2020年1月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

鳥山百合子

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「とんとんとめてくださいな」 こいでたん文, こいでやすこ絵 福音館書店

お友達の赤ちゃんが初めての誕生日を迎えるという時、何度この本にお世話になったことでしょう。本屋さんでこの表紙を見つけたら、探していた人に会えたような気持ちで手にし、贈り物にしてくださいと包んでもらってきました。

三びきのうちの赤いスカーフを巻いたねずみが何とものんびりしたのんきな子で、他の二匹が不安そうにこれから開くドアを見つめているというのにずっとぐーぐー寝ていたり、家の主がごちそうしてくれる時にはちゃっかり膝に座ってシチューをいただき、みんなが安心して眠る時には自分だけ目が冴えて栗をコリコリかじっています。我が道をゆくその子に「ウンウン、そのままでいいぞ!」といつも思います。

こいでさんの描く絵には物語への愛情とそこで営まれてる丁寧な毎日が描かれていて、忙しくしていると忘れがちな大切なことを思い出させてくれます。鍋からあがる湯気や台所の野菜たち、棚に並べられた蜂蜜のびん…。一見何気ないものごとが、日々の暮らしに楽しみと体温を与えてくれているのだなとあらためて感じます。

私もできるところから。

今日もごはんを作りましょう。

鳥山百合子

 

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笹のいえ

醤油搾り

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季節は冬本番。今シーズンも長野県に住む搾り師・トキさん宅にお邪魔して、自分の醤油を搾りに行ってきた。

軽トラの荷台に醪や樽などの道具、お土産などを積み込んで、信州方面に向け出発。前回から約10ヶ月ぶり、今回はどんな醤油が搾れるだろう、向こうの天気はどうかな、搾り作業の流れを覚えているかな、などと道中考えながら運転、休み休みしながら10時間ほど掛けて到着した。

トキさんとその家族は、相変わらず元気に暮らしていた。手づくりのかまどが新調されていたり、五右衛門風呂小屋が完成していたりと、変化もあった。農を暮らしの中心とした彼らの暮らしは学びが多く、毎回行くのを楽しみにしている。お互いの近況を報告しつつ、翌日の搾りの打ち合わせをする。

出来上がった醪は、年ごと、場所ごとに様子が異なる。その状態を読み取り、美味しさを可能な限り引き出し、保存性も高く保つには、熟練した技術と知識や想像力が欠かせない。醪に加える水の量を加減し、何度も味見をしてから搾りはじめる。櫂(ふね)と呼ばれる搾り器から出てきた醤油に濃度を測るボーメ計を浮かべて数値を確認、稀ではあるが、必要な場合は塩を足す。僕ひとりの判断では難しい場面もあったが、要所要所で彼に的確なアドバイスしてもらって、搾りを進めた。

ひと樽搾るのに半日以上掛かり、その間はずっと集中。作業が終了すると、緊張が切れるのか、ドッと疲れる。多いときは日に三回搾るというから、搾り師はいやはや大変な職業だと実感する。

どんな醤油になるかと心配したが、トキさんから「うん、美味しくできたね」と言ってもらってホッとした。

数日間の滞在の間に、他グループの搾りを見せていただいたり、子育てや暮らしのことなど話ししたりして、良い時間を過ごすことができた。一緒に連れてきた長男も、一家に温かく迎えられて、いろんな経験をしたようだった。冬は搾りのシーズンで忙しい時期なのに、毎年日程を空けてくれる井上さんとその家族に感謝。

最終日、今度は搾りたての醤油とその搾りかすを載せて、高知方面に向かってコトコトと車を走らせた。

 

写真:お湯で溶いた醪を袋に入れ、圧を掛けると、搾り器の口から醤油が出てくる。火入れする前の生醤油だ。周りに醤油の良い匂いが漂う。

 

醤油と暮らし

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私の一冊

田岡三代

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「心」 稲盛和夫 サンマーク出版

先日、青木幹勇記念館の雑学講座で、講師の鏡峯寺住職・吉永先生が、人生は「思い込み」が作っていくというお話をされていましたが、この一代で大企業を創り上げた稲盛和夫さんも、同じことを書いています。

「人生で起こってくるあらゆる出来事は、自らの心が引き寄せたものです。それらはまるで映写機がスクリーンに映像を映し出すように、心が描いたものを忠実に再現しています。」
「すべては心に始まり、心に終わる。」
〜本文より〜

時々、こういった本を開いて、自分を見つめなおすのもいいかな…と思っています。

田岡三代

 

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4001プロジェクト

川田康富・美都子・佳宗・真靖 (上ノ土居)

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先日ご紹介した7人の職人さんにはベンチを40個製作していただいたのですが、その大元となるモデルをひとつ作ってもらったのが左端の川田康富さん。

そのモデルとして完成したひとつが、この写真でご家族が腰かけているベンチです。

2018年の夏あたりからこのベンチのプロジェクトはスタートし、康富さんがモデルを完成したのが2019年3月。

そして2019年12月に前述の7人の職人さんが40個を製作、2020年1月現在は町のあちこちに設置中という段階です。

そのベンチにご家族4人で座って撮影させていただきました。

そういえば数年前に、佳宗くんと真靖くんの兄弟には、ポストカードの撮影で稲叢山に一緒に行ってもらったこともありました。

 

2017 July

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私の一冊

藤田純子

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「宮尾登美子の世界」 朝日新聞社編 朝日新聞社

宮尾登美子さんの本を夢中で読んだ時期がありました。彼女の自叙伝である「櫂」「春燈」「朱夏」「仁淀川」は特に印象が強くて心に残っている。

読み出すと次へ次へと気持ちがはやって止まらない。最近また読み返してみましたが、ほとんど記憶によく残っていてびっくりしました。

この本には彼女の人生の中で最もハードな部分であろう、生死の境を生き抜いた満州を半世紀ぶりに訪ねた時の彼女の心境や写真も載せられていて、私の知りたかった事もたくさん解決して、とても興味深かった。

この本は宮尾登美子さんにどっぷり浸かれる素晴らしい本だと思います。

藤田純子

 

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4001プロジェクト

7人の職人さん

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池添篤 大石淳一 山中晴介 小笠原啓介 筒井浩司 澤田明久 森岡拓実(敬称略)

 

土佐町の木工職人さん・大工さん・内装屋さんの7人に集まってもらって撮影した一枚です。

この7人のチームに、とさちょうものがたりからあるものの製作を依頼させてもらいました。

それが前列の4人が座っている木製のベンチ。これを40個作っていただきました。

嶺北産の木材(杉とヒノキ)を使い、土佐町の職人さんたちが作ったこのベンチは、これから土佐町のあちこち40箇所に設置されます。詳細はまた別の記事にてご報告しますが、木の温もりが伝わる土佐町ベンチ、町内で見つけたらぜひ座ってみてくださいね。

職人さんたちの紹介というよりかはベンチの話になってしまいましたが、そのベンチ40個を作ってくれたのがこの写真の7人です。

 

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私の一冊

川村房子

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「深夜食堂」  安倍夜郎  小学館

 

作者は高知新聞でも度々掲載されている四万十市出身の漫画家です。

繁華街の路地裏に、ひっそりと佇む「めしや」を舞台に、店を訪れる訳ありの客たちのドラマを描く。

テレビでは小林薫さん主演でドラマ化されており、韓国版、台湾版でのドラマ化中国では映画化も決まっているという。フランス語版漫画もあるというからすごい。

人生あまり上手くいってない登場人物が、それなりにやっている感じがいやされるからだという。

レシピの説明書きもうれしい。
・玉ねぎを少しきざんで、ツナに塩とブラックペッパーをふってマヨネーズで和え、クラッカーにのせてハバネロを少々。
おつまみにいいかも…。

・軽く塩コショウして小麦粉をまぶした鮭をフライパンでやく。バターを溶かして最後に醤油を「じゅっ」。
鮭のバター焼き。鮭を買ってこようと思った。

川村房子

 

 

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