
とさちょうものがたりが長年に渡りお世話になっている上津川の高橋通世さん。
これまで「撮影協力」として多くの記事にお名前を記載させていただきました。
通世さんは山の人。猟に連れて行ってもらったり、ハチミツの収穫を体験させてもらったり、本当に多くのことを教えていただきました。
絵描きの下田さんが土佐町を訪れた際に、愛犬のビーグル輝さんと一緒に撮影しました。犬小屋付近に見える後ろ姿は夏さんです。
著者名
記事タイトル
掲載開始日
土佐町の現在の人口です。(2017年6月末時点・土佐町公式サイトによる)
注:土佐町の総人口が3,997人(2017年4月末時点)から4,001人(6月末時点)に増加したことに伴い、当プロジェクト名も「4,001プロジェクト」に変更になりました。
“4,001プロジェクト”は土佐町に住む人々を、全員もれなく、写真家の石川拓也が撮影する計画。
念のため書いておくと、「全員もれなく」…あくまで目標です。
土佐町の人口の増減によって、タイトルもたまに変わります。 (敬称略・撮れたときに不定期更新)


「ネパール・インドの聖なる植物」 著者:T.C マジュプリア 訳者 西岡直樹 八坂書房
土佐町に移ってくる少し前の数年間、インドに頻繁に行っていた時期がありました。
グジャラート州というインド北西部の、友人となったあるインド人家族を訪れるため、年に2、3回は飛行機を乗り継ぎ訪問していました。
ラオさんというその友人の家に寝泊まりさせてもらい、長い時には1ヶ月や2ヶ月インドで過ごしていたので、これは旅というよりかはホームステイに近いものだったかもしれません。
お父さんのバーラット、お母さんのプラティマ、姉のクルッティ、弟のダムルー。
とても仲の良い家族の中で、僕も家族の一員として暖かく遇してもらい、クルッティの結婚式があった際には弟のダムルーと共に「新婦の兄弟」として出席しました。
そんな訪問を繰り返していた最中、別れ際にお母さんのプラティマが手渡してくれたのがルドラークシャという木の実をつなげた数珠。
「これはあなたを守ってくれるから」と言いながらぼくの手首に巻いてくれたのです。
帰国後、ルドラークシャが一体なんなのか知りたくて読んだのがこの本。
ヒンドゥー文化が数千年の間、大切に紡いできた植物への考え方がとても詳しく解説されています。
ルドラークシャの項によると、ルドラークシャ(ジュズボダイジュ)はヒンドゥ文化の中で非常に重要な植物であるとのこと。
古伝説を紐解くと、ルドラークシャは主神シヴァ自身である。シヴァ神は別名ルドラという。数珠に使われる種子は神聖で、縁起がよく、それを見ただけでもたいへんなご利益があるという。
お母さんのプラティマは「これを身につけていたら健康になる。高血圧も治る!」と力説していましたが、ヒンドゥの伝説の熱量からするとそれもどうやら真実であり、なによりもプラティマのその気持ちをうれしく感じたのでした。


「SLEEPING BY THE MISSISSIPPI」 著者:Alec Soth 発行:Steidl
アメリカ人写真家アレック・ソス(Alec Soth)の写真集です。
アメリカのミシシッピ川流域の、そこに住む人々や風景を大判カメラで撮影した一冊です。
異論もあるかもしれませんが、僕はアレック・ソスの肩の力が抜けたやる気のなさが好きです。やる気のなさと言うと語弊があるかもしれませんが、強い感情や緊張感や超絶技法とか計算され尽くした構図とか、そういうのナシで、「そのまま撮りました〜」みたいな感じ。
これを自分に置き換えると、できそうな気がしてできないので好きなのです。
ゆるいリズムと低いトーンで心地よい音楽が流れているような写真集です。


「死んだかいぞく」 下田昌克 ポプラ社
とさちょうものがたりがスタート時からとてもお世話になっている絵描きの下田昌克さん。
とさちょうものがたりzineも、どんぐりやファーストなど障がい者支援施設と協働で行なっているシルクスクリーン事業も、下田さんの力なしでは実現しなかったことでしょう。
その下田さんが、新しい絵本を作りました。
その名も「死んだかいぞく」。
絵本だけど「死」。絵本だけど表紙が真っ黒でガイコツ。最初のページから、かいぞくが刺されて死ぬところから話は始まります。
帯にもあるように、この本のテーマは「死ぬとは?」。
死生観とは?命とは?肉体とは?生きるってどういうこと?
本当に大事なことは簡単な言葉で語られる。誰かが言っていたそんなことを思い出しました。
深海の青がとにかく妖しくきれいです。


「つなみ」 ジョイデブ & モエナ・チットロコル 三輪舎
日本人にはなかなかない、この絵のセンスと色使い。発行は三輪舎という日本の出版社ですが、大元のオリジナルはタラブックスというインドの出版社が作ったもの。
タラブックスは、インドの少数部族の画家さんたちと共にこうした絵本を数多く生み出している出版社です。
この一冊に限らず、タラブックスの本の多くはシルクスクリーンで印刷されたもの。
とさちょうものがたり編集部にとっても、シルクスクリーンに携わる者として、タラブックスは憧れと尊敬の会社です。
ただ素晴らしい本を作っているというだけではなく、作る過程、ビジネスとして成立させる過程が素晴らしい。
絵を描く少数部族のアーティストに対する深い尊敬と愛情を感じますし、印刷を担当する職人さんたちをとても大切に考えていることも伝わります。
一言で言えば、「良い絵本を作ってビジネスにする」というのはタラブックスにとっては表面的な目的で、もっと深いところには「みんなをハッピーにする」という大きな目的があることなのでしょう。
そのブレなさ、かっこいいです。気になった方はぜひ調べてみてください。