「ナショナルストーリープロジェクト」 ポール・オースター編 柴田元幸訳 新潮文庫
「とさちょうものがたり」の連載のひとつ「土佐町ストーリーズ」が生まれたきっかけとなった本です。
アメリカの作家ポール・オースターがラジオ番組で募集した、アメリカで暮らす「普通の」人々の実話が綴られています。
私は特に「お祖母ちゃんの食器セット」「青空」というお話が好きです。
毎日の中にある「普通の」出来事が、実はあの時のあのこととつながっていたんだ、とはっとする時があります。
そのことに気づくのは、いつもあとからなのですが。
今日刻むだろう足跡も、これからの歩いていく道のりも、きっといつかこの先で、どこかで何かとつながっているのでしょう。
鳥山百合子