2019年12月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

鳥山百合子

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「たべたのだあれ」 五味太郎 文化出版局

この本との付き合いはかれこれ約20年ほどになりますが(!!)、子どもたちが喜んでページをめくっていた姿をまるで昨日のことのように思い出します。

以前幼稚園で働いていた時に、本屋さんに行ってふと手に取ったこの本。子どもたちに読んであげたいなあと購入しました。

子どもたちがこの本をどんなに好きだったか、ページのしわくちゃ具合や幾つものテープのつぎはぎを見ていただけたらわかると思います。

「めだまやきたべたのだあれ」(2枚目の写真の通り!)
「ぶどうたべたのだあれ」(目がむらさき色のぶどうになっているネコ)
「ドーナツたべたのだあれ」(尾っぽが丸いドーナツになっている魚)

見たらすぐにわかってしまうのがうれしくて「これ!」と子どもたちは満面の笑みで指差していました。20年以上前のことなんて信じられないくらい、子どもたちの笑顔は鮮明です。

幼稚園の子どもたちが思う存分味わった後は、私の子どもたちがこの本を繰り返し開きました。同じように「これ!」と得意そうに教えてくれる顔が幼稚園の子どもたちの顔と重なって、たまらなく懐かしい気持ちになりました。

幼稚園で一緒に過ごした子どもたちは今、20代の若者になっています。この本を開いたら、どんな気持ちになるのかな?

鳥山百合子

 

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土佐町ストーリーズ

長者の家

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むかしむかし、床鍋の保ノ谷のある家に、一晩泊めてほしい言うて女の人が来たそうな。

家の主は、それはしよいことじゃが、食べてもらう物もないが言うたと。

女は、何もいらん、泊めてもらうだけでええ、ただ私の寝た後で楮桶(楮を蒸す桶)をかぶせてほしい言うたと。

主人は言われた通りにしてあげたそうな。

夜が明けて桶をとんとんと叩くと、内からも叩くのであけてやったら、やっぱり人の姿でねよったと。

お世話になった言うて、帰りぎわに、お家はとても裕福なお家になりますよ、言うて出て行ったと。

その家はそれからますます栄えて長者になったそうなが。

桶の中には蛇の鱗が光っていたと。

町史

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私の一冊

古川佳代子

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 「雪の写真家 ベントレー」 ジャクリーン・ブリッグズ・マーティン文, メアリー・アゼアリアン絵 BL出版

子どもと子どもの本に関わる仕事を20年ほど続けてきました。子どもたちに本を手渡す仕事は、世の仕事の中でも1位、2位を争う素敵な仕事ではないかしら?と思っています。 子どもたちに本を手渡す度に幸せを感じるのですが、それと同じくらい心が弾むのは、子どもの本に関わっていなければ、知らずに終わったであろう本に出会ったときです。この絵本もそんな一冊です。

今年の3月まで勤めていた高知こどもの図書館は1999年12月に開館した、日本で最初のNPO法人が設立し運営する図書館です。この「雪の写真家ベントレー」が発行されたのも同じ年の12月。

開館してしばらくしてから図書館の蔵書に加わった絵本です。伝記絵本として、美しい冬の絵本として、大人にもお勧めの絵本として….。様々は視点から紹介したことでした。

150年ほど前のアメリカの豪雪地帯の農夫の家に生まれ、50年に亘りひたむきに雪の写真を撮り続けたベントレー。学校には2、3年しか通うことができず独学で雪の研究をし、結晶の写真を撮っていた彼は、いつしか世界中のだれもが認める「雪の専門家」となっていました。けれども裕福とは言い難い農家でしたから、苦労は多かったようです。

ベントレーが雪の結晶を写せる顕微鏡付きカメラを手に入れたのは17歳の時でした。「雪なんかに夢中になって、ウィリーには困ったものだ」とこぼしていた父さんが、10頭の乳牛よりも値段の高い立派なカメラを買ってくれたのです。変わり者のベントレーを家族がどんなに愛していたかが伝わってくるこのシーンは、何度読んでもグッと胸に迫ってきます。

生前ベントレーは「酪農家からは一杯のミルクを。私の写真からも同じくらい大事なものを受け取ってもらえるだろうと、私は信じている」と語っています。 美しく温もりのある版画で綴られたこの絵本からも、一杯のミルクと同じくらい大事なものが伝わってきます。

古川佳代子

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土佐町ポストカードプロジェクト

2019 Nov.

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稲叢山方面に行った帰り道、不意に出くわして思わずシャッターを押した風景です。

時間は朝8時過ぎ。青空、白い雲、一見すると夏のように見えるかもしれませんが、これは冬の訪れを知らせるさめうら湖面の写真です。

雲海のように低い位置に立ち込める雲、湖面を湯気のように移動する霧。これは冬の土佐町で見られる光景です。

この日は、撮影するぞ!と外出したわけではなく、山からの帰り道、市内での打合せに向かう途中で図らずも遭遇した風景です。たまたまの出会いなんですが、自然からの贈り物として僕の心に刻まれました。

そしてこういったたまたまの贈り物が珍しいものではなく、実は一年を通して何度も頂いてしまえるということは、土佐町のような場所に住む者の幸せだなぁと思っています。

 

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私の一冊

藤田純子

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「暖炉の火のそばで」 リチャード・W.ブラウン 著, トーバ・マーティン 著 KADOKAWA

今年は暖冬らしいけど、なかなか寒い。

冬になると、この「暖炉の火のそばで」を眺めている。

またターシャに励まされる。ターシャは季節が変わっても暮らしの基本は変わらない。

必要なものは手作りし、楽しみ、時間を過ごしている。

いいなあ、すごいなあ。よし!私もがんばる!と心に栄養をもらっている。

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「とさちょうものがたりin高知蔦屋書店」では、さば寿司づくり、布ぞうりづくりのワークショップも行いました。

蔦屋書店や道の駅などに置いたチラシ、新聞記事や折込チラシを見て、たくさんの方から申し込みとお問い合わせをいただきました。

参加してくださった皆さん、問い合わせてくださった皆さん、本当にありがとうございました!

 

 

11月17日 布ぞうり作りワークショップ

 

先生は土佐町の筒井政利さん。

昔は学校へ行く時、畑で仕事する時、雨や雪が降ろうがいつもわらじを履いていたそうです。筒井さんは、お父さんが藁でわらじを作っているのを見ながら作り方を覚え、同じ方法で布ぞうりも作り始めたとのこと。長い間、土佐町の人たちに布ぞうりの作り方を教え続けてきました。

とさちょうものがたり編集部も作り方を教えてもらいましたが、作る工程には「お〜〜〜!!」と感動する技がいくつもあって、昔から引き継がれて来た知恵は本当に素晴らしいとあらためて感じました。踏みごごちがとても気持ちが良く、ずっと履いていたいと思うほど。

筒井さんの熟練の技!一人ひとりに丁寧に教えてくださいました。

 

布ぞうりは古い布を裂いたものを自分の手と足を使って編み込んでいきます。何足も作るとなると布もかなりの量が必要になってきます。ワークショップをすることになったと土佐町社会福祉協議会の職員さんに話をすると「それならこれ使って!」と、いつか使う日が来るだろうとしまっておいた布を分けてくれました。助けが必要な時、いつも誰かが力を貸してくれるのは土佐町の懐の深いところです。

 

裂いた布を囲み、お互い教え合いながら作りました。

 

布ぞうりは編み始めが難しいので、そこで皆さん四苦八苦。筒井さんがマンツーマンで教えてくれました。最初に筒井さんに教えてもらった人が他の人にも教えてあげたりと、とても和やかな雰囲気でぞうり作りは進んでいきました。

2時間の予定でしたが時間を大幅にオーバーして、3時間ほどでみなさん完成!
最後のぞうりが仕上がった時「よかった!」と筒井さんがほっとした表情をしていたことがとても印象的でした。

 

 

小学生の女の子も、頑張りました!

色の組み合わせを考えながら最後まで一生懸命作りました。

 

とさちょうものがたりをいつも読んでくださっているという方も。以前、仕事の関係で土佐町に何度も来てくださっていたとのこと。

「このぞうりは孫にあげよう!」とお話されていました。作り方をあっという間に覚えて他の参加者の方に教えてくださいました。ありがとうございました!

 

自分のぞうりが完成すると、皆さんホッとした表情を浮かべ、そして「やったー!」という顔に。ものをつくることのなかには、昔から人が持ち続けている本能的な何かがあるのかもしれませんね。そして純粋に楽しい。

何もなかったところからあらたなものができていくことで、また次の出会いが生まれたりします。そうやってできた一つ一つの結び目が、また次の何かに繋がっていくのだと思います。

 


 

筒井さんもさば寿司の長野さんも今回のワークショップをとても喜んでくれました。

「今回こういう時間を作ってもらって色んな人と知り合えた。ありがとう」。そう言ってくれたことは私たちにとって何より嬉しいことでした。

おふたりは、自分のすることの向こうに誰がいるのか、日々その人たちの顔が見えているのでしょう。そのことが続けていく原動力になっているのではないでしょうか。

 

 

蔦屋書店でのイベントは、とさちょうものがたりが今まで積み重ねて来たこと、今、これからを考える大きなきっかけとなりました。自分たちのする仕事の向こうに誰がいるのか。何のためにこの仕事をするのか。自分たちへのその問いかけをいつも忘れずにいたいと思います。

 

「とさちょうものがたり in 蔦屋書店」、たくさんの方のご縁とご協力のおかげで開催することができました。
皆さま、本当にありがとうございました!

 

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私の一冊

川村房子

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「笑え、シャイロック」 中山七里 KADOKAWA

図書館であわてて借りて「シャーロック」かと思いきや「シャイロック」という題名。

帝新第一銀行に入行した結城。バブル崩壊後に焦げついた債権の取り立て部署に配属となり、上司は伝説悪名髙い回収マン山賀。彼について回収不可能と思われる案件に取りくんでいく。

「シャイロック」は「ヴェニスの商人」に登場する、強欲なユダヤ人の金貸しだという。山賀について学ぶうちに秘めた優しさや配慮に気づかされていく。

そんなある日、山賀が刺殺体でみつかる。帝都第一銀行の闇をにぎっていたようだ。

部長があげた稟議で決済された案件の多くが不良債権であった。山賀の残した多くの案件に孤軍奮闘していく。銀行の窓口にいくと笑顔で応対してくれるが預かるだけではやっていけない。

貸し付けてはじめて成り立つ大変さは、大小の銀行を問わずあるのだろうと改めて思わされた一冊だった。

川村房子

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「とさちょうものがたりin高知蔦屋書店」では、さば寿司づくり、布ぞうりづくりのワークショップも行いました。

蔦屋書店や道の駅などに置いたチラシ、新聞記事や折込チラシを見て、たくさんの方から申し込みとお問い合わせをいただきました。

参加してくださった皆さん、問い合わせてくださった皆さん、本当にありがとうございました!

 

 

11月16日 さば寿司づくり

 

さば寿司作りは、定員を大きく上回るほど申込みをいただきました。見るだけでもいいので来たいと言ってくださる方もいて、関心の高さを感じました。

先生は土佐町にある長野商店の店主、長野静代さん。長野さんは現在84歳。地元土佐町の食材を使ったお惣菜やお弁当、皿鉢料理やさば寿司を作り続けて来ました。

今から2年前、とさちょうものがたり編集部は、長野さんにさば寿司の作り方を教えていただきました。寿司飯の絶妙な味付けや、柚子酢に漬け込んださばに寿司飯を包み込む手さばきは惚れ惚れするほどでした。それは経験と時間を積み重ねて来た人だけが持てるもの。それはひとつの素晴らしい文化です。

40年間作り続けて来た長野さんの味と技、その姿をぜひ多くの方に知っていただけたらと思いこのような機会をつくりました。遠く高知市まで来てくださった長野さん、参加してくださった皆さんのおかげです。ありがとうございます。

 

まずは自己紹介からスタート!

 

生のさばを背開きするところを長野さんが実演してくれました。

 

柚子酢に漬けたさばに寿司飯を詰めていきます。

 

参加者の皆さんがそれぞれ一匹ずつ寿司飯を詰めました。いくつも並んださば寿司は壮観!

 

長野さんは「参加してくださった皆さんとお会いできたことがとても嬉しい」そして「とても楽しかった」と話してくれました。

ワークショップ後、自分の写真を見上げる長野さん。

 

参加してくださった方から感想をいただきました。

母がさば寿司を作ってくれていましたが作り方をしっかりと聞かないままでした。もう他界していますので、今回このワークショップを知り、是非参加したいと思い申し込みさせていただきました。家族もさば寿司が大好きですので、これからは作りたいと思います。長野さんのお店にも行ってみたいと思います。こういう機会があれば、是非また参加したいと思います。

 

一度自分の手でさば寿司を作ってみたかった。希望が叶いました。にこやかな長野さんのお人柄にも魅かれて楽しいひと時となりました。

 

以前より、さば寿司の作り方を習いたく、料理本等で作ってみたりしていましたが、実際教えていただいて色々勉強になりました。田舎寿司や郷土料理等、継承していただけると嬉しいです。今度のお正月は家族に尊敬されるかも?

 

今回のさば寿司のワークショップでは、高知ならではの料理の作り方を知りたい、またこういう機会を作ってほしいという声をたくさんいただきました。

高知には山のもの、海のもの、大地から生まれる豊かな恵みがあり、その地に根ざした知恵や手仕事があります。その土地ならではの文化を脈々と引き継いで来た人たちがいるからこそ今の風景があります。市井の人たちのそういった営みが、その土地の輪郭を作り出しているのではないでしょうか。

その土地で生きる人たちが培って来た知恵のバトンを受け取り、また次の人たちへと手渡して引き継いでいく。

とさちょうものがたりとして、そのようなことができたらいいなあと思い始めています。

 

 

参加してくださった皆さんと記念撮影。ワークショップ中、たくさん助けていただきました。皆さん、本当にありがとうございました!

(「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店、ありがとうございました! ワークショップ 布ぞうり編」に続く)

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私の一冊

田岡三代

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「ノーサイド・ゲーム」 池井戸潤 ダイヤモンド社

今回、日本中を沸かせた「ラグビー熱」の前哨戦として、一役かっていたのでは思わせるこの本。

テレビでもドラマ化され毎回楽しく観戦したのですが、一足早く本を買って読もうとしたら、孫に「テレビでやりゆうのに、本を買うが?」とあきれられました。

しかし、本の中でドキドキワクワクしていますので、テレビは安心して見られました。

多額の予算を使っているラグビーチームを抱えている大手自動車メーカーで、まったくラグビーを知らない主人公。

そのラグビーチームを再建しようと孤軍奮闘する主人公が、日々ラグビーの心に魅せられていく過程も見ものでした。

田岡三代

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2019年11月16日・17日、高知蔦屋書店で開催された「とさちょうものがたりin 蔦屋書店」!

来てくださったお客さま、出展者のみなさま、心を寄せてくださったみなさま、蔦屋書店のみなさま、本当にありがとうございました。

 

土佐町の人たち、土佐町の風景が蔦屋書店の風に揺れていました。

天井から土佐町の人たちと風景が揺れていました。

 

階段の踊り場から見た風景は、とても感慨深いものでした。

 

2階へ上がる階段横にも展示。

 

蔦屋書店正面入り口から見上げたところにも写真を展示しました。

 

数日前からコツコツと写真展の準備を開始。天井から吊るすことができる写真が想定していたよりも少なくなり、書店の担当者さんと相談して階段横や入り口正面にも展示ができるようにしました。本当に終わるのか?やれるのか?その気持ちは準備を進めるうちに消えて行きました。

他にもキネマ土佐町の上映準備や土佐町のポストカードを持ち帰ることができるように並べ、土佐町で暮らす人たちや風景のもとに吹く風を少しでも届けることができたらと思いながら会場を整えました。

あとは本番を迎えるだけ!この日までにやれることはやりきりました。

 

どんな景色が見えるかと本番が楽しみであると同時に、少し緊張もありながら当日を迎えました。

土佐町の出店者のみなさんが次々と到着し、自分の場所の準備をしている姿を見て「ああ、もう大丈夫だ」と心から思えたことはとてもうれしくありがたいことでした。この日を迎える前に、出店者の皆さんの仕事場へ伺い取材させてもらいました。どんな思いで仕事をして来たのか、喜びややりがい、しんどさ…。その人それぞれの持つ背景がこの会場の雰囲気と見事に重なっていたように思います。不思議なもので、その人それぞれが積み重ねてきたものは、姿そのものやその場の空気となって現れるものなのだなと感じます。

MISHIMA FARMの山中敏雄さん

 

sanchikaraの駄太井玲二さんと石原地区の山下恵子さん

 

季節の焼き菓子orioriの仙田聡美さん

 

山根くんのコーヒーの山根総介さん

 

le petit gouter (ルプチグーテ)の尾﨑美穂さん

 

笹のいえの渡貫洋介さん・子嶺麻さん・月詠さん

 

Forestさん(店主の宅間宏治さんを写すチャンスを逃してしまいすみません‥)

 

とさちょうものがたりが始まって2年半。高知蔦屋書店で開催できたのは、今まで出会った方たちとのいくつものご縁のおかげです。大切な人たちや重ねて来たかけがえのない思い出がいくつも心に浮かびます。蔦屋書店であらたな風景を見せていただいたことは、私たち編集部にとって大きな宝となりました。

 

 

 

書店入り口では、土佐町高須地区の花農家さんである澤田順一さん・みどりさん、息子の光さんが育てたトルコキキョウをお客さまに手渡しました。そのトルコキキョウは「みどり」という名前で、花びらの縁は淡い黄緑色をしています。(書店内の花屋さんは「お店に並べたいけれどなかなか手に入らない種類です」と話していました)

 

 

土佐町で育っているままの姿を届けたくて、あえてラッピングはせず、そのままのお花をお渡ししました。少し驚きながらもとても嬉しそうに受け取ってくださるお客さまたち。希望する方は新聞で包んで持ち帰ることができるようにしたのですが、お花を包む人のはにかむような嬉しそうな顔!

 

小さなお子さんがうれしそうにお花を手にしていた姿がうれしかったです。

 

トルコキキョウを手渡してくれた土佐町役場のおふたり

 

一本のお花を受け取る人たちの姿を見て、大切なのはこういうことなのではないかと感じました。ものや情報に溢れる今の世の中、本当に大切なことまで埋もれてしまっていないだろうか?心を込めて育てた一本のお花がその人の手の元へ届く。そのままがいいのだと思えたのです。

 

トルコキキョウが土佐町に吹いている風のそのままを、お客さまに届けてくれたように思います。

 

(「とさちょうものがたり in 高知蔦屋書店、ありがとうございました!ワークショップ編」に続く)

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