2023年3月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

鳥山百合子

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「いちごばたけのちいさなおばあさん」 わたりむつこ作, 中谷千代子絵 福音館書店

土佐町のいちご屋さん「やまびこ農園」さんにいちごが並び始めると、いつも「いちごばたけのちいさなおばあさん」のことを思い出します。

いちご畑の土の中に住んでいるおばあさんの仕事は、いちごの実に赤い色をつけること。土の中のみどりの石を掘り出し粉にして、お日さまの光をたっぷり吸いこんだ水に注ぎ込むと赤い色が出来上がる。おばあさんはその赤い水をせっせと塗って、赤いいちごを作るのです。

これは母に何度も読んでもらったお話で、幼い頃、私はこういった世界をみじんも疑っていませんでした。いつからか、いちご畑におばあさんはいないと知りますが、そんなことはどうでもよく、いちごばたけのおばあさんはやっぱりいるのだと、春先のいちごを見るたび思います。

やまびこ農園さんのいちごは、びっくりする程甘くてジューシー。毎年ジャム用のいちごを分けてもらってジャムを作ったり、砂糖をまぶして冷凍し、牛乳と一緒にミキサーにかけていちごシェイクにするのが楽しみです。

いちごばたけのちいさなおばあさん、今年も美味しいいちごをいたただきます。ありがとう。

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土佐町の絵本「ろいろい」

もうすぐ完成予定の土佐町の絵本「ろいろい」、現在表紙と裏表紙を制作中です!

絵はもちろん絵描きの下田昌克さんの作。土佐町の道々に咲いている花が描かれています。

この色彩鮮やかな印刷に加え、後から黒インクで文字を印刷します。

デザインはリーブル出版のデザイナー傍士さん。

表紙はシルクスクリーン印刷。土佐町の就労継続支援B型事業所「どんぐり」と大豊町の「ファースト」のメンバーさんが一枚ずつ手作業で印刷しています。

上の写真は「どんぐり」の川合希保さん。とても丁寧に作業してくれています。

 

 

上は別の日の大豊町ファーストの作業の日。大尾剛さん(右)と職員の保口愛さん(左)。

 

版に赤、黄、緑、青など、選んだインクをのせて一枚ずつ印刷。各色のインクがだんだんと混ざり合って、色合いが少しずつ変わっていきます。一枚ずつ全部違う、それが面白い!手作業だからこそ生まれる味わいです。

 

インクの使い方で、同じ絵柄でこんなに違う表紙が出来上がります。

 

 

 

希保さん(左)と、作業を手伝ってくれている重光通子さん(右)。

この日は二人で200枚強の裏表紙を印刷してくれました。

 

 

たくさんの人のチカラで作る絵本

 

木の棚に並べられた表紙の数々!

 

手前はこの日最初に印刷したもの。赤、黄、黄緑のグラデーションがきれい!枚数を重ねていくうちに、インクの色が混ざり合っていくので、だんだんと茶系の色味になっています。

ちなみに、刷り上がった表紙を乾かすための棚も土佐町の大工さんに作ってもらいました。

 

土佐町の人たちの力が集まって、絵本制作が進んでいます。

完成までもう少し!楽しみにしていてくださいね!

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