とさちょうものがたり

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

川村光代

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「島ひきおに」 山下 明生  (文) 梶山俊夫(絵) 偕成社

土佐町みつば保育園の園長先生、川村光代先生が教えてくれた「島ひきおに」。
先生がこの絵本を見せてくれた時、絵の美しさにはっとされられました。

「この本はね、読みながら涙が出る…。鬼は人間に友達になってほしいんやけどね…。」
と涙ぐみながら話してくれた先生。

『海の真ん中の島に鬼が住んでいて、ひとりぼっちで寂しがっていました。人間たちと一緒に暮らすにはどうしたらよいかを尋ねる鬼に困惑した漁師たちは、自分たちの島は狭いので、鬼が島をひっぱってきたら一緒に暮らせるのだが、と、口からでまかせを言いいます。これを真に受けた鬼は、島を引っ張って海を歩き、人間たちの島へと行くのですが…。』

この本について調べてみたら、作者の山下明生さんのふるさと、広島県の能美島の近くにある敷島という無人島にまつわる言い伝えを元にこのお話は作られていて、鬼の引っぱってきた島だから引島、それが敷島になったのだそうです。

こんな背景があることを知ると、現実と物語がぐっと近づくような気持ちがします。

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私の一冊

山下志保

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「はらぺこあおむし」 エリック=カール (著),‎ もり ひさし (翻訳) 偕成社

土佐町みつば保育園の山下志保先生が教えてくれた「はらぺこあおむし」。あまりにも有名なこの一冊。
志保先生の息子さんが2歳の時、この写真にある「そのばん あおむしは、おなかがいたくて なきました」のページで決まってくすんくすん…と泣き出したのだそうです。(なんてかわいい!)

何度も何度も読んだのでしょう。この本のこのページだけ何箇所も破れていて、セロテープで直してありました。
その時のことを懐かしそうに話す志保先生は「お母さん」の顔でした。
きっと息子さんもセロテープで直してあるページを見る時、この本を何度も読んでもらったことを思い出すのかもしれないですね。

たかが本、されど本。
本はたくさんの思い出も運んで来てくれます。

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私の一冊

川村光代

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「光とともに… 自閉症児を抱えて」 戸部けいこ 秋田書店

土佐町みつば保育園の園長先生、川村光代さんが紹介してくれました。園長先生は当時保育園に通っていた自閉症の子の理解を深めたいと思って全巻を購入し、読んだのだそうです。
懐かしそうにそのことを話してくれた先生を見ていたら、今まで本当にたくさんの子どもたちと向き合って来たのやろうなあと、先生が見つめて来た子どもたちの姿が見えるようでした。

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私の一冊

石川拓也

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「怖い絵 3」 中野京子 朝日出版社

いきなり3を出してしまいましたが、もちろん1と2があってそれぞれとてもおもしろいです。

西洋絵画のいわゆる名作たちの、時代背景や裏の意図を丁寧に解説した、目からウロコが落ちるシリーズ。

ここに登場する絵画を集めた巡回展も開催されていたのでご存知の方も多いかもしれません。

画家がその作品に込めた思い、時にはそれは王族や権力者に弓を引くような危険な行為だったりもするのですが、文字通り命を賭けて作り上げた絵画が積み重なってできたものが現代から見る美術史なんだという、実はシンプルな事実を教えてくれます。

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私の一冊

西村満美

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「ふたりはいつも」 アーノルド・ローベル (著),‎ 三木 卓 (翻訳) 文化出版局

 

土佐町みつば保育園の西村満美先生が教えてくれた
「ふたりはいつも」。
満美先生は子どもたちのことをいつも心から大好きでいてくれる。そのことがじん、と伝わってきます。
子どもたちにはもっと伝わっているでしょう。本当に感謝しています。

劇で魔女役で出てきた先生の迫真の演技には拍手喝采でした。
いつもユーモアと笑顔を忘れない先生が、がまくんとかえるくんのお話に心を寄せるのがわかるような気がします。
この「ふたり」のユーモアは、毎日の中にあるちょっとしたことの中にも楽しみがあるんだよ、
ということを教えてくれています。

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私の一冊

川村光代

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「子うさぎましろのお話」 佐々木 たづ (著),‎ 三好 碩也 (イラスト) ポプラ社

土佐町みつば保育園の園長先生である川村光代さんが教えてくれたのは「子うさぎましろのお話」。
(この本は土佐町で焼き菓子を作っている仙田聡美さんも以前紹介してくれました。)

クリスマスの今朝、
たくさんの子どもたちがサンタさんからのプレゼントを喜んでいることやろうなあと思っていました。

いつもこの時期になると思い出す本の一節があります。

・『サンタクロースの部屋 松岡享子著』より
“心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中にサンタクロースを収容する空間をつくりあげている。
サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へ出ていってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の心の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人をここに迎えいれることができる。”

一度、心にサンタさんを住まわせた子は、サンタさんがいた空間に、自分の信じる誰かを迎え入れることができる。

それは、サンタさんからの何よりも大切な贈り物かもしれないですね。

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私の一冊

山下志保

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「サンタクロースとれいちゃん」 林明子 福音館書店

何年か前、息子の担任の先生が志保先生だった時、保育園のクリスマス会でサンタさんがくれたプレゼントがこの一冊でした。(プレゼントは担任の先生がそれぞれ選んでいます^^)

作者である林明子さんは、本当に温かい絵を描く方で会ってお話ししてみたいなあと思うくらいです。
「私の一冊」でも、たくさんの方が林さんの本を紹介してくれています。
24日、日曜日はクリスマスイブ。世界中のこどもたちがサンタさんからのプレゼントを楽しみに待っていることでしょう。

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私の一冊

山下志保

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「ズボンのクリスマス」 林明子 福音館書店

 

おじいちゃんの家のクリスマスパーティーに出かけるからズボンをはきなさいと言われているのに、知らん顔して遊んでいるもっくん。待ちきれなくなったズボンは、外へ飛び出します。
ズボンともっくんはどうなるかな?

志保先生のお子さんはこの本が大好きだったそうです。
私の子どもたちも同じ。くすくす笑いながら一緒にページをめくったことをきっと、多くの人が大切に心の中で覚えているのだろうなと思います。

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私の一冊

山下志保

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「ふたつのいちご」 エリック=カール (著),‎ もり ひさし (翻訳) 偕成社

クリスマスケーキに飾るいちごを探しに森へ出かけたかすみちゃん。でもなかなか見つかりません。森で出会ったうさぎが木の穴からいちごを取り出すのを見てかすみちゃんは、これで包むようにと自分のハンカチを貸してあげました。

かすみちゃんは、いちごを見つけることができたかな?

志保先生はお子さんに何度も読んであげたのだそうです。
保育園の本棚にも並んでいます。
クリスマスにぴったりの絵本です。

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私の一冊

西村満美

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「ふたりはきょうも」 アーノルド・ローベル (著),‎ 三木 卓 (翻訳) 文化出版局

土佐町みつば保育園の西村満美先生が教えてくれた
「ふたりはきょうも」。
満美先生はこの「がまくんとかえるくん」シリーズを何冊も持ってきてくれました。
作者アーノルド・ローベルは暮らしの中にある楽しみに気づかせてくれるお話をたくさん残しています。

この本を教えてくれた時、
満美先生が大切にしていることが伝わってくるようで、
なんだかうれしかったです。

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