「ギフト」 日明恩 双葉社
室戸での法事があったとき、お茶碗にこれでもかというほどの山もりのごはんをおまつりしてといわれ、庭先の隅においた。それは、その辺りにうろついている餓鬼のための供養だと教えてくれた。
この小説はある事件がきっかけで退職した元刑事と、幼い頃より死者が見える少年があることで知り合っていく。人目をさけて生活している二人。少年は幼い頃より死者がみえた。少年の前に現れる死者である老女は、頭とからだの左側がぐちゃぐちゃに砕け、血まみれの姿で。7歳の時に池に落ちて死んでしまった少女は、生まれたばかりの弟が心配で19年たっても、ずぶぬれの姿で、この世に留まっている。少年に触れていると死者が見える。
その他にも様々な事情で、この世に留まる死者の未練と謎を二人で解き明かしていく。
昔、文中にもある「シックスセンス」という映画を見た時、その大どんでん返しに息をのみ、誰かに話したくてたまらなかったことを思い出した。