「イスラエル軍元兵士が語る非戦論」 ダニー・ネフセタイ著,永尾俊彦 構成 集英社
1月半ばにダニー・ネフセタイさんを高知にお迎えし、お話しを伺う機会を得ました。イスラエルに生まれ、空軍で兵役を務めたダニーさん。「国のために死ぬことはすばらしいこと」と愛国教育を受け、そのことに疑問を持たずにいたダニーさんが、武力による平和実現はあり得ないという考えにどうして至ったのかを、ご自身の人生に裏付けされた真摯な言葉で伝えてくださいました。
ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナの戦闘を、武力に寄らない方法で解決できないのかといえば「理想を語ることで平和は実現できない」「そんなお気楽なあまっちょろいお花畑の考えが何になる」、と諭されることも少なくなりません。
けれどもダニーさんは力強く、信念を持って「武力で平和は守れない。戦争が起こるのは人間の本能ではなく、政治家の誤った判断で起こるもの。一人ひとりが戦争反対の声を上げ続けることが必ず平和への道筋を作り上げ、対立する国の共存を可能にする」と発言されました。 ダニーさんの越し方と未来への希望が綴られたこの本を、一人でも多くの方に読んでもらいたいと思います。土佐町立図書館では本書だけでなく、他のご著書も蔵書しています。ぜひぜひご利用ください