
下瀬戸 | 北田凛花・朔
高知の山のほとんどは杉の植林のイメージがあります。
下瀬戸も同様で、山道の左右はまっすぐ垂直に伸びた杉の林。それが、山頂近くになると突然この光景が広がります。
これはコナラの森。数十年前の山主さんは、あえて植林しないでとっておいたのでしょうね。
土佐町の花屋さんのお子さんたち北田凛花ちゃんと朔くんに森を走ってもらいました。
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図らずもTPP。あっちのTPPではありません。
土佐町在住の写真家、石川拓也がひと月に1枚のポストカードを作るプロジェクト。
2016年11月から始まり、たまに遅れたりもしながら、いちおう、今のところ、毎月1枚発表しています。
各ポストカードは土佐町役場の玄関と道の駅さめうらにて無料で配布しています。


「Afrique Nord-Est Arabie」 MICHELIN
20歳あたりでふらふらと長い旅をしていた時に実際使っていた地図です。
この地図はフランスのタイヤ会社ミシュランが発行しているもの。
東アフリカ北部・サウジアラビア紅海近辺の地図です。
記憶はうる覚えですが、確か買った場所はケニアのナイロビ。
そこから北上してエジプト・イスラエルを目指すにあたり、インドの安宿で手に入れ持ってきた「地球の歩き方 東アフリカ編」が全く役に立たないことに気がつきました。
なんでかって言うと情報がほとんど載ってなくて、キリンや象の写真ばっかり。(20年以上も前のことです。今はたぶんもっと良くなってると思います。)
これはあかん、と慌てて街で役立ちそうなものを探し、「lonely planet」という欧米版のガイドブックは高くて買えず、それでようやく買えたものがこの地図でした。
地図を買ったはいいものの、バス路線も途中で無くなりトラックをヒッチハイクしながらの北上旅は、情報がないが故の右往左往。迷いに迷い、所持金も底をつき、イスラエルにたどり着いた時にはヘトヘト&ボロボロここに極まれりといった体でした。
ただその過程で出会った東アフリカ(ケニア・エチオピア・エリトリア)は、野生というか、人としての根源に近いなにかを呼び覚ましてくれるような不思議な魅力のある場所でした。
その時に一条の小さな光のように現在地やルートを教えてくれたのがこの地図でした。
その旅の顛末、もしよかったら読んでみてください。


「ニュータイプの時代」 山口周 ダイヤモンド社
以前「武器になる哲学」をこの欄で紹介しましたが、近年の山口周さんの著作はキレッキレの内容が続きます。
現時点で山口さんの最新刊と思うのですが、まず前提として、
・世界がVUCA(ブーカ)化している。
VUCAとは、Volatility(不安定さ)、Uncertainty(不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語。
この世の中の誰も先を予想できない目まぐるしい変化を踏まえて、個人としても組織としても、綿密な計画を立てることに時間を費やすより、その場その場の対応力を磨いていくべき、と論じています。
その上でこの環境に適応できる力を持った人をニュータイプと呼び、旧態依然のオールドタイプとの対比で、来たるべき未来で必要とされる能力をリストアップしていってます。
土佐町にはトキワ苑という特別養護老人ホームがあります。
「生涯、自分らしく」をモットーに、約80名の利用者さんが日々この施設で過ごしています。
高齢化が著しい、土佐町のような中山間の町にとってとても重要な役割を担っている施設です。
そのトキワ苑から、「スタッフが仕事中に着るポロシャツを作りたい!」とご相談を受けました。
実は昨年も同様のご相談を受け、とさちょうものがたりが製作していた下田昌克さんの絵柄のポロシャツをお買い上げいただいたという経緯がありました。
それでは今年はトキワ苑オリジナルの絵柄を作成してみてはいかがでしょう?とご提案したところ、少し時間を置いてから、下のようなイラストが編集部の元に届いたのでした。
すごい!

編集部では、なんとなく施設の職員さんで、絵の得意な方が描かれるのかな?と想像していたところ、実際に描いたのは施設の利用者である81歳のおばあちゃん。
絵を描くのが好きで、今でもよく絵筆を持つそうです。今回描いてくれたのは土佐町でもよく目にするアジサイの花でした。

上がイメージ図。背中一面にアジサイが咲いている絵は手の温もりを感じます。意外な迫力もありますね。
左胸にはトキワ苑の施設名とともにモットーである「生涯、自分らしく」。

全部を仕上げてからお届けに伺いました。
真ん中のおばあちゃんが絵を描いてくれた小川和子さん。左がトキワ苑の職員の古谷さん。後ろと右の2人が印刷を担当したどんぐりのきほちゃんと寿光くん。

とさちょうものがたりのシルクスクリーン事業のスタートは、「地域で自分たちで作れるものは自分たちで作った方が良いのではないか?」という疑問からでした。
それは都会の業者さんにお願いした場合には地域外に流れていくお金を、自分たちで作ることで地域外に逃がさないようにするということ。
そうしてできた仕事に、仕事を必要としている地域の人が取り組み実現させていくということ。
さらにこういった仕事のひとつひとつを、たとえ不器用でも着実に完遂していくことで、仕事をする人々ばかりか、仕事をお願いしてくれる地域の人々にも、その経験値が蓄積されていくということ。
そしてそうした経験を積み上げるほどに、関わってくれる地域の方々との間に理解が深まっていくのを実感します。
トキワ苑のみなさまには、今回とても良い機会をいただきました。スタッフ一同心からの感謝をお伝えします。ありがとうございました!


「佐々井秀嶺、インドに笑う」 白石あづさ 文藝春秋
日本人でありながら、インド仏教最高指導者として1億5千万人の信徒を率いる立場にいる佐々井秀嶺さん。2017年6月に土佐町でも講演していただいたのでご記憶の方も多いと思います。
過去、佐々井さんの生涯を描いた伝記は数冊刊行されていますが、この本は白石あづささんというライターさんが書いた、これまでの佐々井さんの本の中でおそらくもっともくだけた、等身大の本だと思います。
佐々井秀嶺さんは、約44年間日本に帰ってきていなかったのですが、最近はだいたい年に一度6月あたりに一時帰国されます。
今年も1ヶ月ほど帰国されていて、その間にたくさんの講演や法要などをされていました。沖縄での講演もあったと聞きます。
とさちょうものがたり編集部も、岡山での講演を赴き、2年ぶりの佐々井さんとの再会を果たしました。


「しょぼい喫茶店の本」 池田達也 百万年書房
就職活動につまずいたある若者。「ほんとは自分は働きたくない。就職したくない。」と気づく。
そんな自分がどう生きていったらいいのか?と模索していく中で発見した「しょぼい喫茶店を開く」という生き方。
食べていけるだけの稼ぎが作れたらいい。背伸びしない、カッコつけない、開業資金も極力使わない。
この本はその経緯を克明に描いているものですが、なんといってもすごいのは本当にカッコつけていない等身大のこの若者の言葉。
自分の歩んできた人生を説明するのも、とても素直で肩に力が入っていない語り口で、こうして自分のことを淡々と客観的に語れたら、そこに惹かれてお客さんや協力者たちが集まる場になるのも不思議ではないと感じました。
生き方は人それぞれ、を地で行っている一冊です。

高須 相川川 | 伊藤陽音・穂美
相川小学校の裏の川、その名も相川川。
先日「4001プロジェクト」に登場いただいた「うどん処 繁じ」の伊藤陽音ちゃんと穂美ちゃんの姉妹に一緒に来てもらいました。
川辺に着くなり、ハイテンションで服のまま飛び込む小さな二人。案の定、帰り際には「まだ遊ぶ!」と言ってきかない一面もありましたが、この遊び場を二人がめいっぱい楽しんでくれたことがうれしいことでした。

土佐町や近隣の、たくさんの方々がお世話になっているであろう「うどん処 繁じ」の伊藤さんご一家を撮影させていただきました。伊藤勝也さん、秀美さん、陽音ちゃんと穂美ちゃんの4人家族。
「繁じ」のうどんは、月並みな言い方になりますがとにかくおいしい。ご主人の勝也さんは安芸の「国虎屋」やその他様々なお店で修行した後、ご自身が育った土佐町に帰ってきてお店を開きました。
お昼時にお店の前を通ると長い行列ができていて「今日はあきらめよう‥」と思ったことも多々あります。遠方や他県の方もよくご存知で、「繁じ」のうどんが目当てで遠くから来ました、という話もよくお聞きします。
なんかご家族のお話よりもうどんの話ばかりになってしまいましたが、僕自身が「繁じ」のうどんのいちファンなのでご理解いただければと思います‥。


「日本の文脈」 内田樹, 中沢新一 角川書店
内田樹と中沢新一。二人とも1950年生まれの同学年という思想家が、さまざまな機会に対談をしたものを綴った対談集。
内田樹は、古武道や能を通して「中世の日本人の体の動かし方を知りたい」と考える。その先には日本人の精神性の大元はどういうものだろう?という疑問がある。
中沢新一は、「アースダイバー」の著者。元々はチベット密教を体験体得し、それを科学的に、なお且つ平易な言葉で表現できる人。その地点から「日本とは?」という問いを発する人。
だいぶ乱暴な説明になってしまいましたが、この二人、アプローチは全然違うのに考えていることは大きく共鳴しあっているようで、それが対談を通して伝わってきます。
特に日本文化に対する眼差しは厳しくて温かい。「日本文化の中心は実は空っぽで空洞です。本質はその周縁部にある。」といったような指摘は思わず「なるほど」と手を叩いてしまいました。