「やさしさとおもいやり」 宮西達也 ポプラ社
大和と図書館へ行きだして知った本ですが、この本が私は大好きです。初めて読んだ時、私は泣いてしまいました。自分もこういう気持ちを忘れてはいけない。この恐竜達のように、大和も相手を思いやる気持ち、優しさを育んでもらいたいと感じた本でした。
氏次絹江
著者名
記事タイトル
掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
「水」 梅原真(制作) 四万十ドラマ
まず造りがいい。
贅を凝らした豪華本という訳ではないけれど、作り手の愛情が本の体温になって、持つと手先からじんわり暖かくなる。
著名人18人が、それぞれの「水」について書いた本。
作ったのは道の駅とおわでも名を馳せる四万十ドラマと梅原真さん。
地方が、地方でモノを作り地方から発信する。するとその地方独自のモノの見方が現れる。多少ヘタクソだって、ゴツゴツした手触りのものができてそのほうがおもしろい。(この本がヘタクソという意味ではないです)
個人的には、赤瀬川原平(作家)・黒田征太郎(イラストレーター)のページが好き。岡林信康(ミュージシャン)の語り口、これは酒を飲みつつ聞きたい。
石川拓也
「豊橋妖怪百物語」 ばったり堂(著) 豊川堂
「土佐町ゆるロゴ」やポストカードプロジェクトの宛名面をデザインしてくれているデザイナーの品川美歩さんが、土佐町を訪れた際に手渡してくれた本です。もちろん装丁・デザインは品川さんの仕事。
豊橋市在住のばったり堂店主・内浦有美さんが作り上げた豊橋に伝わる「怪」を集めて一冊にしたもの。
「わしは、狐塚の老狐。ここ神明町や魚町が未開の原野だったころから、この地に棲んでおる。」こんな妖怪たちの口を通して一人称で語られる文章、そして姿形を素朴な消しゴムはんこという手法で描いたこの本、とても魅力的な一冊です。
妖怪を語る(妖怪が語る)ことで、自ずと豊橋という土地の輪郭が浮かび上がる。単純に読み物としても楽しいのは言うまでもなく、豊橋にとってとても貴重な資料になるでしょう。(実際、この土地のこの妖怪の話、ちゃんと整合性があるのかという裏付け作業をきっちりとされているそうで、脱帽です。)
品川さんをはじめ、たくさんの人の力を借りながらも、作り上げたのは内浦さんという一人の女性。なんというか、「みんなでなんかやろう」ということではなく、「私がやりたいことをやる」という清々しい決意のようなものをこの本の佇まいから感じます。
「優しさごっこ」 今江祥智 新潮文庫
「人と人との出会いちゅうもんは、何やこう、胸のうちがぽっぽと暖(ぬく)うなっていくみたいに、桜の花が次々に開いていくみたいに、とても気持ちのええもんや……」。
とうさんのこの言葉は私の心の中にずっとあって、いつも大切なことを思い出させてくれます。
鳥山百合子