私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

石川拓也

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「Afrique  Nord-Est  Arabie」 MICHELIN

20歳あたりでふらふらと長い旅をしていた時に実際使っていた地図です。

この地図はフランスのタイヤ会社ミシュランが発行しているもの。

東アフリカ北部・サウジアラビア紅海近辺の地図です。

記憶はうる覚えですが、確か買った場所はケニアのナイロビ。

そこから北上してエジプト・イスラエルを目指すにあたり、インドの安宿で手に入れ持ってきた「地球の歩き方 東アフリカ編」が全く役に立たないことに気がつきました。

なんでかって言うと情報がほとんど載ってなくて、キリンや象の写真ばっかり。(20年以上も前のことです。今はたぶんもっと良くなってると思います。)

これはあかん、と慌てて街で役立ちそうなものを探し、「lonely planet」という欧米版のガイドブックは高くて買えず、それでようやく買えたものがこの地図でした。

地図を買ったはいいものの、バス路線も途中で無くなりトラックをヒッチハイクしながらの北上旅は、情報がないが故の右往左往。迷いに迷い、所持金も底をつき、イスラエルにたどり着いた時にはヘトヘト&ボロボロここに極まれりといった体でした。

ただその過程で出会った東アフリカ(ケニア・エチオピア・エリトリア)は、野生というか、人としての根源に近いなにかを呼び覚ましてくれるような不思議な魅力のある場所でした。

その時に一条の小さな光のように現在地やルートを教えてくれたのがこの地図でした。

その旅の顛末、もしよかったら読んでみてください。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「宇宙兄弟」 小山宙哉 講談社

以前にも「宇宙兄弟」は紹介しましたがもう一度!

この写真の36巻はこの夏に発売された最新刊です。

「宇宙兄弟」は私の道しるべのような存在。「うーーん、いいなあ!」と巻ごとに心に響くセリフがあって、気持ちがしゅんとした時に読むと元気になります。

『「上には上がいる」ってことを痛感した時、打ちのめされるのか、ワクワクするかは、自分で選べばいいからね。ワクワクしながら挑戦するよ、私』。

36巻のこの言葉、グッときました。

多くの子どもたちにも読んでもらえたらいいなあと思います。(土佐町小中学校の図書館にも「宇宙兄弟」は置いてあります!)

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

藤田純子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「いのちは贈りもの ホロコーストを生きのびて」 フランシーヌ・クリストフ 岩崎書店

普通の生活を過ごしていた人々が世の中の理不尽な大きな力によって、寒さも暑さも、空腹も清潔さも省みられず、感情は踏みにじられ、愛情から見放され、暴力と恐怖と絶望の劣悪の中に放り込まれる…。そんなことが第二次世界大戦の時、ユダヤ系の何百万人もの人々の上に降りかかった…。

信じられない。想像を絶する。恐ろしすぎる。これがもし、日本人を差別視したのなら私たちも同じことが起き得たのだ。

この本を書いたフランシーヌは、9歳から12歳まで強制収容所を転々と移動させられながら、体験したこと、見たこと、聞いたことを子どもの率直な記憶をもとにまとめている。

ここまでひどいとは…。ヒトラーによって洗脳され、狂人となった人々の非情さに胸が悪くなる。人を狂わせる戦争の恐ろしさが胸に突き刺さる一冊でした。

藤田純子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「ハッピーな自分になれる100の魔法」 デビッド・ニーブン著, 吉田純子訳   文香社

十数年前知人から頂き、読む機会を失ったまま今日まで来てしまいました。未読収納ケースの中を整理していて、フト目に留まりページをめくり始めた次第です。

幸福の基準は個人個人の心の中に存在し、同じ事柄でも人により幸福度の感じ方に差が出てくる。自分自身を否定的に見るか、肯定的に見るかでも感じ方に差が生じる。

信念と態度そして目標を持って生活する事が幸福度アップへとつながる。

難しい哲学が述べられている訳でもなく、心に素直に響いてくる内容です

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

石川拓也

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「ニュータイプの時代」 山口周 ダイヤモンド社

以前「武器になる哲学」をこの欄で紹介しましたが、近年の山口周さんの著作はキレッキレの内容が続きます。

現時点で山口さんの最新刊と思うのですが、まず前提として、

・世界がVUCA(ブーカ)化している。

VUCAとは、Volatility(不安定さ)、Uncertainty(不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語。

この世の中の誰も先を予想できない目まぐるしい変化を踏まえて、個人としても組織としても、綿密な計画を立てることに時間を費やすより、その場その場の対応力を磨いていくべき、と論じています。

その上でこの環境に適応できる力を持った人をニュータイプと呼び、旧態依然のオールドタイプとの対比で、来たるべき未来で必要とされる能力をリストアップしていってます。

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「おさるとぼうしうり」 エズフィール・スロボドキーナ作・絵 福音館書店

「ぼうし、ぼうし、ひとつ50えん!」

頭に帽子をいくつも積み重ねてかぶり、町から町へ帽子を売り歩くちょっと気取った行商人のこのセリフを、どんな風に読むかが腕の見せどころです(少し大きい子は「50円!安い!」と合いの手を入れてきます)。

行商人はたくさん歩いて疲れたため、大きな木の下で帽子をかぶったまま昼寝をし、あ〜よく眠った!と起きたら、さあ大変。頭の帽子が全部なくなっていたのです。

さて、誰の仕業だったのか?答えは、ぜひこの本を読んでもらえたらと思います。

作者のエズフィール・スロボドキーナさんのユーモアセンス、絵や色の美しさ、この本が1970年に出版されてからずっと愛され続けてきた理由がわかるような気がします。

幼稚園や保育園で働いていた時、子どもたちは本棚に並んでいたこの本を「読んで!」と何度も持って来ました。読み終わると満足げな顔をして笑っていた子どもたちの顔が、今でも心に浮かびます。

鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「現代語訳 論語と算盤」 渋沢栄一 筑摩書房

数年後にお札の顔になる「渋沢栄一」を予習しましょう、という軽い気持ちで買った一冊です。

人間の基本姿勢は、時代によって左右されてはならないと再認識させられました。過去から学ぶ事の大切さがひしひしと伝わってきます。

東京の谷中霊園にある渋沢栄一さんと奥様のお墓が巨大なモニュメントだった事に納得しました。

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「国旗のえほん」 戸田 やすし 戸田デザイン研究室

ページを開くと世界の国々の国旗が描かれている本。お話が書いてあるわけじゃないけれど子どもたちはこの本がとても好きです。下の国名を隠して「この国旗はどこの国?」とクイズをしたり、紙を切り、国旗の模様を描きうつして旗を作ったり。

スイスやアメリカの国旗はわかりやすいけれど、ラグビーボールのような形の盾と槍が描かれている「スワジランド」、爪で丸い何かを握っているような龍が描かれている「ブータン」(調べてみると握っているように見えた何かは、「龍の爪についているのは宝石で富の象徴」なのだそうです)。

他にも「アンティグア・バーブーダ」や「セントクリストファー・ネイビス」など、長い名前の国もあります。その国を探すために地球儀とセットで楽しむのがおすすめです。

鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

石川拓也

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「佐々井秀嶺、インドに笑う」 白石あづさ 文藝春秋

日本人でありながら、インド仏教最高指導者として1億5千万人の信徒を率いる立場にいる佐々井秀嶺さん。2017年6月に土佐町でも講演していただいたのでご記憶の方も多いと思います。

過去、佐々井さんの生涯を描いた伝記は数冊刊行されていますが、この本は白石あづささんというライターさんが書いた、これまでの佐々井さんの本の中でおそらくもっともくだけた、等身大の本だと思います。

佐々井秀嶺さんは、約44年間日本に帰ってきていなかったのですが、最近はだいたい年に一度6月あたりに一時帰国されます。

今年も1ヶ月ほど帰国されていて、その間にたくさんの講演や法要などをされていました。沖縄での講演もあったと聞きます。

とさちょうものがたり編集部も、岡山での講演を赴き、2年ぶりの佐々井さんとの再会を果たしました。

 

佐々井秀嶺さんのこと

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「保育園義務教育化」 古市憲寿 小学館

異質な意見を述べる、少し意固地なコメンテーターという印象しかない著者の穏やかな雰囲気の表紙に驚き、内容が気になり読んでみました。

テレビではなかなか発信してない知識人としての一面を感じさせてくれました。確かなデータを根拠に子供の成長そして日本の経済を論じています。

保育園へ小さな子供を預ける罪悪感、母親の愛情の多寡のみに後々の人生がゆだねられているかのようなプレッシャーから快く解放させてくれます。

西野内小代

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone