「春が来た」 向田邦子 文春文庫
最近の私の一番好きな言葉に「これからの数多くの日々を愛する」というのがあります。
しかし、その日々が突然無くなる方もいます。
この向田邦子さんも、不幸にも飛行機事故という災難に遭われ、51歳という若さで亡くなりました。昭和56年のことでした。もう40年も経ってしまったのですね。
それなのに、向田さんの作品は色あせない。なんといっても、書き出しがシンプルで入り易い。
短編小説集の「隣の女」では「ミシンは正直である。」から始まる。一体、ミシンがどうした?…と、一言で本の中へ引き込んでいきます。
大好きな人でした。