2023年11月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西野内小代

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あなたが誰かを殺した」 東野圭吾 講談社

有名な別荘地で起きた連続殺人事件、犯人は直後に自首するが、黙秘を続けるために謎は解明できない。被害者の家族が集まり、真相を知るための「検証会」が開かれる。

集まった人々はそれぞれ「あなたが誰かを殺した」という手紙を受け取っている。集まった中に被害者家族以外の人が2人居る。1人は敏腕刑事、もう1人は自身を偽った人物として参加している。

刑事の導きにより真相が徐々に明らかとなり、犯人と共犯者の2人が確定され、これで事件は解決と読者は油断する。果たして刑事の推理はまだ続く、「あなたが誰かを殺した」という手紙の伏線が見事に回収される。3人目の容疑者が居たのである。

アガサ・クリスティーの作品を彷彿させるような構成に感じられたが、やはり東野圭吾ワールドが際立つ作品だった。

 

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判型:A4 28ページ 定価1,760円 (税込)

A4を縦に広げる仕様です

 

 

 

CALENDAR Calendar 2024、販売開始です!!

2024年のカレンダー、「CALENDAR Calendar 2024」ができました!11月29日より販売開始です!

今回で4年目の取り組みとなる2024年のカレンダー。
今回は高知県内8つの障がい者支援施設と支援学校の利用者さん、児童が描いた数字と文字で作ったカレンダーです。

参加施設は

・やまびこ倶楽部(土佐町)
・りんどう(本山町)
・ファースト(大豊町)
・白ゆり(香美市)
・高知県立山田特別支援学校(香美市)
・サポートぴあ(高知市)
・竹ぼうきの会(梼原町)
・四万十工房,ごり工房(四万十市)です。

の皆さんです。

 

自由に数字と曜日を作ろう!

各施設の利用者さん・児童が自由な発想で手を動かして数字と文字を作りました!
その数字を使用してカレンダーの全ページができあがっています。

全部の数字、曜日がオリジナル。全部違います!中にはユーモアたっぷり、思わずクスッと笑ってしまうものも。

材料には高知県の地元で採れた野の草花も使っています。自由でカラフルな数字と、高知の野の草花の自然な色彩を楽しんでください!

 

初めてのフルカラー印刷!

施設の皆さんが作る原稿は色鮮やかで華やか。その原稿の華やかさをそのまま活かしたいと考え、今回は初のフルカラー印刷に挑戦しています。

一年中楽しめるような、カラフルでハッピーなカレンダーになりました!

 

クラウドファンディングに挑戦しました!

今回はこのカレンダーを広く周知したい・広くご購入をお願いしたいという目的で、クラウドファンディングに挑戦しました。多くの方からご支援とご協力をいただき、目標金額を大きく上回って達成することができました。ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

ご支援いただいた企業様や施設様、個人の方のロゴやお名前は、カレンダーのページに掲載させていただいています。(カレンダーにお名前を掲載しないという方もいらっしゃったので、全ての方ではありません。)ご支援をいただいたことを心から感謝しています。

この経験を通し、多くの方に支えられていることをあらためて実感したことでした。

このカレンダーが多くの方に愛されるものとなるよう、そして、手にした人に1日ごとに違う日々を楽しんでいただけたら、とても嬉しく思います。

ファースト(大豊町)

サポートぴあ(高知市)

りんどう(本山町)

白ゆり(香美市)

高知県立山田特別支援学校(香美市)

竹ぼうきの会(梼原町)

やまびこ倶楽部(土佐町)

四万十工房,ごり工房(四万十市)

 

 売上は施設に分配されます

定価は ¥1,600-(税別)。そのうち 1 部毎に ¥200 が 8 施設に 1/8 ずつ分配されます。
またさらに 1 部毎に ¥160- が販売した施設に支払われます。
最終的に出た利益は来年度のカレンダー制作費に使用されます。

*原稿料として各施設に¥10,000-が既にお支払いされています。

 

 

「カレンダーを買ってください」ではなく‥

この記事の趣旨は、「カレンダーを買ってください」ということでは、実はありません。

カレンダーの製作販売はあくまで表向きのもの。本当の目的は「彼らをサポートする仕組みにお金を出してください」ということです。

各障がい者支援施設のメンバーさんの力を発揮して作ったモノを買ってもらい、それが直接的にメンバーの方たちや各施設の収入に繋がる。カレンダーの製作販売はその一例にすぎません。

 

 

 

ご注文はこちらへ!

カレンダーはこちらの各施設で販売しています。(販売先はこれから増える予定です)

 

参加施設での販売

りんどう(障害者支援施設 しゃくなげ荘) 高知県本山町北山甲303−1    電話 0887-76-2811

就労継続支援B型ワークセンター ファースト 高知県長岡郡大豊町高須231    電話0887-72-1570

障害者支援施設 白ゆり 〒782-0016 高知県香美市土佐山田町山田1192−1     電話 0887-52-4131(担当 西尾)

社会福祉法人  土佐あけぼの会 サポートぴあ  〒781-8010 高知県高知市桟橋通3丁目10-14 電話 088-837-8277

NPO法人梼原竹ぼうきの会 〒785-0610 高知県高岡郡梼原町梼原1437 電話0889-65-0320

社会福祉法人一条協会(四万十工房,ごり工房) 〒787-1107 高知県四万十市岩田230−21 電話0880-34-2711

各施設の近隣にお住まいの方は、ぜひ施設にてご購入ください! 施設の収益の一部になります!

高知県内のお店

高知県内で販売していただいているお店はこちら。

金高堂書店  本店  〒780-0841 高知県高知市帯屋町2-2    電話  088-822-0161

高知蔦屋書店       〒781-0084 高知県高知市南御座6−10 電話  088-882-5544

末広ショッピングセンター 〒781-3521 高知県土佐郡土佐町田井1353−2 電話 0887-82-0128

お菓子工房 Dolce&Merenda  〒781-3521 高知県土佐郡土佐町田井1372-3    電話 0887-72-9098

とさのさとAGRI COLLETTO 〒781-0083 高知県高知市北御座10−10 電話 088-803-5015

hair design village mountain. ヴィレッジ マウンテン. 〒780-0033 高知県高知市西秦泉寺72−3 ハイツМⅡ 1F     電話 088-855-6262

県外のお店

451ブックス  〒706-0222 岡山県玉野市八浜町見石1607−5 電話 0863-51-2920

奈良蔦谷書店  〒630-8013 奈良県奈良市三条大路1丁目691−1 電話 0742-35-0600

恵文社一条寺店  〒606-8184 京都府京都市左京区一乗寺払殿町10 電話 075-711-5919

本のお店スタントン 〒546-0043 大阪府大阪市東住吉区駒川5丁目14−13 電話 06-6694-5268

クレヨンハウス大阪 〒564-0062 大阪府吹田市垂水町3丁目34−24 電話 06-6330-8071

栞日        〒390-0815 長野県松本市深志3丁目7−8  電話 0263-50-5967

 

もちろん、とさちょうものがたり編集部でも。

とさちょうものがたり編集部(来訪される際にはご一報ください)〒781-3492 高知県土佐郡土佐町土居177   電話  0887-72-9260

 

遠方の方はネットショップで!(送料無料です)

とさちょうものがたりネットショップ

 

 

ありがたいことに、毎年楽しみに購入してくださる人も増えてきました。お世話になっている方たちへ、お歳暮やクリスマスプレゼントなどにいかがでしょうか。

 

一年中楽しめるような、カラフルでハッピーなカレンダー。カレンダーをめくり、一日ごとに違う日々を楽しんでいただけたら嬉しく思います。

 

 

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2024年カレンダー、作っています!

高知県の障がい者支援施設等のみなさんと一緒に作るカレンダー、今回で4年目になりました。

土佐町や嶺北地域の方たちはもちろん、高知県内外のたくさんの方に購入していただいており、「あのカレンダーがほしい!」と楽しみにしてくれているお客さまも現れています。本当にありがたいことです。

 

四万十工房・ごり工房(四万十市)の皆さんと作る

 

四万十工房とごり工房は、社会福祉法人一条協会が運営する四万十市にある事業所です。

 

四万十工房

四万十工房は、障害のある方が地域で自立した生活が出来るように、働く場の確保や工賃アップに重点的に取り組んでいます。四万十産・県内産のヒノキ・スギのフローリングや丸太イス、薪を制作・販売しているとのこと。伺った当日は、ホームセンターから注文があったという薪の梱包をしていました。

ごり工房

生活介護事業所であるごり工房。障害のある人が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、日常生活介護と、創作的活動または生産活動の機会を提供しています。

絵を描いたり、工作をしたりといった制作活動を多く行なっているとのこと。今回のカレンダー制作のために、メンバーさんで海へ行ってシーグラスや貝がら、海の石を集めてきたそう。

そのおかげで、四万十市の土地柄が伝わるような数字や曜日ができました。ありがとうございます!

 

みなさま、このカッコイイ「15」をご覧ください!

数字を構成しているのは、なんとなんと小さな色鉛筆。絵を描くことが好きな方が、新品の色鉛筆を1週間でこのサイズになるまで使い切るそうです。なんと!

その小さな色鉛筆をいつか制作活動に生かせたらと集めていたそう。ついにその時がやってきたというわけです。

何度でも言いたいです、なんてカッコイイ「15」!

 

ヒガンバナの長い雄しべと雌しべを使った数字も。細かい、繊細な作業です。

普段から手芸をするのが好きという方が作った「28」と「木」。小さな花と葉、実をピンセットを使いながら、丁寧に制作していました。色もデザインもなんと美しい!

 

ヒノキの四角い木片を使った数字。林業が盛んな四万十らしくて、とてもいいですね!こういった材料を普段から集め、さまざまなものを制作しているごり工房さんです。

 

色々な植物が組み合わされた「月」曜日。赤い「月」は柿の葉。「M」はイヌタデ、「N」の左半分はミズヒキ。本当に丁寧にコツコツ制作していました。

ずらりと並んだ数字と曜日。素材も色々、カラフル!見ているだけでとても楽しくなってきます。

普段から制作活動をされているだけあって、皆さんが「制作慣れ」していることがとても印象的でした。

楽しそうに、ぐいぐい制作してくれている姿を見て、一緒に制作してもらってありがたいことだなと思いました。

四万十工房・ごり工房の皆さん、ありがとうございました!

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2024年カレンダー、作っています!

高知県の障がい者支援施設のみなさんと一緒に作るカレンダー、今回で4年目になりました。

土佐町や嶺北地域の方たちはもちろん、高知県内外のたくさんの方に購入していただいており、「あのカレンダーがほしい!」と楽しみにしてくれているお客さまも現れています。本当にありがたいことです。

 

竹ぼうきの会(梼原町)の皆さんと作る

竹ぼうきの会は、高知県梼原町にある就労継続支援B型事業所です。NPO法人梼原竹ぼうきの会が運営しています。

今年初めて制作に参加してくれることになりました。昨年梼原町に行った際、竹ぼうきの会の方にお会いしたことがご縁となり、このカレンダー作りにつながりました。

竹ぼうきの会では、障がいのある人が地域で安心して暮らせるように、日中活動の場と働く場を提供しています。カゴの制作販売や町立図書館のカフェの運営を行なっています。メンバーの方が作っているチーズケーキがとても美味しい!おすすめです!

 

 

早速、制作スタート!竹ぼうきの会の職員の方が、ドライフラワーや木の実などたくさん用意してくれました。メンバーの方も押し花を作って持ってきてくれていたり…。楽しみにしていてくれたことがとてもありがたかったです。

 

押し花にした花を使って制作しています。花びらがそれぞれ5枚ずつ、合わせて10枚花びらがあるから、この数字は「10」。花びらを広げてきれいに見えるように、丁寧に貼り付けていました。

 

ユーモアで勝負の方も!ニッコリ笑った誰かさんは、「1」と「3」の間に挟まれているから「2」。

「に〜って笑ってるやろ!」

うんうん、確かに!

 

他にはこういったものも。「7」色の虹。「7」星てんとう。「8」(ハチ)などなど。

思わずクスッと笑ってしまう、なるほど〜と思わせる数字がたくさん!

 

あっというまに時間が過ぎ、たくさんのカラフルな数字と曜日ができました。

竹ぼうきの会のカレンダーのページが、今から楽しみです!完成したらお届けしますね!

 

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2024年カレンダー、作っています!

高知県の障がい者支援施設のみなさんと一緒に作るカレンダー、今回で4年目になりました。

土佐町や嶺北地域の方たちはもちろん、高知県内外のたくさんの方に購入していただいており、「あのカレンダーがほしい!」と楽しみにしてくれているお客さまも現れています。本当にありがたいことです。

 

やまびこ倶楽部(土佐町)の皆さんと作る

やまびこ倶楽部は土佐町役場と土佐町社会福祉協議会が主催するグループです。土佐町在住の障がいのある方を対象に、社会交流や創作活動などを行うデイケアを開催しています。美術館に出かけたり、遠足に行ったり、メンバーの皆さんと相談しながらさまざまな活動をしているそうです。

やまびこ倶楽部の皆さんは、今回はじめてカレンダーの制作に参加してくれました。

 

さて、何を使って作ろうか。ワイワイと制作が始まりました。

やまびこ倶楽部の方も、道端で摘んだ植物、毛糸やシールなど、いろいろな材料を用意してくれました。とちの実やどんぐりなど、土佐町の山にある材料も。

クレヨン、マジック、色鉛筆、絵の具。好きな材料、好きな色を使って、思い思いに数字や曜日を描いていきます。

 

何だかかわいい色と形の組み合わせ。この「29」と「28」もカレンダーに登場しています。

 

とても達筆な方がいて、筆ペンで旧字体の数字を描いた人も。

「肆」「陸」。

何の数字を表しているか分かりますか?

この二つの数字はカレンダーに登場しています。カレンダーを見て、答え合わせをしてみてくださいね!

 

とても丁寧に、熱心に制作してくれたお二人です。

色違いの小さな毛糸玉をのりで一個ずつ貼り、数字を作っていきます。玉がコロコロ転がってしまって、それを貼り付けるのはとても根気のいる作業。カラフルで素敵な数字が出来上がりました。

 

制作時間は約1時間半。制作が終わったあと、「楽しかった〜」「カレンダーできたら持ってきてね」と笑顔で話してくれました。

やまびこ倶楽部の皆さん、ありがとうございました!

カレンダーの完成を楽しみにしていてくださいね。

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土佐町ポストカードプロジェクト

2023 Nov.  さめうらダム湖

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さめうらダム湖 | 池内花

秋のさめうらダム湖。

あれほど暑かった夏がウソのように過ごしやすくなり、短い秋を迎えた11月初旬の風景です。

秋になって初めて、そういえば暑くてたまらなかったあの夏の間、こうして落ち着いて湖面を眺めるということもほとんどなかったと気がつきます。

そう思うと湖面も同様に、静謐な落ち着きに満ちているように見えてくるから不思議ですよね。

小さな背中は池内花ちゃん。虫探しの真っ最中です。

 

 

 

 

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私の一冊

矢野ゆかり

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「ろいろい とさちょう」 とさちょうものがたり作, 下田昌克 絵  合同会社風

お久しぶりの登場、矢野です!
本を読む気になれず、こんなに時間が経ってしまいました。こんな私が読書を趣味と言っていいのか、困ったものです。そんな中、編集部の鳥山さんがある絵本のページを送ってくれました。

今回はその絵本を紹介したいと思います。私が書いていいものか悩みましたが、読んでみて数々の思い出と懐かしさが込み上げてきたので書かせていただくことにしました。「ろいろい とさちょう」土佐町のオリジナル絵本です。作者はとさちょうものがたり、絵は下田昌克さんです。この絵本は珍しく蛇腹になっていて、表と裏で楽しむことが出来ます。実は私と父と母も登場しています。そっくりすぎて思わず笑ってしまいました。(モデルなった時の私は痩せていた時だったようで、今とはサイズがちがいます 笑)

あまり詳しく書くと、これから読む人がつまらないと思いますので、どんなところで思い出があるのか、ちょこちょこ書かせてもらいます。

まず、川が出てくる場面。土佐町の子供は小学生から高校生まで、夏は川にお世話になります。男女年齢関係なく大人数で行けば大丈夫という謎の安心感で、繰り出していました。私は他のページにも出てくる岡部商店で“ちゃん”と呼ばれるモリを買って、魚を突いていました。同級生の男の子と一緒にどこまで深く潜れるか競争したり、岩から飛び込んだり、焚き火で魚を焼いたりしました。
1つここで懺悔をするとすれば、肝試しで岩から飛び込みをしていた時に、調子に乗った私は妹の背中を押したらしいです。皆さんは決して真似しないでください。陽菜、ほんまごめんなさい。
川の底に潜って体を空に向けると、水面がゆらゆら青い空がおぼろげに見えます。表面と違って川底の水は冷たく、そばをゴリ(底に済むハゼのような魚の総称)が泳ぎ、川の水がしゅんできて、川と一体になった気がするのでした。
絵本には書かれていませんが、川遊びのプロは水着の上に白いTシャツを着ます。泳いでいるのがよく見えるということと、川の虫達(アブやテジロ)が黒色を好むので、自然と白いTシャツを着ていました。今はどうなんでしょうか…。

次に三島と東境が出てくる場面。いつも5月の終わりから6月の初め頃に、蛍が飛び始めます。この時期はみんな田んぼの畦を刈ったりするのですが、ここの用水路は刈りません。蛍の寝床になるからです。私が物心着く頃からそうでした。そして夜は街灯を消して、蛍が飛べるようにします。このことを当たり前だと思ってくださる人々に、私は誇らしい思いを抱きます。
小学生の頃、蛍を見に行った時、先代の土佐酒造の社長さんに会いました。その時うっかり「おじちゃんは頭がぴかぴかやき、蛍も間違うね」と言ってしまい、父にしばかれた思い出があります。社長さんは「ほんまじゃ、まっことそうじゃねぇ」と笑ってくださったことを覚えています。

南川地区が描かれたページ。優良運転者のマークがついた軽トラに、イノシシかどんと載っています。友人は子供の頃、軽トラの荷台で解体されていたイノシシを見て、イノシシを食べられなくなったそうです。独特の匂いがするとも言っていました。林道にイノシシの頭が落ちていたこともあったそうです。
イノシシは毎年必ず食べていますが、猟師さんや捌いた人で味が全く違うので驚きます。私をかわいがってくれていた、ノブさんという今はもう亡くなったおじいさんがいますが、私の身長ぐらいある大きなイノシシを撃ったことがあると教えてくれました。イノシシと交通事故に会うと、車が廃車になることもあるそうです。もののけ姫に出てくる大イノシシたちも、あながち間違いじゃないなぁと恐ろしく思ったことでした。

森地区の野中祭。父が福引係でいつも抽選会の司会をしています。はっきり言って、つまらないギャグを言うのは本当にやめて欲しいです。お願いします。

次にさめうらダム。カヌーに乗ったラヨシュ・ジョコシュさんが描かれています。私の弟が高校生の時、ラヨシュさんにカヌーを習っていたのですが、「裕太、ノーマッスル」と言われていました。だいぶ傷ついたようで、今でもAmazonプライムデーにプロテイン買い溜めして飲んだり、仕事終わりにジムに通っています。でも、ひょろひょろです。

相川には祖母のお姉さんが住んでいました。赤牛を飼っていて、お邪魔する度に見せてもらっていました。特に目が印象的で、Cカールのマツエクをどっさりつけたようなまつ毛、うるうるの黒目がちな大きな目、性格もおっとりしていて本当に可愛いです。

この絵本を読んでいると、土佐町民は誰もが自分の思い出が蘇るのではないでしょうか。描かれている人を見て、「どこどこの、あの人じゃないかな?」と思ったり、「もしかして、これ私?」なんて、思ったり。そして、関係ない人が読んでも、自分のふるさとのことを思い出すことでしょう。
この絵本は本当にたくさんの人の協力で完成した絵本です。本を作ること自体、1人ではできないことですが、下田さんや編集部の地道な取材があってこそ、リアルな土佐町が描かれているのだと思います。このコラムを読んでくださっている方も、ぜひ、「ろいろい とさちょう」読んでみてください。自分だけの土佐町が見えてくるはずです。

右手にのしかかってくる飼い猫の頭が重いので、そろそろ筆を置きます。
読んでくださってありがとうございました。
最後に、世界がもっと平和に、世界がもっと優しくなりますように。祈って。
終わり。

 

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4001プロジェクト

川田匡子・谷美千子・森岡貴司子・山本江美子・高橋あつ子・川村りえ・明坂成子・川田啓 (森)

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森の郷土学習センター(旧森小学校)で、現在開催中のパッチワーク展。その準備中の皆さんを撮影させてもらいました。

郷土学習センターではパッチワーク教室を開催していて、皆さんでワイワイ楽しそうにパッチワーク作りをされていた光景を度々目にしていました。

その教室の、これは成果展というべき展覧会。11月18日から27日までです。

 

 

 

 

 

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私の一冊

西野内小代

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「教育は遺伝に勝てるか?」 安藤寿康 朝日新聞出版

著者は行動遺伝学を専門とされている方です。果てしなく先祖へと遡るDNAが存在するなかで、どの因子がどの組み合わせで作用してくるか…。これは偶然の産物のような結果であって、丸ごと親のDNAが遺伝する訳ではない。

一卵性双生児と二卵性双生児の研究結果も載せられている。一卵性双生児の場合、無意識下での一致が数多くみられ、遺伝の一致が推論できる。二卵性双生児になると確率はやや落ちてくるそうだ。

環境と教育によって、遺伝された部分が伸びゆく可能性は強い、相互に作用すると考えられる。感じたり、考えたりするその仕方に、その子自身の遺伝的素質が反映されている。

両親から譲り受けた遺伝子を、新たに組み替えて出来上がった、その子独自の遺伝的素質により、学習・経験を通して能力を獲得していく。歳を重ねるに従い、遺伝の影響は強くなってくるらしい、共有環境の影響が薄れていくという行動遺伝学の結果と一致してくるそうだ。

歳を重ねた現在の私は、果たしてどのような遺伝の影響を受けているのだろうか…?と振り返ってみた。

 

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ほのぼのと

遠足と腕時計

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私が中学生になり(昭和四十年代)、しばらく過ぎた頃、それまではダメだった腕時計を学校に付けて行ってもよくなった。

修学旅行もあるので私は祖母に腕時計をおねだりした。

ある日、祖母は「シチズンコスモスター」という防水機能の付いた腕時計を買ってくれた。チェーンのベルトでとてもカッコ良かった。私にとっては、リカちゃん人形以来の高価な欲しい物だったので、とても嬉しかった。その頃は、まだ大多数の生徒は腕時計を着けてないので私は制服のポケットに入れて学校に持って行って、時々ながめては「にんまり」していた。

ある日のこと、遠足で溜井の池へ行った。

私はその日も相棒の腕時計をポケットに入れて同行した。池まで登る途中は、坂をかけ降りたり登ったり、草花を摘んだりしながら池まで行った。弁当を食べお菓子を食べ、フォークダンスをしたり、宝探しをしたりして楽しんだ後、南泉、宮古野方面の生徒達は、近道を子供だけで帰る。例年の行動だった。

悪路だが、帰り着くのは早かった。家に帰り、リュックを降ろしポケットの相棒をまさぐった。

目の前がまっ黒になった。買ってもらったばかりの「シチズンコスモスター」がポケットにない!どこかで落とした。弁当を食べる時にはあったのに。

とりあえず、一人で帰り道を登って探した。何とか見つかってくれ!しかし無情にも日が暮れて来た。色々思いを巡らせながらトボトボと夕暮れの山を下った。

楽しい筈の遠足が奈落の底へ。「おばあちゃんに何と言おう」その日は話す事が出来なかった。次の日もその次の日も気分はグレーだった。

何日かして「何か隠しちゅう事ない?」と祖母が、私の部屋に来た。私は腕時計を遠足に持って行って、なくした事を泣きながら白状した。

「失くなった物は仕方がない。おばあちゃんの時計をやお」と言って、腕時計を私にくれた。

「今度は絶対に失くさんき」「大事にするき」私は、又泣いた。

おばあちゃんの腕時計は、お寿司のニオイがした。スーパーで、お寿司を作っていたから酢のニオイが染み込んでいたのだ。ワガママな私は、当時、流行っていた白い皮の幅広ベルトを買ってもらい文字版を付けた。

とても気に入った。祖母から貰った二つ目の腕時計は、私の腕でずっと輝いていた。

 

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