私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

川村房子

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「オリジン 」 ダン・ブラウン KADOKAWA

ハーバード大学教授のラングドンの弟子のカーシュが「我々はどこから来たのか、我々はどこに行くのか」の謎を解き、映像で発表する場に居合わせたが、彼は銃によって絶命。

命を狙われたラングドンはスペイン王太子の婚約者でもあるアンブラと逃亡しながら、人工知能ウイストンの助けを借りて真実を追求していく。

進化論か、神か、科学か、宗教か…。

衝撃の結末を迎える。

作者はダ・ヴィンチコードやインフェルノ等も有名で、ラングドンシリーズも五作目らしい。

次男が一気に読めたとくれた本。

長~いことかかりました。

川村房子

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私の一冊

石川拓也

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 「ほどよい量をつくる」 甲斐かおり インプレス

「大きいことはいいことか? 売り上げは無理をしてあげるべきものだろうか? 国内の技術を捨てて安いほうを選び続けていいのか? そうした問いに、彼らは仕事を通して答えようとしている。」

大量生産・大量消費が良いものとされていた時代が、本当にものすごい勢いで変わろうとしているのを肌で感じる今日この頃。

この本はフリーライターの甲斐かおりさんが出会った、「既存のしくみから外れた場所でやりたいことを小さくスタートさせ、創意工夫でほどよい量の仕事を成立させている人や企業」のお話。

興味深い例が、現在進行形で次から次へと登場します。

売り上げを右肩上がりで維持するために無駄にされるモノ、捨てることを前提に作られる大量生産品、などなど従来のビジネスのやり方に疑問を持ち、本質的な問いを繰り返しながら仕事をする人々が、簡潔で飾らない文章で紹介されていきます。

作りすぎないこと。売り上げよりも周りの人を少し幸せにすることを目的にすること。

お客さんとつながり直す、物語とつながり直す。

この本の登場人物の方々には個人的にもとても大きな共感を感じますし、とさちょうものがたりの基本的な考え方、シルクスクリーン事業の成立の仕方なども同じ地平線上にあると思いつつ、心躍らせながら読みました。

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「絵本作家のアトリエ 1」 福音館書店母の友編集部 福音館書店

絵本作家の方々のアトリエを訪問してのインタビューはとても面白く、一気に読みました。

「しょうぼうじどうしゃじぷた」の絵を描いた山本忠敬さん、「ぐりとぐら」の山脇百合子さん、「スーホの白い馬」の赤羽末吉さん、「だるまちゃんとてんぐちゃん」の加古里子さん、「はるかぜとぷう」の小野かおるさん…。

子どもの頃から親しんで来た絵本をつくった方たちのアトリエにある色鉛筆はビンに差し込まれ、絵の具は木の箱の中に無造作に置かれ、机には消印の押されたハガキや手帳やノートが所狭しと積まれていて、飾らず素のままです。今さっきまでここで絵を描いていたことが伝わってきて「絵本作家」というどこか遠いところにいるような気がしていた方たちが身近に感じられるような気がしますし、それと同時に、この場所でコツコツと描き続けてきたことへの尊敬の念が湧いてきます。

描き続けるということには大変なご苦労もあることでしょう。一筆一筆にその方の生き方をも込められているように思います。

今まで親しんできた絵本がまた少し違った風に見えてきます。

鳥山百合子

 

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私の一冊

西野内小代

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「何をしてもうまくいく人のシンプルな習慣」 ジム・ドノヴァン訳  ディスカヴァー・トゥエンティワン

希望する人生への道を切り開くためのhow to 本です。

プラスとマイナスの考え方が同時に存在する事を常に念頭に置き、自分の人生にとって肯定的な方向へと誘導する決断を意識する。

前向きな姿勢を崩すことなく、言葉にし、実践する。

企業経営者のみならず、個人の生き方にも参考となる指南書です。

西野内小代

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私の一冊

石川拓也

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「仮想通貨3.0」  マルク・カルプレス 講談社

 

記憶にも新しい2011年に起きたマウントゴックス事件。

マウントゴックスは、著者であるマルク・カルプレスが当時社長を勤め、世界最大級のビットコイン取引所としてその世界では名を馳せていました。(ただ他に取引所がなかったということもあったみたいです)

そのマウントゴックスのシステムが何者かにハッキングされ、仮想通貨の一種であるビットコインが一瞬にして消滅・行方をくらましたことで大騒ぎになりました。

記者会見で頭を下げるマルク・カルプレスの姿をご記憶の方も多いのではないでしょうか。

この本は、その後8年かかりやっと事実的な無罪を勝ち得たカルプレス元社長が、その視点から描いた事件の全貌とビットコイン・ブロックチェーンの話です。

ビットコイン?ブロックチェーン?なにそれおいしいの?という人(僕がそうでしたが‥)にもわかるように、ビットコインとはなんぞや?というところからスタートしますので、非常にサクサクと面白く読めちゃいます。

特にビットコインを支える「ブロックチェーン」に関して、本にも書かれていることですが、これは劇的に今後の人類の未来に影響を与えていくような技術であること、ビットコインとはブロックチェーンを使用して流通している仮想通貨であって、ブロックチェーン自体は仮想通貨のためだけの技術ではないこと等々、よく耳にする単語の意味がやっとわかったというすっきり感と、その後予想される未来の来るべき変化にちょっとした高揚感を覚えながら読みました。

中央集権型ではない(つまり国家が管理しない)新たなお金の出現は、有史以来もしかしたら初めて人類がお金に縛られなくなる世の中が出現する可能性をはらんでいます。もし本当にそんな世の中が出現したら、それは人類が月面を踏んだ一歩と同等かそれ以上に大きい一歩だと思いませんか?

その世の中を見たいな〜でも寿命間に合わなそうだな〜なんて思いながら、その変化には楽しみしかありません。

本を読んだあとにはやはりブロックチェーンという単語自体がよく目につくようになって、自宅に導入を検討している「みんな電力」(誰が作ってるか顔が見える電力を販売している会社)なんかも、そのベースになる技術はブロックチェーンなのだそうです。

 

 

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私の一冊

鳥山百合子

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 「スカーリーおじさんのはたらく人たち」 リチャード・スカーリー 評論社

愛すべき豚であるフランブルさん。「フランブルさん、どうして?!」というドジっぷりの連続、病院で体重計を壊す、レストランでバースデーケーキをひっくり返す、セメント塗りたての道を素足で歩く…。でもめげずにいつもニコニコしているフランブルさんが私はとても好きです。

この本には色々な仕事人の姿が描かれているのですが、町の中で働く人たちにはそれぞれの仕事や人との付き合いがあって、人がこの場所にいることで町が成り立っているんだなと思ったりします。本屋さん、キャンディー屋さん、金物屋さん、帽子屋さん、花屋さん、靴屋さん…、牧師さんもいます。

この本は1979年に出版されています。子どもの頃、弟たちと一緒にこの本を眺めていたことを思い出します。

鳥山百合子

 

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私の一冊

西野内小代

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「極上の孤独」 下重暁子 幻冬舎新書

孤独を自分と対峙する時間ととらえる事により、「孤独=淋しさ」という従来の図式が翻ります。

江戸時代後期の僧侶「良寛」を例にあげ、のびやかに孤独を享受し、迫りくる老いを自然に受け入れていく潔い覚悟を培っていければと筆者は語っています。

前向きに孤独を愉しむコツを教えてくれる一冊です。

西野内小代

 

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私の一冊

石川拓也

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「悲しき熱帯 Ⅱ」  レヴィ=ストロース   中央公論新社

「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」

近現代の文化人類学の礎を築いたと言われているレヴィ=ストロースの名著。

本筋は1930年代にレヴィ=ストロースが行ったブラジルの少数民族を訪れる旅の紀行文。

ただ話はあっちへいったりこっちへいったり。原初の人類や森の中の民族、世界についての思索のあれこれは、のちに構造人類学と呼ばれ、人文科学へ大きな影響を与えます。

個人的には、フランス人っぽいレヴィ=ストロースのドライで静かな語り口がとても好きですが、やはりフランス人っぽい独特な回りくどい言い方もあって面白いところです。

  

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私の一冊

鳥山百合子

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「土佐寿司の本」 松崎淳子 飛鳥出版室

2018年にこの本が出版された時、92歳だった松﨑淳子さん。高知新聞で紹介されていた松﨑さんの記事を読んだことがあったので、松﨑さんが「土佐の伝統食の生き字引的存在」の方であることは知っていました。ぜひ一度お会いできたらいいなあと思い続けています。

この本には松﨑さんのさば寿司や田舎寿司の作り方が載っています。

身の回りにある食材を使った美しいお寿司たちと共に、大小さまざまなおたまや網じゃくしが壁にかけられている写真からは、美味しいものは家々の台所から生まれて来るのだなあという思いをあらためて持ちます。

土佐町にもさば寿司の名人がいます。土佐町地蔵寺地区にある長野商店の長野静代さんです。40年以上、長野商店の台所から美味しいものを作り続けて来た長野さんの技術は素晴らしく、いつ見ても惚れ惚れします。

ある春の日、長野さんはさば寿司のすし飯の中に山椒の葉を刻んだものを加えていました。山椒の緑が映え、柚子酢と山椒の味の組み合わせがとても爽やかだったことを今でもよく覚えています。

作ることを続けて来た人ならではの技と、作る人が重ねて来た時間の層がみえるようなさば寿司。

高知の素晴らしい文化です。

鳥山百合子

 

*長野さんに教えてもらったさば寿司・山菜寿司の作り方はこちらです。

皿鉢料理 その2 さば寿司

皿鉢料理 その5 山菜寿司

*長野さんのことを書いた記事はこちらです。

40年目の扉

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私の一冊

西野内小代

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「100年後まで残したい日本人のすごい名言」 齋藤孝 アスコム

「心が折れそうなとき」
「背中を押してほしいとき」
「成長したいと願ったとき」
「人付き合いに悩んだとき」
「道に迷ったとき」

それぞれに対応した名言が選ばれています。
よく耳にする名言、ドラえもんの中に登場するセリフ、江戸時代のことわざ等々、解説付きですので自己流の解釈を正してくれます。しっかりと理解、記憶して人生に役立てたい言葉の数々です。

西野内小代

 

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