「娘が可愛すぎるんじゃ〜!」 きくまき KADOKAWA
「うちの子、不細工で・・・」「うちの子、へなちょこで・・・」
何かと卑下してしまう自分の子。
でも本当はすべての親が「我が子が一番じゃー!!」と思っているはず。
この本に登場する娘ちゃん、可愛い。可愛すぎる。
でもうちの娘だって(親から見ると)可愛い。可愛すぎる。
さあ、今こそ全ての親御さんよ、叫びましょう。
「娘、息子が可愛すぎるんじゃーーーー!!!」
和田亜美
著者名
記事タイトル
掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
「しゃぼんだま」 林明子 福音館書店
大人になってから「昔、きれいなしゃぼんだまの絵の本をよく読んでいた気がするけど題名はなんやったかな?」とふと思い出した時がありました。絵の感じはぼんやりと浮かぶのですがはっきりとわからない。「確か子どもが下を向いて、ふーってしてる絵だった気がする…。あの絵の感じは林明子さんなんやないかな…」。そう思ってネットで調べると、やっぱり!林明子さん作のこの本でした。残念ながらもう絶版になっていて図書館にもなかったし、どこの本屋さんでも売っていませんでした。
でも不思議なことはあるもので、ある時どこかの町の古本屋さんに行った時に見覚えのある表紙が。
もしかして!
「しゃぼんだまや!やっと見つけた!」ドキドキしながら本を開くと『子どもが下を向いて、ふーってしてる絵』が、確かにあったのです。
なつかしいこの色、この感じ。昔からの友達に会えたような気持ちでした。
そのページが2枚目の写真です。
鳥山百合子
「土佐桃色話 発汗たらたらの巻」
また連続して梅原真さん関連。すみません、それぐらいこの人の作るものが刺さっているのです。
土佐に伝わる桃色話、ちょっと色っぽくて笑ってしまう落語を収録したこの本。
1985年発刊。イラストと、おそらく装丁が梅原さんの仕事。よく見てみるとその後の「紀州の変なみかん じゃばら」に繋がっていくような福顔が表紙に載っています。
和紙のザラっとした手触りと、糸綴じ、それも和綴じで糸が見えるように気を配った造りが素敵です。
なんだろう?梅原さんの作る本やモノは、土からそのまま生えてきたような、素朴で人の手の温度を感じるものばかり。とさちょうものがたりでもZineを作っている手前、お手本というか憧れのような存在です。でも真似してもおんなじものは作れないんですよね。
2枚目と3枚目の写真のように、巻末に配置された仕掛けもクスッとしてしまいます。
発刊から33年後にこうして手元に届いたことに、しかもかなり状態の良い状態に、代々の持ち主の愛情を感じました。
石川拓也
「にちよういち」 西村 繁男 童心社
高知県に引っ越してくる前に住んでいた町の図書館にはリサイクル本コーナーがあって、そこで手に取った一冊です。
作者である西村繁男さんの鮮やかな色使いにまず目を奪われ、中を開いてみると「市」の様子や行き交う人たちの表情が生き生きと描かれていて大好きな一冊になりました。
市場好きな私は「日曜市いいなあ。行ってみたい」と思っていました。
まさかそのあとすぐに、高知県に引っ越すことになろうとはこの時は夢にも思っていませんでした。
初めて高知を訪れた時にはもちろん日曜市へ。絵ではなく「本物」の中に入った嬉しさは言うまでもなく、本物の匂いや空気の感じはまるでベトナムの朝市。匂いはいろんなことを思い出させるものやなあと思ったことを覚えています。
リサイクル本コーナーに行った時から、高知で暮らすようになることはもしかしたら決まっていたのかなあと思ったりします。ご縁はどこで繋がっているかわからないものですね。
西村繁男さんは高知県ご出身。ご縁があって土佐町に来てくださり講演をしてくださった時は本当にうれしかったです。
西村さんを育てた高知県が、あの優しく芯のあるお人柄やこの色使いを生み出しているんやないかなと思います。
小さくお騒がせしてすみません。
パクチー銀行土佐町支店、また復活しました!今回は三度目の運営再開です。
季節は少しずつパクチーが育つ春になってきています。
土佐町役場玄関でパクチーの種を融資して、パクチーを育てませんか?
パクチーの世界的普及活動で知られるパクチー銀行(以下パ銀)の土佐町支店が、二月二十日の破綻を乗り越え、再び運営再開を発表した。(土佐町支社)
パ銀関係者の話では、パ銀土佐町支店は高知県土佐町でのパクチー普及を目的とし昨年九月に開設。
その後昨年九月に一度目、今年二月に二度目の破綻を発表。資本であるパクチーの種を回収することができず、事実上の運営不能に陥っていた。
今回の二度目の破綻では、二月二十日付当新聞の記事を読んだパ銀安曇野支店の篠原寛行支店長から特別措置として緊急追加融資を受けることが決定、早くも大量の種が郵送され、運営再開が確実のものとなった。
安曇野支店長・篠原氏は土佐町新聞の取材に対して、「安曇野は決して見捨てない! 破綻記事は見過ごしてて少し遅くなっただけ・・・・」とコメントを発表した。
一時は存続自体が危ぶまれた土佐町支店だが、当の支店長・石川氏は「これから春が来ますよ!」と誰もが知る事実をドヤ顔で述べた。
当新聞はこのコメントをこのまま紙面に載せることに対して喧々諤々の議論を繰り返したが、どうやら「春が来るとパクチーが育つ」ということを言いたいのでは?という意見が大勢を占め、掲載を決定した。
実際、町史に残るほどの厳冬を経験した土佐町。氷点下の夜が長く続いた同町では、「パクチーの種を植えてみたものの、数センチほどの芽が出た以降は全く大きくならず、かと言って枯れもせず」という状態が複数報告されている。
三月に入り日々気温が上昇している当地では、徐々にパクチーの栽培に適した条件が整いつつあると専門家は予想している。
今後、土佐町支店は何食わぬ顔で通常運営を再開し、三度目の正直として収穫された種の回収、そして新たな融資というサイクルを確立すべく、土佐町役場玄関での種の融資を急ピッチで進めていくと見られている。
猶、二面ではパクチー銀行の仕組みを解説。2面に続く
記事にある通り、前回の破綻を知った長野・安曇野支店長、篠原寛行氏から緊急追加融資として大量の種が届きました。ペッパーくんもふらつく程の重さ。ありがたや!
今回こそは良いサイクルが生み出せると信じています。
そしてこちらが土佐町新聞3月6日2面。パクチー銀行の仕組みを丁寧に解説してくれました。
設立と理念
パクチー銀行は、パクチーの世界的普及を目的として 2006年に誕生。「パクチーの種を資本として、自然の力を借りて資本を増やそう」とパクチー好きが集まって開設。創設者はパクチーハウス東京・日本パクチー狂会の佐谷恭氏。 2018年現在、支店は日本全国二十箇所。 モデルはノーベル平和賞を 2006年に受賞した「貧者の銀行」 とも呼ばれるグラミン銀行である。
融資と返済
融資は無審査・無担保で行われる。希望者はパクチーの種を受け取り、栽培し、たくさん収穫できたらそのうちの一部を食べずに、種としてパ銀に返済する。パ銀は返済された種を新たな希望者に融資する。
このサイクルを繰り返すことによって、パクチーを栽培する人口が増加し、パクチーの種の量も増加し、パクチー好きも増加するとの科学的な研究結果が報告されているとかいないとか。
土佐町支店
高知県土佐町では、土佐町役場玄関在住のペッパーくん横を店舗として、昨年九月に支店が開設された。 開設のきっかけとして、同年七月に開催された「一日だけのパクチーフェス・イン・黒丸」が挙げられる。
同フェスは土佐町の山間部集落である黒丸を気に入った「パクチーハウス東京」のスタッフとウェブサイト「とさちょうものがたり」との共同主催で旧・瀬戸小学校にて行われた。パクチーハウス東京は今年三月十日をもって無店舗経営への移行を発表している。佐谷氏は、その決断へ少なからぬ影響を与えたできごととして「一日だけのパクチーフェス・イン・黒丸」に度々言及している。
以下、過去の記事です。
まずパクチー銀行開設
そして一度目の破綻
破綻を乗り越え再開
そして前回の二度目の破綻!
そして不死鳥のように復活した今回!今度こそ!
「おまんのモノサシ持ちや!」 篠原 匡 日本経済新聞出版社
「ぶたぶたくんのおかいもの」 土方久功 福音館書店
この写真の「やおやのおねえさん」は早口お姉さん。長いセリフを“すごい早口”で読むとこどもたちは大喜び。
その顔を見ながら「私のお母さんも同じように読んでくれていたような気がする…」と思うのです。
内容は覚えていなくても絵を見ただけで「この絵本、読んでもらった気がする」と思い開いてみると「あぁやっぱり、読んだことがある」と思う時があります。子どもの頃の記憶はふとした時に蘇ってきます。
子どもたちがいつか大人になってこの本を開く時「母さんがめっちゃ早口で読んじょったなあ」と思い出したりするかな?
「みんなが“ぶたぶたくん”って呼ぶから、お母さんまで本当の名前を忘れちゃって、“ぶたぶたくん”って呼ぶんです」っていうところがとても好きです。
鳥山百合子
「水」 梅原真(制作) 四万十ドラマ
まず造りがいい。
贅を凝らした豪華本という訳ではないけれど、作り手の愛情が本の体温になって、持つと手先からじんわり暖かくなる。
著名人18人が、それぞれの「水」について書いた本。
作ったのは道の駅とおわでも名を馳せる四万十ドラマと梅原真さん。
地方が、地方でモノを作り地方から発信する。するとその地方独自のモノの見方が現れる。多少ヘタクソだって、ゴツゴツした手触りのものができてそのほうがおもしろい。(この本がヘタクソという意味ではないです)
個人的には、赤瀬川原平(作家)・黒田征太郎(イラストレーター)のページが好き。岡林信康(ミュージシャン)の語り口、これは酒を飲みつつ聞きたい。
石川拓也