朝日新聞全国版「ひと」に、とさちょうものがたり編集長石川が掲載されました。
朝日新聞記者、浜田奈美さんが6月に行われた「石川拓也とさちょう写真展」開始前日から高知入りし、取材に来てくださいました。ありがとうございます!
土佐町の人ひとりひとりのもとへ訪れ、出会い、『「記憶」を地道に積み上げていく』 4001プロジェクト。
この記事をきっかけに、「土佐町」の記憶が、多くの人に届きますように。
ひと 高知県土佐町で町民全員の撮影にとりくむ写真家 石川拓也さん(43)
雪の山道を笑顔で歩く老婦人。原っぱでにっこり笑う少女。早朝のバスをまつ姉妹ーー。高知県の山あいの土佐町で、約4千人の町民全員の撮影に挑戦している。
人々の自然な表情と暮らしを写し、町公認のウェブマガジン「とさちょうものがたり」に掲載する。人口にちなんで「4001プロジェクト」と名付け、「全員もれなく撮影する」と宣言した。
東京でレディー・ガガや桑田佳祐ら数々の著名人を撮っていた。だが、出版社などからの「依頼仕事」だけでは何かもの足りない。
撮影で全国を回った際、「断トツに人間がユニーク」と高知に魅了された。2年前、「地域おこし協力隊」として土佐町に移り住む。町民の暮らしを写真などで発信する仕事に手応えを感じた。
超高齢化という地方の現実にも直面した。「今度撮らせて」と声をかけた人を再訪すると、すでに亡くなっていた。そんな経験から、撮影とは、一人ひとりを歴史に刻む作業であると考える。
互いの距離感が近い暮らしの中で被写体との向き合い方も変わった。「目の前に笑顔で立つ人の存在感と、その場の空気感が伝わればいい」。技法にこだわらず、隣人へのあいさつのようにシャッターを押すようになった。
まもなく100人。撮影ペースを上げ、人と町の「記憶」を地道に積み上げていくつもりだ。
(浜田奈美)
・朝日新聞社に無断で転載することを禁じます
・朝日新聞2018/7/15掲載(18-3421)