「教室がひとりになるまで」 浅倉秋成 KADOKAWA
「フラッガーの方程式」の著者の出世作です。
同じクラスの高校生が次々と自殺していくというショッキングな出来事から始まる。その事件に関わっているのが特殊能力の持ち主であるクラスメート。この高校では、代々「特殊能力」を受け継いでいくという伝統が確立されている。
自殺した一人の「特殊能力」をたまたま受け継がされてしまった(受取人となってしまった)、普通であったはずの男子生徒がキーマンとなって解明に挑むストーリー。
現在流行している「特殊設定ミステリー」のカテゴリー。この題名を見た時、一クラスの教室が、犯人一人を残してみんな死んでしまう内容か…?あな恐ろしや!と思った。そうではなく、教室を擬人化してのタイトルだった。
みんな一緒、友達は多いほど幸せ、といった先入観、強迫観念、学校におけるカーストにメスを入れる内容だった。