「冒険図鑑」 さとうち藍(文),松岡達英(絵) 福音館書店
タイトルと表紙のイラストに惚れて購入した本。
草花遊びからナイフの使い方、野営の方法など、楽しく図解している。
子どもにせがまれて、竹鉄砲など作ってみたことがある。
身の回りにあるものを工夫して遊べるのは面白い。
渡貫洋介
著者名
記事タイトル
掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
2018年6月13日、ただいま開催中の「石川拓也とさちょう写真展」の様子が高知新聞に掲載されました。
高知新聞嶺北支局 森本敦士さんが書いてくださいました。ありがとうございます!
この記事をきっかけに、高知市などからお客様が会場に足を運んでくださり、あらたなテレビの取材も受けました。
この新聞の写真は、6月2日の写真展オープニングイベントの様子です。布に印刷された写真が風に揺れ、来てくださった人たちが作り出していたあの日の「空気」が確かに写っています。
土佐町の人、空気切り取る
【嶺北】
土佐郡土佐町土居の青木幹勇記念館で、写真家で町地域おこし協力隊の石川拓也さん(43)による「土佐町写真展」が行われている。町民や景色、その場の雰囲気まで切り取ったような写真を布に印刷。つるされた48作品が風に揺れている。30日まで。
石川さんは世界各地を旅し、雑誌や広告で著名人らの撮影もしてきたが2016年に同町に移住。昨年6月からは町の魅力を発信すするプロジェクト「とさちょうものがたり」を立ち上げ、写真や記事を掲載している。
写真展には、全町民の肖像を撮る「4001プロジェクト」や、町広報誌の表紙に使われた景色などの写真を縦120センチ、横80センチの布に印刷。洗濯物のように上からつり下げ、外からの風で揺れるように展示した。
撮影された筒井政利さん(91)と重子さん(89)夫妻=地蔵寺=は「普段着のままの素顔が写っている」と笑顔。訪れた町民は「当たり前と思っていた町がこんなにすてきだと驚いた」と話していた。
ほかには四季の動画「キネマ土佐町」を上映。町内の障害者就労支援事業所と共に作るロゴ入りポロシャツなども販売している。
(森本敦士)
写真展は6月30日まで。多くの人に、土佐町の空気を感じていただけたらうれしいです。
笹のいえの畑に、堆肥置き場がある。
日々の排泄物や生ゴミ、刈った草や畑の残渣などを積んでいる。
年に一、二度天地返しをして、分解を促す。発酵しやすくするために、生活で出た米糠や大鋸屑を投入することもある。内部の風通しを良くして微生物を活性させようと、去年から節を抜き、側面に穴を開けた竹を堆肥の間に置いてる。
これだけの手間で、ほとんどのものが土に還ってくれる。
ふるいに掛けると、落花生の殻や栗の皮などの固い物が残る。発芽してる種もある。それらを観察して、「そういえば、こんなもの食べたんだっけ」と思い出すのも楽しい。
ここは微生物や虫たちの住処として居心地が良いらしい。トタンの屋根を取ると、いろんな種類の生き物を見ることができる。モグラの穴もある。長男にカブトムシの幼虫がいるよと教えると、飛んでやって来た。容器に移して飼うらしい。
堆肥は培土として利用することもある。トイレで使ったくん炭は分解されず、そのままでは水保ちが悪いので、畑の土と混ぜる。畑に撒くこともある。自然界で土壌ができるのは長い年月が必要だが、こうすると必要な場所に土を増やせるので嬉しい。
完全に分解された堆肥は、土の良い匂いがする。
先日、みつば保育園で子どもたちにこの絵本を読みました。
こすずめが飛ぶ練習をしていて疲れてしまい休む場所を探すのですが、行く先々で出会うカラスやふくろう、かもたちに「お前は俺の仲間じゃないから」と断られてしまいます。
断わり続けられるこすずめに「あ〜、また?かわいそう…。」とか「すずめさん、ぼくんちにおいで!」と声をかけるこどもたち。
最後はお母さんに会えて無事に自分の巣に帰ります。こすずめがお母さんの背中におぶってもらっているのを見て、安心したようにこどもたちはふわっと笑うのでした。
こどもたちにとって物語は、きっといつも隣で、そっと、時にはぎゅっと手をつないでくれるような存在なんやないかなと思います。
鳥山百合子
土佐町土居地区旧メイン通りの脇を現在も用水路(通称「かまち」)が流れています。
ボンネットバスが大きな顔をしてメイン通りを駆け抜けていた頃、「かまち」の両岸は石垣で築造され、手入れの行き届いたとても風情のある景観でした。
ホタルの飛び交うポイントもあり、6月頃には近所の子供たち数人でよくホタル狩りに出かけたものでした。
夕刻、懐中電灯・思い思いのホタル狩りグッズを携え、高学年のお兄さん・お姉さんの後を意気揚々と出発です。
そして「今日こそはかまちに足をとられないぞ!」と念じます。
低学年の私にとってはホタルをゲットするよりも困難な誓いです。
案の定、毎回膝から下はビショビショで帰宅。
姉の虫かごで黄緑色の幻想的な光を放っているたくさんのホタルを横目に、祖母に促されお風呂場に直行です。
日没後の妖しい気配に少しワクワク気味だったテンションは、こうして現実へと引き戻され、蚊帳の中へ、夢の中へ、記憶の中へ・・・。
私の思い出の引き出しに大切にしまわれています。
「今日、みっちゃんが畦付けるらしいき。アラカシの坂らへんにみっちゃんくの田んぼがあるき、11時ごろ行ってみて!白い車がとまっちゅうき、わかると思う。」
土佐町社会福祉協議会の上田大さんから電話がかかって来ました。
大さんに「手で畦をつけている人、誰か知ってる?」と相談したら、美津子さんの娘さんへ連絡、娘さんを通じて美津子さんを紹介してくれたのです。
美津子さんはこの田んぼにいました。
川井美津子さん、77歳。お米や野菜を作り、あか牛も飼っています。ひ孫さんが11人いるそうです。
畦つけ機で畦をつけた後、機械が入らなかった部分は人が手で畦をつけます。
「田んぼを叩く時トラクターが入ってこなすでしょ、その時に同時に(畦に土を)あげるんです。上げとかんと水がもれるきね、こうして上げといて代掻きの前に仕上げをするんです。
すぐには全部仕上げができないのでね、ドロドロ柔らかいから、ある程度時間が経ってから。
昔はこれが当たり前やったけどね。今は楽になったのよね。
さ、仕上げ、やってみろうかね!」
美津子さんは平鍬をかついで田んぼに入っていきました。
なんという早技!
そして美しい!
「やっぱりね、違うでしょ!しっかりと水もれがなくなるわけよね。仕上げをしたら綺麗でもあるし。
昔の人はよく考えたもんやねえ!と思うてね!」
美津子さんは19歳の時に嫁いで来て、20歳から毎年毎年、この作業を続けて来たのだそうです。
「嫁いできて、田んぼのシーズンが来たらおじいちゃんおばあちゃんが元気やったき、教えてもらって。当たり前というか、こうせんことには田んぼができんきね。今は機械化されて楽になりましたわ。」
あ!ごめんね!ちった!(泥がはねた!)
「若い時は畦を走ってやりよった!
ちゃっちゃっちゃー、たったったー、って。小走りでするばあにやりよった。
おじいちゃんが仕事師でね、仕事を早くせないかん、はかどらせないかん、そのことを叩き込まれてね。
自分でようせんかったことがだんだんと若い時でき出してね。嬉しかったがね!
やっぱりね、どう言ったらえいろ?
仕事がなんでも楽しくなるようにせないかん、って思ってね。いやいやと思ってやったら自分がしんどくなるきね。
作業は特に重労働やきね、自分の体を考えながら休みながら、楽しくできるようにやったら。
要領を覚えたらすごく、面白い!」
美津子さんが軽やかに、歌うように、畦を走る姿が見えるようでした。
「主人が30年前に亡くなったきね、私は今、お手伝い。畑で野菜を作って孫たちに配ったり、できることをする、ということでね。みんなに喜んでもらうのが一番嬉しいです。
長い間には辛いことも悲しいこともいっぱいあったけどね、でも、いつもそんなこと思ったら自分がしんどいきね、辛いきね、前向きに、楽しいことを見つめて。」
美津子さんはそう言って笑うのでした。
美津子さんは「仕事も大事やけど、趣味も大事!」と話してくれました。
詩吟、ダンス、カラオケを仲間の方たちと楽しんでいるそうです。
「仲間がね、同世代、同級生が3人おる。同年代同士が励ましあいながら、絶対できんと言いながら、頑張らないかんで!と励ましあいながら、やってたら知らず知らず体で覚えてくる。」
美津子さんに「お会いできてよかった!」と言うと、「あら〜、私も!」と言ってくださったのがうれしかったです。
畦は「田んぼの神さまが歩く道」なのだと聞きました。
畦をつけることは、ずっと昔から神さまが歩いて来た道と、これから足跡をつける道を結ぶ仕事。
田んぼの神さまはきっと、土佐町の人たちが汗をかいて作った道を歩き、稲の育ちを見守ってくれるんやないかなと思います。
・『畦をつける その1』
・『畦をつける その2』
美津子さんと出会えたのは、地域の人のことをよく知り、つないでくださっている土佐町社会福祉協議会の大さんや皆さんのおかげです。ありがとうございます!
当ウェブサイト「とさちょうものがたり」は本日6月15日にオープン1年となりました!
これもひとえにいつも訪れていただいている読者の方々、そして楽しんで記事を作成してくれる執筆陣、様々な形で支えてくださっているたくさんの方々、みなさまのおかげです。改めて御礼申し上げます。
今回は1周年記念として、とさちょうものがたりが手がけた記事の中で、特にゲストを招いて開催された講演やイベントを、何回かに分けて振り返ってみたいと思います。
佐々井秀嶺さんはインド仏教徒1億人の最高指導者です。
仏教徒の正確な人数は誰にも把握できないそうで、一説では2億人とも言われています。インドの歴史の中で長く過酷な差別を受けてきた不可触民(ダリット・アンタッチャブルなどいくつかの名称があります)を救うためにはカースト制度による差別を否定する仏教しかない、とヒンズーから仏教への改宗を彼らに勧め、現在仏教徒の数は急上昇しているそうです。
おそらく日本の人口と同じくらいか、またはそれ以上の人数に達しているということは、有史以来の日本人指導者が率いる団体・グループとしてはダントツで最大の規模ということです。
佐々井さんの本拠地であるインド中部の都市ナグプールのお寺を2014年に石川が訪問したご縁から、佐々井さんの土佐町講演が実現しました。
ウェブサイト「とさちょうものがたり」がオープンしたのが2017年6月15日。佐々井さんの講演は6月21日です。実はとさちょうものがたりのオープンはもう少し後になる予定だったのですが、佐々井さん講演の告知とレポートを「とさちょうものがたり」でしたくて前倒ししてオープンしました。
佐々井さんが率いるインド仏教は「行動する仏教」「闘う仏教」とも言われ、他国の仏教と少し趣が異なります。
机上の思想や理論は、行動や実践のためにある。
考えてばかり、話してばかりでは現実は何も変わらない。佐々井さんはご自身の人生を通してそういったことを体現している方です。だからこそ続々と、被差別カーストの人々がその門を叩きにやってくる。
「人の暮らしの価値」や「仕事やお金との距離感」などを根源的なところから見直してみたいという側面を当初から意識していた「とさちょうものがたり」にとって、そのスタートに佐々井秀嶺さんの講演があったということはとても象徴的な出来事だったと今でも考えています。
土佐町にいらっしゃった実物の佐々井さんは、なんというか、陽性のエネルギーの塊のような方。
ネガティブなことも佐々井さんというフィルターを通すとカラッと明るくなるような力のある方で、1億人規模の民衆に信頼され応援されるというのは、佐々井さんのこういう力が大きいのだろうなと感じました。
佐々井さんの著書を読むと、人生の様々な局面で過剰なまでに大きな苦悩を抱えてこられ、またそれをカッコつけるでもなくそのまま吐露されているのですが、そんな話もなんとなく陽性でユーモラスな手触りがあるのです。
講演前には土佐町の産物で作った手料理をお出ししました。佐々井さんを含めたご一行4名の方々がとても喜んで食べていただいた姿が嬉しく印象的でした。下の動画にもありますが、アユを頭からムシャムシャ食べていましたね。佐々井さんが故郷の村を出て以来初めて食べるアユだったそうです。
ご協力いただいた土佐町の方々や、遠くから足を運んでくださった方々に改めて感謝です。
ポロシャツ300枚!
2018年土佐町オリジナルポロシャツ、制作・販売が300枚に達しました。
販売を開始する前は200枚を目標に置いていましたから、予想を大きく上回る結果になりました。
どんぐりを応援する町内外のみなさまの気持ちが、このような形となって現れたのだと思います。
注文してくださったみなさま、本当にありがとうございます!
町のいろいろな場所で、道ゆく人たちがポロシャツを着ている姿を見かけるようになりました。
思わず声をかけたくなります笑
皆さんに注文をいただいてから、どんぐりの石川さん、高橋さん、川井さん、筒井さんが中心になって1枚1枚丁寧に制作してきました。
最初はインクの量が多かったり少なかったり、シャツにインクがついてしまったり色々なことがあったけれど、今思えばそんな失敗もとても大事なことでした。
今、どんぐりのシルクスクリーンチームは職人さんのようです。
そうそう、6月から作業場を引っ越ししました。
思い返せば役場前倉庫のこの作業場から、はじめの一歩を踏み出しました。
みんなテキパキ、せっせと荷物を軽トラに載せていきます。
え?そんなにあっさり?
ちょっとしんみりしていたのは私だけやったかもしれません笑。
新しい場所はこんなところです。
みんなで掃除をして、この場所にあったものも使わせていただいています。
窓が両側にあって、窓から見える緑の山と木々がとてもきれいで、気持ちの良い風が通ります。
これからちょっとずつ、もっと気持ちの良い場所にしていきたいと思います。
新しい作業場は土佐町役場のうしろにある建物の2階です。以前図書館やったのよ、とさっそく訪れてくれた近所の方が話してくれました。
このポロシャツを着る人が、ちょっと楽しく、ちょっとうれしい気持ちで、その日を過ごすことができたらいいなあと思っています。
そんな思いで、土佐町オリジナルポロシャツ、今日も制作しています。
床鍋の河内神社です。
ここも高峰神社と同じくらいすごい場所。きれいに苔むした参道が大きな一本杉に延びている。一本杉はこの場所の御神木なんでしょうね。
力強い後ろ姿は鍵山凛ちゃんと沙良ちゃんの姉妹。
お姉ちゃんは妹が後ろにいるからピッと背筋を伸ばしてまっすぐ歩く。妹はお姉ちゃんのようになりたいから一歩遅れながらそっくりな歩き姿。
「あ〜る〜こ〜」という曲が聞こえてくるようでした。