「作家の住まい」 コロナ・ブックス編集部 平凡社
毎週日曜日の朝、いつも楽しみに観ている番組があります。『渡辺篤史の建もの探訪』(BS朝日8時半より)。渡辺篤史さんが、こだわりを持って建てたおうちを訪ねて、その家の主人に説明を受けながらさまざまな家を紹介する番組です。
まず出演されている渡辺篤史さんの声がとても耳に心地が良い。さらにおちゃめなリアクション、絶対マイナスなことを言わないコメントもどれもこれもツボ。 数々の素晴らしく美しい家が映し出され、番組が終わり、画面から室内に目を戻したとき、散らかりまくった自宅の現実にがっかりはしても、結局愛すべき暮らしはここにある。
しかしながら「家」を見て、そこにどんな「人」が暮らし、どんな「生活」が営まれているのか想像するのがとてつもなく面白いです。
作家の住まい…。圧倒的に家に在宅している時間が長い作家という職業の家。不思議と家というものは、そこに住む人物、作品、センスまでを映し出します。どの家も、その作家にぴったりな雰囲気をまとっていることに驚かされます。
この本を通して、堀田善衛氏の作品を読んでみたいと思いました。この家から生み出されるのはどんな作品なのであろうかと興味津々です。