とさちょうものがたり

土佐町ストーリーズ

山猫退治

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昔、土佐郡土佐町の山中に大きな山猫が居ったそうな。

山から出て来て人を化かしたり、家畜を取って喰うたりして、村人を困らせた。

何んとかして山猫を退治せにゃいかんと村人達は相談したが、山猫は仲々人目に見付からない。

そこで土佐町伊勢川の猟の名人次郎スと太郎スと云う仲の良い猟師二人に頼んで退治して貰うことにしたと。

次郎スと太郎スは毎晩毎晩山へ行き山猫の出て来るのを待ったが、いくら待っても待っても山猫は出て来ざったそうな。

とうとう節分の晩になったと。

次郎スと太郎スは今夜こそは退治しようと話合って山へ行って少し待っていたら、大木の倒れた上へ大きな山猫が二匹上がって、

今夜は節分、大年の夜ぢゃ。伊勢川次郎スも来まい、太郎スも来まいもん

と云うて踊り始めた所を二人はすかさず射止めて見事退治したそうな。

それで村人達も安心して暮せるように成ったと云う事じゃがのーし。

昔はそんな事もあっつろーかのーし。

 

山下忠文 「土佐の民話 156号 土佐民話の会」

今回の「山猫退治」は、土佐民話の会が月一回発行していた雑誌「土佐の民話」156号(昭和59年12月1日発行)より転載しています。発行人である市原鱗一郎氏に快く許諾をいただいたことで実現しました。現在の私たちが多くの民話に触れることができるのも、各地に伝わっている民話を収集し出版するという、このような先人の仕事に負うところが多いことと実感します。改めて感謝を伝えたく思います。

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「つきのぼうや」 イブ・スパング・オルセン 福音館書店

お月さまが夜空にのぼり、ふと下を見ると、池の中にももうひとりのお月さまがいました。

お月さまは月のぼうやを呼び「ちょいと ひとっぱしり したへ おりていって、あの つきを つれてきてくれないか」と頼みます。

月のぼうやは下へ下へと降りる途中、流れ星や飛行機、渡り鳥やこどもたち、魚たちに出会います。

さて、月のぼうやはもうひとりのお月さまを連れて帰ることができたでしょうか?

 
 

まあるいお月さまが美しく見える夜、空を見上げながら、すえ娘が「かあさん、つきのぼうや、どうしてるかな?」と言いました。

あっちにいるかな? それともこっちかな?

つきのぼうやを探して、月明かりに照らされた道を歩きました。

幼い人たちの目に映る月のある風景のなかにはいつも、つきのぼうやがいるのかもしれません。

 

鳥山百合子

 

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土佐町小学校・運動会Tシャツを作りました!

 

土佐町小学校6年生の保護者の方からご注文いただき、「どんぐり」×「とさちょうものがたり」、運動会のTシャツを作りました!

小学校最後の運動会、お揃いのTシャツを着て、運動会の目玉(?)である6年生の親子競技『二人三脚』に臨もうじゃないか!とのこと。

デザインは土佐町在住のグラフィックデザイナー中山一利さん。(カズさんとは以前、マリンバTシャツ土佐町のハッピを一緒に作りました。)

背中には子どもたちの名前がカタカナで入っています。

 

どんぐりのメンバーが、手作りで丁寧に印刷していきます。

Tシャツの素材によってインクののり方が違うので、力の入れ具合やインクをのせる回数を変えたりしながら、その時に一番いいと思う方法で印刷していきます。

 

 

テープを切る子どもが、男の子にも女の子にも見えるようにデザインしたそうです。

とてもかわいい!と評判だったこのデザイン。カズさん、さすがです!

 

 

「すごいね!きれいに線が出てる!」とカズさんもびっくりしていました。

背中の名前の文字はとても細く小さかったのですが、こちらもきれいに印刷できました。

 

 

写真提供:島崎祐企

 

運動会当日、この黄色のTシャツを着た保護者や子どもたちはどこにいても目立っていて、そして何だかとてもうれしそうでした。

皆さんのその姿を、このTシャツを作ってくれたどんぐりのみんなに見てもらいたい、と思ったのでした。

 

 

 

毎年運動会の後は“慰労会”(飲み会)があるのですが、6年生の保護者の皆さんはこの黄色のTシャツを着て現れました。(汗をかいていたはずなのにみなさん着替えてなかった!)

「何だかこれ、すごく気に入って脱ぎたくなかったから。」と話してくれた方もいました。

他の学年の保護者で「私たちも作りたいなあ。」と言っていた方が何人もいたとのこと。とてもうれしいです。

6年生のみなさんのよき思い出となりますように。

 

6年生の保護者のみなさん、子どもたち、先生方、本当にありがとうございました!

 

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私の一冊

石川拓也

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[ブータンで本当の幸せについて考えてみました。「足るを知る」と経済成長は両立するのだろうか?] 本林靖久 (著), 高橋孝郎 (著)  CCCメディアハウス

 

「幸せの国」の民は本当に幸せなのか?

首相フェローとしてブータンで1年間仕事をした高橋氏と、宗教人類学者で僧侶の本林氏がそれぞれの視点からブータンを語る本。

「国民総幸福」「GNH」などの概念で世界に新しい波を起こしているブータンですが、実際のところはどうなのか?

念のため書くと、ブータンの影の部分や問題点を挙げつらう内容ではなく、GNHがただの夢物語にならないように、ブータンが向き合っている現実にフォーカスをあてている本です。

「幸福」などの主観的な概念は、ともすれば夢見心地なキラキラワードで終わってしまいがち。だからこそ「幸福」を一番のモノサシとして国づくりに邁進するブータンのような国は、きちんと現実と向き合おうとしているようです。

石川拓也

 

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「宇宙兄弟」 小山宙哉 講談社

ただいま33巻まで発売されている「宇宙兄弟」。自分の夢だった宇宙飛行士になった兄のムッタ、先に宇宙飛行士になっていた弟のヒビトの活躍や挫折、周りの人たちと関係を築きながら歩んでいくふたりの姿がグッと来ます。

「It’s a piece of cake!」

ムッタとヒビトを宇宙に導いてくれた天文学者シャロンが、自らの手術に向かう前に、月にいるムッタに送ったメール。「大丈夫!余裕です!」というような意味なのですが、この言葉は私の頭の片隅にもいつもあって、おまじないみたいな存在になっています。

楽しかったり嬉しかったり、悲しかったりもう嫌になったり、諦めたり怒ったり、人間はいろんな感情を持ちながら日々を送っています。ため息をつきたくなるようなとき、自分にはどうにもできないことがあるとき、

「It’s a piece of cake!」

大丈夫!きっと何とかなる。

自らに言い聞かせるようにこの言葉を呟くと、さっきより少しだけ、顔を上げられるようになるのです。

 

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土佐町ストーリーズ

地福寺のまないた坊主 (石原)

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地福寺は、東西両石原の境界の小高いところにあって、非常に清楚なところで、寺としては申し分のないところにあります。

この寺の初代住職に、古川という人がおりました。

この古川氏は、大変偉い坊さんだったそうです。古川氏は一人の弟子をつれていました。この弟子は、大変心の悪いやつで、主人を殺して金を取って逃げようという恐ろしい考えを起こし、常にすきをうかがってました。

そうとも知らず古川氏は、ある日用事があって、夜のうちに寺を出て東にむかって旅に出ました。その後をつけて来た弟子坊主が、筋川の前の橋の上で急に古川氏に向かって切りかかりました。

一大格闘が演ぜられましたが、何しろ一方は刃物を持っているからたまりません。弟子坊主は、この橋で切り殺し、川に投げこんで逃げるつもりをしていました。

古川氏も決死の抵抗をし、「助けてくれ」という救いを求めたところ、近所の人々に聞こえ、人が来て、ようやく助かりました。

すぐに医者を迎え、手当をしましたが、傷の全長が5尺(1尺=約30cm)にも及んだということですから、いかに格闘が激しかったかが想像できます。

幸い、あまり深傷でなかったのか、養生の結果、元の体になって、再び勤めができるようになったそうです。

これより、誰言うとなく、俎板坊主(まないたぼうず)というあだ名がついたと言うことです。

岩崎吉正(館報)

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みんなのアルバム

どじょうすくい

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これも和田亜美画伯のご実家から出てきた写真です。

またしても詳細は不明なんですが、

⑴町の若者たちで集まって

⑵どじょうすくいを踊っている(土佐町には「ちょんがり節」という伝統的な踊りがありますが、この写真のものはどじょうすくいである、とのことです。)

⑶左から三番目の人物は女装した男性です。

⑷その人物が和田亜美さんのお祖父ちゃんにあたる川田敏雄さんです。

⑸川田敏雄さんから右に2人目が、角淑子さん。

⑹淑子さんは敏雄さんの近所で同世代。

⑺2人とも土佐町土居の人。撮影場所も詳細は不明ですが、その近辺かと思われます。

 

ということぐらいはわかっています。もし詳細を知っている方がいたら、ぜひ教えてくださいね!

 

 

 

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私の一冊

西野内小代

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「日本国憲法」なのだ! 赤塚不二夫・永井憲一 草土文化

一見、子ども向けのように見えますが、十分に一般対象として活用できます。

後半にはおふたりの対談も掲載され、資料は振り仮名付きなので子どもたちも読むことが可能です。

社会科で習った程度の微々たる知識しかないので、入門書としてとても手に取りやすい本のように感じました。

西野内小代

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土佐町ストーリーズ

翠ヶ滝 (能地)

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翠ヶ滝(みどりがたき)

 

能地にあって、滝の半ばに弘法大師の観音像があったと伝えられていた。

緑ヶ滝ともいう。

昔、弘法大師が四国霊場を開くためにこの谷筋にやってきた。

お大師さんが

八十八谷ないと霊場を開くわけにはいかんが、婆さん、あんたの一谷を譲ってくれまいか

と言うたそうな。すると婆さんは

この谷は昔から作(さく)をしてきた所(く)で、これをやったら食べるに苦労する

言うて譲らなんだそうな。そんで一谷足らんで霊場はできなんだそうな。

町史

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くだらな土佐弁辞典

ひょっと

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ひょっと

【副】もしかしたら、ちょっと

例:ひょっと、これひょっとこやない?

(もしかしたら、これひょっとこではないですか?)

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