「ほんとうのリーダーのみつけかた」 梨木果歩 岩波書店
戦後75年。日本は戦争のない平和な国だといわれるけれど、実はそう思わされているだけではないのかしら、と時々不安になる時があります。そんなとき目に入ってきたのが本書のタイトルでした。
この不安な気持ちを平らげ、私を導いてくれるリーダーの見つけ方を教えてくれるのか、なんとありがたい!と読み始めたのですが、それは大きな誤解でした。そもそも、自分で考えることを放棄して「だれか」にすがろうとすることこそ「危うい」のだと、ガツンと叱り飛ばしてくれたのが本書です。
社会が急激に変化し前例のない時代に、それでも何とかして生き延びなくてはいけません。そしてそれは、あとあと悔み、眠れない夜となるような手段ではない生きのび方でありたいものです。
その道を一緒に歩いてくれるリーダーを、そしてもしも悔むような選択をしてしまったとしても一緒に耐えてくれるリーダーを、自分の中に育てていくことが「ほんとうのリーダーをみつけること」なのだと語りかけてくるのでした。