秋の長雨が続くこの日、思い立って障子の張り替えをすることにした。
建具を雨に当て、古い障子を剥がす。
桟を束子で擦って、埃や古い糊を水で洗い流す。
その後乾かして、新しい障子を貼る。
ピシッと障子紙が張れたときは生きる希望が湧くけど、シワが寄ってどうにもならなくなると、
この世の終わりみたいな気持になる。
僕は、なぜだか骨だけになった建具が好きだ。
直角に交わった桟、寸分違わぬ臍や切り込み。とても自作できない。
建具職人たちによる知恵と技術が代々伝承され、この障子が今ここにあると思うと、胸がざわざわする。