私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「魔法のびん詰め」 こてらみや 三笠書房

紅生姜、いちごミルクジャム、ニンニク味噌、おかずきのこ…。今まで何度、この本を開いたでしょうか。

生姜もいちごも、ニンニクもきのこも、自分の畑で作っている人たちが土佐町にはたくさんいます。旬のものは栄養があるし、美味しいし、何よりお財布にやさしい!

おすそ分けでいただいたり、産直市で購入した季節の食べものにちょっと手を加えてびんに詰め、一年中食べられるようにします。並んだびんの数々を眺める時の達成感は、なかなかいいものです。

近所のお母さんもおばあちゃんも、それぞれ工夫しながら季節の野菜や果物を保存食にしています。らっきょう、味噌、干し大根、干し芋、干し柿…。

とさちょうものがたりの「お母さんの台所」というコーナーで、今までお母さん達に教えてもらった料理や保存食の作り方を紹介しています。人生の先輩たちから教えてもらった作り方を、少しでも次の世代へ引き継いでいけたらいいなと思います。

秋になったら、紅生姜を作りたい! 柚子胡椒にも初挑戦したいです。

鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「知ってはいけない 現代史の正体」  馬渕睦夫 SBクリエイティブ

 

何が真実なのか…。日々を淡々と生活しているだけの私には判断できませんが、地球規模での動静が全てある目的の為に操作されているという世界構造について問題提起しています。

各国での歴史の流れが、ある一つの目的の為に操作されているというのです。

なにが真実なのか…。今後の世界情勢に敏感にならないと!

西野内小代

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西谷紅葉

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「地球のくらしの絵本① 自然に学ぶくらしのデザイン」 四井真治 農山漁村文化協会

自然の中で暮らしたい。そんな思いで移住してきて早4年。

楽しく暮らしていましたが、自然に対して自分たちが出来ることって何だろうと考え始めてから、自分たちの生活自体が地球にとっては負担になっているのでは…、と不安になりかけていた時に、この絵本に出会いました。

この絵本の第3巻『水をめぐらす知恵』にこんなことが書いてあります。「食べものを通して環境とつながっている生きものの血管は、地球を流れる川のつづきみたいなものだ。」

これを読み、自分も地球の一部だと安心し、次のページに目を移すとこんな文章もありました。

「人という生きものは、水を集める性質を持っている。そうやって集めた水をそのまま流すのではなく、庭や畑、水田などに利用すると、ほかの生きものたちもすめるようになり、生きものたちが集まることでくらしの場がゆたかになる。」

なんと、自分の生きものとしての特性を活かすだけで、他の生きものの生活の場を作ることが出来るのです!

このことが分かった時、自分の過去、現在、未来がぱっと明るくなったように感じました。早速、たべものを通して環境とつながり、くらしの場をゆたかにできるよう、この絵本の第2巻『土とつながる智恵』に紹介してあるコンポストトイレを導入しました。苦労もありますが、実践してみると、食べて排出することがこんなに有意義なことなのか!とびっくりしています。

全5巻のこの絵本の中には、街中でも実践できる『地球のくらし』もたくさん紹介しているので、是非読んでみてください。

西谷紅葉

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 

「ちいさいモモちゃんあめこんこん」 松谷みよ子文, 中谷千代子絵 講談社

昭和55年5月10日。この日付と松谷みよ子さんのサインがこの本に書いてあります。松谷みよ子さんご本人が、この本に私の名前を書いてくれている風景をうっすらと覚えているのですが、なんと今から39年前!こどもの頃の記憶は案外たしかなものです。

ももちゃんが「まっかなかさ」と「まっかなながぐつ」を買ってもらって外に遊びに行き、カエルやかたつむりと出会う、というお話。

「あめこんこん ふってるもん うそっこだけど ふってるもん あめふりごっごするもん よっといで」

子どもたちと絵本を読む時、このセリフを言う私の口調が驚くほど母に似ていることに、はっとさせられます。ああ、母もこんな風に読んでいた、と記憶が蘇ってくるのです。日常の中にあるふとしたこんな瞬間は、母が手渡してくれた確かなものが私の中にあることを教えてくれます。

そんな記憶を、私も子どもたちに贈ることができたらいいなと思います。

鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

石川拓也

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「しょぼい喫茶店の本」 池田達也 百万年書房

就職活動につまずいたある若者。「ほんとは自分は働きたくない。就職したくない。」と気づく。

そんな自分がどう生きていったらいいのか?と模索していく中で発見した「しょぼい喫茶店を開く」という生き方。

食べていけるだけの稼ぎが作れたらいい。背伸びしない、カッコつけない、開業資金も極力使わない。

この本はその経緯を克明に描いているものですが、なんといってもすごいのは本当にカッコつけていない等身大のこの若者の言葉。

自分の歩んできた人生を説明するのも、とても素直で肩に力が入っていない語り口で、こうして自分のことを淡々と客観的に語れたら、そこに惹かれてお客さんや協力者たちが集まる場になるのも不思議ではないと感じました。

生き方は人それぞれ、を地で行っている一冊です。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「雨かんむり漢字読本」 円満字二郎  草思社

「雨かんむり」だけで一般向けの本ができるなんて…!という興味で読み始めた一冊です。

漢字のルーツ、そしてそこから意味等を憶測する推理力!

豊富な知識あっての根拠ある想像となり、説得力も増してきます。

確実な知識という礎の上にこそ明確な類推は存在する。

漢字の美しさに触れた一冊でした。

西野内小代

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

重光通子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「もしも魔法が使えたら  戦争孤児11人の記憶」 星野光世 講談社

今年も終戦日が来ました。

この時期、戦中戦後の様々な出来事が報道されますが、身寄りを亡くした子供達がたくさんいたこと、又、その子供達がどのような道をたどったのか話題になることは少ないと思います。

ゴミのような扱いをされ、山に捨てられ、多くの子供達は死しかなかったでしょう。そんな中で生き残った数少ない方々のこの事実を後世に残したいと書かれた本です。

戦後74年、沖縄の地上戦、そして日本中が戦火で焼土になった事が風化されつつある今、今ある平和は“二度と戦争をしない”と明記した憲法が、日本が戦をしない歯止めになって守られて来たと私は思っています。

愛おしい人たちが二度とこの様な事にならないことを願いつつ、戦争の悲惨さを少しでも覚えている世代として、ぜひ多くの方々に読んでいただきたい一冊です。

重光通子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西谷紅葉

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「山賊ダイアリー」 岡本健太郎 講談社

狩猟生活は世の男子の夢!のはず!

僕はこの漫画を読んで田舎暮らしをしようと決意したところもあったりします。

免許を取り、罠を作るところから獲物をさばいて食べるところまで、親しみやすい絵でユーモラスに描かれているのでリラックスして読むことが出来ます。

サバイバルの豆知識もたくさん出てくるので為になりますが、この漫画の真骨頂は食レポにあります。

ん?雑か?と思いきや主人公の表情で美味しさ度合いが伝わってきて、言葉が少し足りないところも想像力を刺激し、「食べたい!」気持ちを駆り立てられます。

全7巻で完結していますが、続編の「山賊ダイアリーSS」という海をメインに描かれた漫画も出ているので、そちらも合わせておすすめします。

西谷紅葉

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

藤田純子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「富士山うたごよみ」 俵万智 短歌,文 U・G・サトー,絵 福音館書店

自転車のカゴからわんとはみ出して 何か嬉しいセロリの葉っぱ

今日までに 私がついた嘘なんて どうでもいいよというような海

はなび花火 そこに光を見る人と 闇を見る人いて並びおり

さよならの形にススキが手を振って 駆け抜けてゆく 風の輪唱

落ち葉踏む音を比べて歩く道 しゃかしゃかはりり しゅかしゅかぱりり

湯からあげ タオルでくるむ 茹でたての ホワイトアスパラのようだね

藤田純子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「ヴィオラ母さん」 ヤマザキマリ 文藝春秋

漫画「テルマエ・ロマエ」を描いたヤマザキマリさんが、自分を育てたお母さんのことを書いた一冊。

現在86歳というお母さんが20代の頃、まだ女性が仕事を持つということが難しかった時代に「やりたいことをやる」とヴィオラ演奏家になり北海道へ移住、各地で開かれる演奏会をこなしながら、なかなかのハチャメチャぶりで二人の娘を育てていく。「これはすごい…」と思わず唸ってしまうような出来事の数々がこれでもかと飛び出して来ます。

当時、女性が自分の思いを貫き通すことは相当の覚悟がいることだったでしょうし、並大抵のことではなかったと思います。そのお母さんのそばでマリさんは、お母さんの背中をちゃんと見ていたのだとわかります。

「鼻息荒く駆け抜ける野生の馬のように自分の選んだ仕事をし、子供を育てて来た一人の凄まじき女の姿を思い浮かべてもらうことで、自分や子供の未来に対してどこまでも開かれた、風通しの良い気持ちになってくれたら嬉しく思う。」

もう一度「テルマエ・ロマエ」を、そして他の著書も読んでみたくなりました。

鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone