「豆腐屋の四季」 松下竜一 講談社
大切に思うこと(もの)は隠しておきたいんだけど、実は顕示したい、知らしめたいという感覚。
この一冊はそんな思い。
僕のような「単純な豆腐好きの短歌好き」なくらいでは裏切られます。
松下竜一(1937~2004)渾身の一冊です。
藤田英輔
著者名
記事タイトル
掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
西村繁男さんが土佐町にやってくる!
絵本作家、西村繁男さんが土佐町にやって来ます。
高知県高知市ご出身の西村さん。「にちよういち」や「がたごとがたごと」「おふろやさん」「やこうれっしゃ」など、子どもたちも大好きな素晴らしい絵本をたくさん制作されています。
実は西村さんは土佐町にもご縁のある方で、3年ほど前にも土佐町に来てくださってご自身の絵本をスライドにし、お話をしてくださったことがありました。
そして今年の秋、西村さんから「とさちょうものがたりを読んで、笹のいえを知った。ぜひ宿泊してみたいので連絡先を教えてほしい。」と連絡があり、「11月9日に土佐町に行くのでその時に、以前のようにお話ができたら。」と言ってくださったのです。
11月9日(金)15時から、土佐町のみつば保育園で西村繁男さんの「おはなし会」を開きます。
西村さんの奥さまである絵本作家いまきみちさんも一緒に来てくださいます。
どなたでも参加できますので、西村さんといまきさんのお話を聞きたい方はぜひ来てくださいね!
「おおずもうがやってきた」 西村繁男 福音館書店
高知県高知市ご出身の西村繁男さんの絵本です。
島に大相撲の巡業がやってくることになって、町中の人が楽しみに準備をしていきます。
土俵の作り方、まわしのしめ方、ぶつかり稽古の様子、土俵入りやとりくみの様子が生き生きと描かれていて、自分もその中にいるような気持ちになってきます。
本場所ではお相撲さんが滑稽なことをしてお客さんを笑わせる「しょっきり」というものがあるらしく、西村さんの絵によると、わざと相手を飛び越えたり、水を吹きかけたり…。他にもいくつかあって、絵を見ながらその様子を想像するだけで面白い。
お客さんがお弁当を広げていたり、お菓子を食べていたり、カメラのフィルムを変えていたり(この絵本が描かれた時はフィルムだったんですね!)…。その様子を見るのも楽しい。
夜にお相撲さんたちが船に乗って島に到着した時の島の人たちの興奮や吐く息の白さは、暗闇の中にも人の熱や息遣いがあることを何だか思い出させてくれます。
鳥山百合子
さめうらの郷湖畔マラソン大会Tシャツを作りました!
「とさちょうものがたり」×「どんぐり」、さめうらの郷湖畔マラソン大会のTシャツを作りました!
2018年11月11日(日)に土佐町で開催される「さめうらの郷湖畔マラソン大会」。毎年1200人のランナーさんが参加しています。
参加申し込み時に約200人のランナーさんからTシャツの申し込みをいただきました。
多くの方のご協力のおかげです。本当にありがとうございます!
「水で活きる」をテーマに掲げる土佐町。人類最初の哲学者・古代ギリシャのタレスの「万物の原初(アルケー)は水である」という言葉と、土佐町の自然豊かな生活を古代壁画風にデザインしました。
背中と胸のデザインを一枚一枚手刷りし、完成したものはハンガーに吊るして並べていきます。
ずらりと並んだTシャツたちは、なかなかの迫力がありました。
視界がブルー一色になって「目がチカチカする(笑)」とどんぐりの職員さんの筒井さんが言い、どんぐりのメンバーさんの石川寿光さんは一枚一枚が積み重なっていく様子を「めっちゃやりがいありますよ!」と話してくれました。
参加申し込み時に注文いただいたTシャツ200枚は全て完成し、あとは当日ランナーさんに着ていただくのを待つばかり!
「あ!Tシャツを申し込みし忘れた!」「やっぱりこのTシャツを着て走りたい!」という方。
ご安心ください!マラソン大会当日もこのTシャツを販売します!
2018年11月11日、土佐町の空の下で、このTシャツを着て走るランナーさんの姿を楽しみにしています!
「いたずらこねこ」 バーナディン・クック作, レミイ・シャーリップ絵 福音館書店
生まれた初めて「かめ」に出会ったこねこは、何だろう?と思いながら、ちょっとした恐怖とそれを上回る好奇心でかめに近づきます。
頭と手足を甲羅の中に引っ込め、そして再び手足を出し、歩き始めるかめ。こねこはかめが自分の方へ歩いてくるので、たじたじと後ろへ下がる。
そして、バチャーーン!
かつて幼稚園で働いていた時、クラスの子どもたちとこの本を何度も一緒に読みました。(今はもう本当に大きくなって20歳を超えています!)
こねことかめの一歩ずつを息を呑んで見つめていた目、バチャーーン!と池に落ちるシーンでいつも決まって大笑いしていた子どもたち。
この本を開くと、幼稚園で一緒に過ごしたあの子たちのことをいつも思い出すのです。
また会えたらうれしいな。
鳥山百合子