「宙(そら)ごはん」 町田そのこ 小学館
気の置けない友人や大好きな人との食事を一緒に取る時、しみじみと「幸せだな~」と思います。ましてやそれが好物のお菓子や美味しいレストランでの食事だったら、これぞ「至福」というもの。でもなかなかそんな時間の取れないときは、美味しいものが出てくる本を読むのも良いものです。
「和菓子のアン」、「幸福な食卓』、「喋喋喃喃」…。美味しいものが出てくる本はたくさんあって嬉しい限りですが、そのラインナップに新たな本が仲間入りしました。
タイトルにある宙(そら)は主人公の女の子との名前です。ママ(育てるひと)とパパがいて、お姉ちゃんがいて、しかもお母さん(産んだひと)がいるなんてとてもラッキーだと思っていた宙でしたが、ある時同級生のマリーに「かわいそう」と言われます。それまで全くそんな風に思ったことのない宙ははじめて自分の境遇を「かわいそうなのかな?」と思い始めます。
そんな思いもあってか、パパが外国に転勤することになったとき、宙はママたちと一緒に外国に行くかわりにお母さんと一緒に暮らすことにします。ところがお母さんは料理はできないし、宙の面倒も見てくれません。そんな宙を救ってくれたのはお母さんがやとった“やっちゃん”の作ってくれる美味しい食事なのでした。
「第一話 ふわふわパンケーキのいちごジャム添え」、「第二話 かつおとこんぶが香るほこほこにゅうめん」、「第三話 あなたのための、きのこのとろとろポタージュ」…。どうです、美味しそうでしょう?