とさちょうものがたり

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

石川拓也

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「たて糸よこ糸」 窪内隆起 短歌芸術社

 

著者の窪内隆起さんは、土佐町石原の育ち。12歳までを西石原のお家で過ごし、現在は高知市にお住まいです。

長年、サンケイ新聞社に在籍し、文化部で司馬遼太郎さんなど数多くの作家を担当しました。

司馬さんが「竜馬がゆく」「坂の上の雲」をサンケイ紙上で連載していた、まさにその時に司馬さんを裏から支えていたのが窪内さんなのです。

この本「たて糸よこ糸」は窪内さんが司馬さんや土佐町、新聞記者時代の思い出、釣りや狩猟について書いたエッセイをまとめたもの。

写真にある「司馬さんの情」というお話は、窪内さんがどれほど司馬さんに信頼され、かわいがられていたのかが伝わってきます。作家と担当編集者というより師弟関係のような温かいものが流れています。

今回とさちょうものがたりで始まった新連載「山峡のおぼろ」は、その窪内さんが土佐町の思い出を描いた書き下ろしエッセイ集。必見です。

石川拓也

 

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2018年11月11日、美しい青空のもと、さめうらの郷湖畔マラソン大会が開催されました。

第34回目となるこの大会は「今までで一番いい天気に恵まれた」とのこと。

向かいの鎌滝山のふもとに広がる赤や黄色の木々が早明浦湖畔に映り、本当に美しかったです。

シルクスクリーンで制作したTシャツを着ている方がたくさんいて、思わず話しかけてしまったくらい、とてもとてもうれしく思いました。

購入してくださったみなさま、本当にありがとうございました!

 

「いとこ同士なんです!」とてもうれしそうにお揃いのTシャツを着てくださっていました。パワーをいただきました!

 

「とさちょうものがたりに掲載されるのを楽しみにしてます!」と言ってくださいました。

 

 

写真提供:澤田幾弥

審判長である“NPOさめうらプロジェクト”辻村幸生さんの挨拶。辻村さんはどんぐりさんとのシルクスクリーンの取り組みを応援したいと「このTシャツを着て挨拶するから!」と言い、メンバーで着たいとTシャツを購入してくださいました。辻村さんのお気持ちがありがたくうれしかったです。本当にありがとうございます。

 

 

写真提供:澤田幾弥

BlueLake ブレイクのみなさんがこのTシャツを着て自転車に乗り、ランナーさんの安全を守ってくれました。頼もしくかっこいい!中学生、高校生、大学生…、ブレイクの活動はとても素晴らしいなと思います。

 

 

Tシャツやトートバック、どんぐりさんのクッキーをブースで販売しました。「このTシャツがほしかったので」とわざわざ来てくれた方もいました。「娘がマラソンに出てるから応援に来た」というお父さんは以前土佐町で仕事をしていたそうで「土佐町はとてもいいところ。人の気持ちが温かい。いつ来ても懐かしいねえ。」と目を細めながら話してくれました。

 

 

 

Tシャツは、ランナーさんが大会への申し込みをする時に注文できるようにしていました。200人のランナーさんにご注文いただき、どんぐりのメンバーさんが一枚一枚印刷しました。

マラソン大会当日も、ブースで販売しました!

 

34回目を迎えたさめうらの郷湖畔マラソン大会、このTシャツが初めてのオリジナルグッズとなりました。

(さらに…)

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私の一冊

石川拓也

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「柴田元幸ベスト・エッセイ」 柴田元幸 ちくま文庫

 

柴田元幸さんは日本を代表する英米文学翻訳家。僕が柴田さんのことをあれこれ書くのが憚られるくらい、個人的に尊敬する人です。

驚くほどに多産な仕事ぶりで、ざっと翻訳した作家を挙げてみても、ポール・オースター、チャールズ・ブコウスキー、スティーヴ・エリクソン、スティーヴン・ミルハウザー、リチャード・パワーズ‥‥これ以上は書ききれませんが、もちろんここに挙げた名前はほんの一部です。

その柴田さんが、翻訳ではなくご自身のエッセイで本を出されました。80年代から、様々な媒体で発表されたエッセイを一冊にまとめた「柴田元幸ベスト・エッセイ」。これが面白くないわけはない。そこに柴田さんがいるかのような錯覚に陥りました。

ちょっとだけ自慢(←抑えきれない)をさせてもらうと、僕は柴田さんにはちょっとだけ仲良くしていただいていて、この一冊は「献本」として送っていただいたものでした。柴田先生、ありがとうございます。

石川拓也

 

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私の一冊

鳥山百合子

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2016年に高知県立美術館で開催された「マリメッコ展」で購入した一冊です。

フィンランドのブランド「マリメッコ」のデザイナー、マイヤ・イソラの物語。ウニッコと呼ばれるポピーの花のデザインを、きっとどこかで目にしたことがあるのでは。

『マリメッコは、伝統的な家庭環境と変化し続けるこの世界の新しい生活環境とを結ぶ架け橋』。

これはマリメッコ展の入り口に掲げられていた言葉です。持っていたチケットの裏にメモし、今も持っています。

架け橋、という言葉がとてもいいと思ったのです。

 

仕事への情熱を持ち自由と自立を求め続けたイソラ。花や木々、果物など自然をモチーフにしたデザインを多く残しています。

専門的なことはよくわかりませんが、ひとつひとつのデザインは、その時にイソラが見つめていた世界そのものなのかもしれないなと思います。デザインの奥にイソラの生き方が感じられるような気がして、時々この本を開きたくなります。

鳥山百合子

 

 

 

 

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私の一冊

和田亜美

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「さんかく窓の外側は夜」 ヤマシタトモコ クロフネコミックス

 

タイトルに惹かれて読み始めました。

読んでいて身震いしてしまう、でも引き込まれる、そんな作品です。

オカルト・ホラー系なので、当然幽霊系の怖さもあるのですが、呪いや妄信的な集団など、生きている人間の怖さもあり。

三角くんと冷川さんの全然いかがわしくないのにいかがわしい関係が大好物です。

和田亜美

 

 

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下田昌克さんが描いてくれた「土佐町の夏」の絵が、大きなトートバックになりました!

どんぐりの皆さんががシルクスクリーンで印刷した土佐町オリジナルのトートバッグです。

以前作ったものは縦に長いタイプのものでしたが、今回はマチ付き・横に長いバッグです。

色も変え、今回は思い切って赤(朱色)にしてみました。

 

版の上に慎重にインクを置きます。

版の枠にマスキングテープを貼り、マジックで線を入れています。バックのマチの部分とこの線を合わせ、版を置きます。そうすることで、いつも一定の場所に印刷ができるのです。

 

 

版がずれないように、ぎゅっと押さえます。

 

 

持ち手の部分は生地が重なり厚くなっているので、そこを避けるように版を置き印刷します。

 

 

「ちょうどいいインクの量が生地の種類によって違うね。」とどんぐりのみなさんが言っていました。

このバッグのように厚い帆布に印刷するとき、力の入れ具合やインクをのせる回数や量が、Tシャツに印刷する時とまた変わります。そのTシャツにも綿やポリエステルなど生地の種類が色々あるので、それによってもまた変化します。

うーん、奥が深い!

毎回新しい発見があります。だからおもしろい!

 

 

そして、できたのはこちら!!

 

赤(朱色)、とってもいいと思いませんか?
マチ付きの大きなバック、特に女性にはうれしいのではないでしょうか?マチ付きは荷物がたくさん入ります!

 

このバックは11月11日(日)のさめうらの郷湖畔マラソン大会、11月23日(金・祝)の土佐町産業文化祭にて販売します。

どうぞお楽しみに!

 

*トートバックが購入できるネットショップはこちら!

 

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私の一冊

藤田英輔

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「豆腐屋の四季」 松下竜一 講談社

大切に思うこと(もの)は隠しておきたいんだけど、実は顕示したい、知らしめたいという感覚。
この一冊はそんな思い。

僕のような「単純な豆腐好きの短歌好き」なくらいでは裏切られます。

松下竜一(1937~2004)渾身の一冊です。

藤田英輔

 

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西村繁男さんが土佐町にやってくる!

絵本作家、西村繁男さんが土佐町にやって来ます。

高知県高知市ご出身の西村さん。「にちよういち」や「がたごとがたごと」「おふろやさん」「やこうれっしゃ」など、子どもたちも大好きな素晴らしい絵本をたくさん制作されています。

実は西村さんは土佐町にもご縁のある方で、3年ほど前にも土佐町に来てくださってご自身の絵本をスライドにし、お話をしてくださったことがありました。

そして今年の秋、西村さんから「とさちょうものがたりを読んで、笹のいえを知った。ぜひ宿泊してみたいので連絡先を教えてほしい。」と連絡があり、「11月9日に土佐町に行くのでその時に、以前のようにお話ができたら。」と言ってくださったのです。

土佐町立図書館では西村繁男さんといまきみちさんの本を揃えています。ぜひ手に取ってみてくださいね。

 

 

11月9日(金)15時から、土佐町のみつば保育園で西村繁男さんの「おはなし会」を開きます。

西村さんの奥さまである絵本作家いまきみちさんも一緒に来てくださいます。

どなたでも参加できますので、西村さんといまきさんのお話を聞きたい方はぜひ来てくださいね!

 

鳥山百合子

鳥山百合子

 

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くだらな土佐弁辞典

はかんずく

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〜ずく

【副】〜しないで

※食べんずく(食べずに)、洗わんずく(洗わずに)、着替えんずく(着替えずに)などなど、動詞にくっつけて使います。

例)ズックはかんずく、学校に行きよった! (ズックはかないで、学校に行った!)

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私の一冊

鳥山百合子

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「おおずもうがやってきた」 西村繁男 福音館書店

高知県高知市ご出身の西村繁男さんの絵本です。

島に大相撲の巡業がやってくることになって、町中の人が楽しみに準備をしていきます。

土俵の作り方、まわしのしめ方、ぶつかり稽古の様子、土俵入りやとりくみの様子が生き生きと描かれていて、自分もその中にいるような気持ちになってきます。

本場所ではお相撲さんが滑稽なことをしてお客さんを笑わせる「しょっきり」というものがあるらしく、西村さんの絵によると、わざと相手を飛び越えたり、水を吹きかけたり…。他にもいくつかあって、絵を見ながらその様子を想像するだけで面白い。

お客さんがお弁当を広げていたり、お菓子を食べていたり、カメラのフィルムを変えていたり(この絵本が描かれた時はフィルムだったんですね!)…。その様子を見るのも楽しい。

夜にお相撲さんたちが船に乗って島に到着した時の島の人たちの興奮や吐く息の白さは、暗闇の中にも人の熱や息遣いがあることを何だか思い出させてくれます。

鳥山百合子

 

 

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