「スイッチ」 西澤保彦 光文社
梅雨時、すっきりしないお天気が続きます。
この作品の舞台は高知で安芸や春野、はりまや橋と、身近な場所がでてくると頭の中の地図に再現されます。
時は昭和52年、婚約者に会いに高知を訪れた22歳の菜路充生。彼女の都合で、一人でホテルに泊まることになったその夜、銀色の奇妙な雨にうたれ意識を失ってしまう。目覚めた時、ボクの体は別の人格に乗っ取られていた。
体の中には二人の存在があり、22歳のボクと53歳になった僕。体を自由にできるのは53歳の僕。ボクには記憶のない31年。妻とは離婚したという。人生の輝く時期をうばわれ、喪失感に苦しむボクを、今度は連続殺人事件が襲う。
ミステリアスな作品でした。作家のあとがきも楽しんで読みました。