってください!」にはたくさんの反響をいただきありがとうございました。

アメゴを買ってください!

 

たくさんの方々に記事のシェアや拡散をしていただき、おかげさまで土佐町のアメゴは順調にお客様の元へ届き始めています。

今回は、ご購入いただいたお客様からありがたいご感想をいくつかいただきましたのでご紹介します。

 

故郷の味が恋しくなり注文。
全て塩焼きにするつもりでしたが、立派なのが8尾入っていて、塩焼きだけでは食べきれないと気づき南蛮もやりました。 美味しくないわけがない… いや、美味しいのは注文する前から分かっていたじゃないか…。
魚の下処理というのでしょうか、調理バサミを使って簡単にできました。内臓が綺麗かつ嫌なにおいもしなかったので触れるのに抵抗感を抱くことなく作業できました。
自分はできる環境にないのでやりませんが、これは干物にして食べたら確実に酒が止まらなくなるやつ。 懐かしい味が堪能でき、大変満足です。アメゴを育ててくれた人や発信してくれた人に感謝。
今回かなり安くしていると思うので、いずれ家族と赴き、然るべき対価を払い炭火焼きなどでいただきたいです。
たかさん 8/21

 

届いたアマゴは大きくて、塩焼にして頂きました。大変においしかったです。ただ、アマゴを購入する機会などめったにないので、塩焼の時の、アマゴにまぶす塩の量、他の調理の仕方など、少々戸惑いました。パンフレット一枚でもよいので、レシピがついているとよかったです。
玉猫さん 8/18

 

パンフレットの件は検討させていただきます!貴重なご意見ありがとうございました!

またこんなFB投稿も‥

 

こちらこそありがとうございました!

 

土佐町石原、工石山の清流が育てた土佐アメゴ養殖さんの新鮮アメゴ、9月末まで継続して販売中です!

アメゴを買ってください!

 

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土佐町ストーリーズ

弁才天(高須)その3

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むかしむかし小栗殿いう豪士が樫山に来ておった。その娘が夜になると引地と言う所で、麻を積んで(つむぐ)来る言うて出かけて行きよったと。

ある日のこと、その引地と言う所の人に道でばったり出合うて、娘が毎晩お世話になりよります言うてあいさつしたところが、そんなこたぁちっとも知らん、家へは来ゃーせん言うたそうな。がでん(納得)がいかんもんじゃきに、オゴケ(糸を入れる物)の底板を抜いて糸を入れておいたと。娘はそれを知らんとオゴケをかかえてその晩もまた出かけたと。

そこで、引っぱっていっちょる糸をずうーとつけて行ったら、弁才天の所に出た。弁才天の田のふちに細長い水溜りがあったですがのう。それが池みたいになっていてガマがきれいに生えちょった。娘はそこに座って麻を織りよった。おっかあが行って、「オマンそんなくで麻を積みよるかよ。」言うたら、池の中にとび込んだ言うのう。それから蛇になってしもうたと。

おっかあはびっくりしてもどって来よって、じきに引地の上の畝で血がおりた(死んだ)と言うのう。そんでそこをチオレと言うようになったそうな。その上には山ノ神を祭っちょる。

町史

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水野年方 「三十六佳撰 夕陽 慶安頃婦人」 (1893)

 

とさちょうものがたりを訪れてくださる皆さま、いつもありがとうございます。

とさちょうものがたりは8/11(火)から14(金)までお盆休みに入ります。

再開は8/17(月)になります。とさちょうものがたりSHOPでのアメゴの販売などはお休み中も継続しておりますので、ぜひご覧になってください!

*画像はあくまでイメージです。本文と直接的な関係はありません。

 

 

 

アメゴを買ってください!

 

 

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コロナに負けるな

アメゴを買ってください!

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「とさちょうものがたりショップ」でアメゴの販売をします!

画像をクリックするとネットショップに移動します

新型コロナウィルスの影響のため、飲食店や宿泊業、商店などの経営状態が悪化し、お店の存続が危うくなっている状況が全国的に続いています。土佐町も同様で、主要な産業である第一産業も大きな影響を受けています。

今年の5月、とさちょうものがたりのネットショップでは「コロナ支援」として、土佐町の花農家・澤田みどりさんが育てた金魚草を販売しました。今回は、土佐町でアメゴの養殖を行なっている西村公己さんが育てたアメゴを販売します。

 

西村公己さんが育てたアメゴを買ってください!

7月のある日、土佐町の方からとさちょうものがたり編集部にある相談が寄せられました。新型コロナウィルスの影響で「西村公己さんがアメゴが売れなくて困っている。とさちょうものがたりで何とかできないだろうか」という内容でした。

早速お会いして、「土佐アメゴ養殖」代表の西村公己さんにお話を伺いました。

西村公己さん

西村公己さんは今から40年前に土佐町にUターン。お父さんが始めたアメゴの養殖を引き継いだそうです。当初、アメゴは飛ぶように売れ、アメゴの稚魚も多くの業者さんに届けていたそうですが、年々売上は減少。それでも40年間続けることができたのは「お客さんが美味しいと言ってくれるのが嬉しいから」と公己さんは言います。

公己さんはこれまで地域のイベントや県内外のホテルに出荷していたそうですが、新型コロナウィルスの影響でその需要が激減。アメゴが売れず、「普段なら、生け簀にいないはずの魚がまだおる」状態で困っているということでした。

今年の5月、同じく土佐町の花農家さんである澤田みどりさんがとさちょうものがたりのネットショップで金魚草の販売し、多くの方が購入してくださったこと伝えると、「ぜひネットショップで販売してみたい」ということに。

 

渓流の女王・アメゴ

アメゴは「渓流の女王」と呼ばれ、綺麗な水の中でしか生きることができない川魚です。かつては山間部で暮らす人たちの貴重なタンパク源だったといいます。栄養価が高い上に、皮目が香ばしく、ふっくらとした身が美味しい魚です。
土佐町に住む人たちは、幼い頃から保育園や地域のイベントで「アメゴつかみ」をし、まず塩焼きにして食べることが多いです。その美味しいこと!子どもたちは、その味を体に叩き込まれて大きくなります。土佐町の人たちのソウルフードのひとつと言っていいでしょう。

 

アメゴを産地直送します!

土佐町の西村公己さんが育てたアメゴを産地直送します!アメゴの売上は、ネットショップの決済手数料3.6%を除き、全額公己さんへ支払われます。

アメゴはスーパーマーケットには出回らない川魚です。「今回初めて知った!」という方に、ぜひ味わってほしいです。また、今年はコロナウィルスの影響で夏休みに帰省することができない方も多いと思います。この機会に、故郷の懐かしい風景をアメゴの味と共に思い出すのはいかがでしょうか?

 

 

アメゴ1㎏  2100円(箱代含む・税込)送料は別途

一匹あたりの大きさにもよりますが、上の写真のアメゴで1㎏、だいたい8~9匹ほどになります。冷蔵した状態で届きます。この金額で販売するのは、8月10日〜9月末限定です。(それ以降は通常価格になります。)

 

お届け方法

お届け方法は3つ。3種の商品ページがありますが、配送方法・送料のお支払いが異なります。届く商品は同じです。
*支払い方法で「銀行振込」を選択した場合、振込手数料はお客様の負担となります。

①送料込み 3100円

・箱(60サイズ)に入って届きます。
・北海道・東北・沖縄・離島は輸送に時間がかかり魚の鮮度を保つことが難しい為、送ることができません。ご理解いただければ幸いです。
・到着日の指定がある場合は、希望日の5日前までにご注文をお願いします。
・到着日の指定がない場合は、注文をいただいてから通常5日程度でお届けできる予定です。

 

②送料着払い 2100円

・箱(60サイズ)に入って届きます。お受け取り時に送料とチルドゆうパック料がかかります。
・北海道・東北・沖縄・離島は輸送に時間がかかり魚の鮮度を保つことが難しい為、送ることができません。ご理解いただければ幸いです。
・到着日の指定がある場合は、希望日の5日前までにご注文をお願いします。
・到着日の指定がない場合は、注文をいただいてから通常5日程度でお届けできる予定です。

●実際の送料はこちらをご参照ください。

 

③直接お渡し 1700円(高知県内の方限定)

「土佐アメゴ養殖」での受け渡しになります。(ビニール袋に入った状態でお渡しします。)その際はマスクの着用をお願いします。

・日の指定がある場合は、希望日の5日前までにご注文をお願いします。

・炭の追加代金500円で現地での塩焼きも楽しめます(詳細やご予約は直接以下の土佐アメゴ養殖連絡先にお問い合わせください)

 

 

 

土佐アメゴ養殖  高知県土佐郡土佐町東石原162-1 Tel: 0887-83-0231  Fax: 0887-83-0232

 

 アメゴはどんな風に育ってるの?

土佐町とお隣の土佐山村の境界線にそびえ立つ工石山。土佐アメゴ養殖はこの山からの湧き水を直接引いてきて、その清流でアメゴを育てています。

工石山の清流は石灰を多く含み、ミネラルが良質なアメゴを生育させるそうです

土佐アメゴ養殖の養殖場

 

穴郷川の清流。土佐アメゴ養殖はこの流れの水を引いています。

 

餌をあげると踊るように跳ねる!時々、上流の天然のアメゴも混じって泳いでいるとのこと。

 

 

 

オススメの食べ方

アメゴには色々な食べ方があります。

①塩焼き

適量の塩を振りそのまま焼きます。土佐町では串にさして炭火で焼いて食べるのがスタンダードです。もちろん、お家の魚焼きグリルやフライパンで焼いても美味しいですよ!

身がホクホクのプリプリ、抜群のおいしさ!頭から尾っぽまで全て食べられます。炭の追加代金500円で現地での塩焼きも楽しめます(詳細やご予約は直接土佐アメゴ養殖にお問い合わせください)

 

 

②ひらき

ひらきはお家で作れます。アメゴは骨が柔らかいので、焼いて丸ごと食べられます。

アメゴを背開きして内臓をとりだし、血をきれいに洗い流す。1ℓの水に10%の塩を溶かしたものに1時間ほどつけ、半日陰の風通しが良いところへ干します。

 

③アメゴ寿司

アメゴはお寿司にもなるのです。長野商店の長野静代さんに作っていただきました!

背開きしたアメゴに塩をして一晩おき、柚子酢と酢を合わせたものに2時間ほどつけます。中に寿司飯を詰めて、形を整えて出来上がり!

 

他にも「アメゴの甘露煮」や「アメゴのフライ」も美味しい!ぜひ試してみてください。

 

 

西村さんが育てたアメゴが多くの人の元へと届きますようにと願っています。

 

 

土佐町の方々へ

先にも書きましたが、この新型コロナウィルスの影響で、これまで大切に育ててきた事業がこの数ヶ月苦しい状況を迎えているという方々が多くいると想像しています。

もちろん微力ながら、とさちょうものがたり編集部も具体的になにができるのか? そういうことをずっと考えてきました。

今回の記事や「みどりさんの金魚草を買ってください」で紹介させていただいたネットショップでの販売は、現時点での私たちの見つけた答えの一例です。

実際にやってみないことにはどうなるかわからないような段階ですが、「町のために、私たちができることを(小さくても)やる」という姿勢をとさちょうものがたり編集部は貫こうと思っています。

今回のような動き、リアルとネットの橋渡しを担うような仕事を、もし必要とされている土佐町の事業者の方がいらしたら、遠慮なく編集部に声をかけてください。

とさちょうものがたり編集部

メール: info@tosacho.com

電話:0887-72-9260

 

 

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先日「蛍の住む桂月通り」でもお伝えしましたが、平成6年から平成13年頃まで、土佐町の平野部である宮古野、南泉、東境、三島地区を区画整理する事業が行われました。区画整理事業は大小さまざまな田んぼをできるだけ整形した田にし、道と水路をつけ、どの田も使いやすくするための工事です。区画整理が行われた際にできた水路のひとつが、桂月通り沿いにある蛍の住む水路なのですが、区画整理にはさまざまな苦労が伴いました。

 

何のためにするのか?

当時土佐町で行われた区画整理事業は、大小様々な田んぼをできるだけ整形した田にし、田のそばまで入ることのできる道と水路をつけ、どの田も使いやすくするために行われました。小さな田は道が狭く、車や大きな機械が入らないため、田植えや稲刈りなどの時には手作業または小さな機械を使うことになり、多くの手間暇がかかります。高齢化などを理由に田の持ち主がお米を作れなくなった時、そのあとを引き受けてくれる人が見つからず耕作放棄地となりやすい。しかし、ある程度の田の面積と道があり、機械さえ入るのであれば、代わりに作ってくれる人が見つかりやすくなります。時代とともに米の作り手が少なくなっていくであろうことを見越した施策でした。

区画整理は地元の人たちの合意がないと話が進められないため、桂月通りのある地区でも工事に入る前、地権者の人たちに田の場所、面積、道路や水路の位置の説明が何十回と行なわれました。

「地元の人にとって、田は財産。先祖代々今まで守ってきたものが場所も形も変わる、もっと言ったら土も変わる。とにかく合意を取るのが大変だった」

と当時、区画整理を担当していた土佐町役場の吉村雅愛さんは話します。

 

「もういぬる!」

それぞれの人が所有する田は、同じ地区内にあっても飛び飛びに位置することも多く、一旦整地をした後、どの田を基準にその人の田の位置を決めるのかとても苦労したそうです。

「わしは道路ぶちがいい」「せっかく土作りをしてきたのにまた1から作り直さないといけない」

この地でお米を作り続けて来た人たちから多くの声が上がりました。

また、新たに道路や水路を作るために法面が取られ、人によっては田の面積が元の6〜8割になってしまう場合もあったとのこと。説明会の途中で「もうえい!もういぬる!(帰る)」とその場を飛び出して帰った人もいたそうです。

何十回という会を重ねた末、やっと得られた合意のもと行われた区画整理でしたが、地元の人から「土が入れ替わってるから今まで一反で8俵取れていたのに6俵しか取れんかった」とか「田んぼが広くなって水を切っても田んぼがなかなか乾かん」「耕しよったら大きな石がゴロゴロ出てきた」など、「地元の人によう怒られた」と吉村さんは言います。

地域の人の財産をつついて仕事をするのは、役場の仕事では区画整理だけ。その人はできたものを自分のものとして作っていかないといけない。だからこそ、行政は町民の気持ちにならんといかんし、町民の気持ちに立たんといかん」。

吉村さんはそう話してくれました。

 

残した風景

さまざまな思いが交錯した区画整理。20年前、地元の人たちは先祖代々の土地を新たな形にすることに躊躇し、大きな葛藤もあったことでしょう。合意をせざるを得なかった方もいただろうと思います。この選択が正しかったのかどうかは色々な意見があると思いますが、区画整理の結果、今もこの地でお米を作り続ける人がいることで水路に水が流れ、蛍が住む環境が守られている側面もあるのではないでしょうか。その環境を整え続けている地元の人たち、そして蛍の灯りを楽しみに足を運ぶ人たちの姿そのものが、20年前の選択が残したひとつの風景なのだと感じます。

桂月通りの蛍は今年も卵を産み、来年の瞬きのために水の中で成長しています。その蛍の営みは、この地の人たちがつくる風景の元に成り立っているのです。

 

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土佐町「桂月通り」。土佐町の酒蔵・桂月に繋がる木の橋を、町の人たちは愛着を込めてこう呼んでいます。

今年の6月、この通り沿いに蛍がたくさん舞いました。闇のなか、橋のたもとの水路に覆いかぶさるように生い茂る草の先に露が光り、黄金色の小さな灯りもふわりふわりと瞬きます。

夜、いつもなら橋に沿って電灯がつきますが、蛍が舞うこの時期は地域の人たちによって電球が外され、また、蛍を見に来た人たちが歩きやすいよう水路脇の田の畦の草は丁寧に刈られます。地元に住む人たちの心遣いのもと、蛍は飛び交うのです。

「今年は特に多いねえ」と地元に住む人が教えてくれました。

 

「蛍がおらんくなる」

今から20年ほど前、この桂月通りのある地区の田を区画整理する話が持ち上がりました。大小様々な大きさの田を整地し、それぞれの田に機械や車が入るよう道をつけ、水路を作る工事です。

「工事したら蛍がおらんくなる」

この地区に住む小学生の女の子から声が上がりました。一般的なコンクリートの水路にすると水の流れは良くなりますが、流れが速いため、蛍が住むために必要な砂利や土も流されてしまうのです。

蛍は川の岩や草木の根元の苔に卵をうみます。卵から孵った幼虫はすぐ水面に落ちていき、水の中で生活を始めます。水の中に土や身を隠す岩があり、餌である巻貝・カワニナがいる環境でないと蛍は生きることができません。

 

 

蛍が育つ水路を作る

「蛍が飛ぶ環境を守れるよう、何とかできないだろうか」。

区画整理事業は県の事業でもあったため、当時、土佐町役場建設課だった吉村雅愛さんは県側に理解を求めました。「地元の思いを組み入れてもらうように、何とかその方向に持っていかんといかん」という思いで話し合いに臨んだそうです。 

その甲斐あって、土や砂利が流れていかないよう石が埋められた水路となり、なおかつ水が溜まるよう壁面もつけられました。これで蛍が住み続けられる…。けれども安心したのもつかの間、壁があることで枝葉が引っかかって水の流れが滞り、後から壁面に穴をあけ、ある程度水が流れるようにしたとのこと。地元の人たちにとっては日々の掃除と管理がより必要となりました。

蛍がいる環境を残すことは地元の人たちの願いでもありましたが、敢えて手間暇かかる水路を選択したことで多くの苦労もあったと思います。地元の人たちが流し続けた汗があったからこそ、今現在の蛍が舞う環境につながっています。

(「桂月通りの区画整理」に続く)

2020 June

矢野信子

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とさちょうものづくり

土佐町小学校5年生のPTC

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突然ですが、みなさん「PTC」って知っていますか?

「PTC」は「Parents  Teachers  Children」の略。「保護者・先生・子ども」、みんなでひとつのことに取り組んで楽しく過ごそう!と、土佐町小中学校で長年行われている取り組みです。毎年、各学年がそれぞれ何をしようか考えて内容を決めます。

今年の土佐町小学校5年生のPTCは、「シルクスクリーン体験」!

5年生22人と保護者、先生がそれぞれ自分のTシャツをプリントしました。

コロナの現状も踏まえ、作業場の換気、マスク着用、二つの班に分け、なるべく密にならないように行いました。

「自分たちのTシャツを作ります」と説明すると、子どもたちから「いい記念になる!」という声が。思わず笑顔になります。

 

 

一人ずつに手を添えながら、印刷します

目の前にプリントされた絵が現れると目を丸くして驚いていた子どもたち。先生によると普段よりも「控えめな」様子とのことでしたが、その驚きは十分伝わってきました。

 


子どもたちがそれぞれが描いた「土佐町の絵」と、円の周囲には「できるかできないかではない。やるのかやらないのかがすべてである。」と先生のからの言葉がデザインされています。

「ぼっちり!」と満足げ。(土佐弁で「ちょうどいい!」「バッチリ!」という意味)

 

先生も挑戦しました!

子どもたちはTシャツを完成させるとすぐに着替えて、友達と背中を見せ合っては外へ遊びに行きます。作業場に戻ってきた時には、もう汗びっしょりになっていました。

 

嬉しそうな女の子たち

自分たちの身の回りには工夫次第で作れるものがあるのだと、心の片隅に覚えておいてくれたら嬉しいです!

楽しんで着てもらえますように。

 

土佐町小学校5年生のみなさん、保護者の皆さん、先生方、ありがとうございました!

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