2020年4月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

古川佳代子

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「どろぼうの神さま」 コルネーリア・フンケ著 細井直子訳 WAVE出版

カナダのプリンスエドワード島、アイルランドのパブ、イギリスのパディントン駅…。訪ねてみたい場所は色々あるのですが、イタリアの水の都ベネツィアもそんな場所の一つです。

「どろぼうの神さま」というタイトルに惹かれて本棚から抜き出すと、目に飛びこんできたのは、水色の空を背景に黒い不思議な形の仮面をかぶった少年の姿。足の下には石造りのライオン…。「あ、ベネツィアだ~」。本の分厚さに少したじろぎながらも、読んでみることにしました。

それぞれに理由を抱え、家を飛び出し、廃墟となった映画館でくらしている子どもたち。彼らを統率し生活を支えているのは、どろぼうの神さまと名乗る謎の少年スキピオ。子どもの楽園のような心躍る冒険の毎日が、リアルな街の風景描写によって現実感をともなってぐいぐいと迫ってきます。そして最後に用意されたアッと驚く仕掛けに茫然。

気がつけば500ページ近くある作品を一気に読んでしまっていました。

古川佳代子

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私の一冊

川村房子

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「木のみかた   街を歩こう、森へ行こう」 三浦豊(森の案内人) ミシマ社

亡くなった夫は木を育てるのが大好きだった。ふくれっつらをする私を気にすることもなく、一本千円もする杉の苗木を買うこと等、いといもしなかった。

この本はたまたま図書館でみつけた。

森は木がたくさん生えている場所のことで、山は大きく隆起している地形のことを指すという。

華のある木は桐、共感できる木は山桑だという。子どもの頃、近所の畑そばにあって食べた記憶のあるあの桑の木らしい。

原始の森の王は京都下鴨神社の椋の木。二億年前からいるのは銀杏の木等など。

私の思っていた木の本とは違ったけれど、ちょっと見方がかわりました。

ちなみに、案内人がすすめる四国の森は、エメラルド色の川が流れる石鎚山の麓面河渓(愛媛県久万高原町)とまるで巨大な神殿巨木杉の魚梁瀬千本山(高知県馬路村)だそうです。又行く機会があったら違った見方ができそうです。

川村房子

 

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笹のいえ

休校になって 2

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前回、休校で家に居る子どもと過ごす時間を増やそうなどとちょっとカッコイイことを書いた。それが理想と考えるが、四六時中子どもと遊んでいるわけにもいかない。家事など最低限やっておかなければいけないことがたくさんあるし、田植えや夏野菜の準備もはじめたい。子どもとの時間と自分の時間とバランスをとって、とは思うけれど、現実はなかなか難しい。

町内に住む友人たちとのやりとりから、彼ら家族も同じような状況であるようだった。普段から一緒に遊んでいるメンバーだから、そうか、こんな状況でもいつもと同じように過ごしたらいいのだ。

「午前中はAちゃん家で遊ぼう」

「今日はB君家族とCちゃんがご飯を食べに来る」

お互いの家を訪れ、室内外で遊んで、ご飯を食べる。いつもの親しい友達と慣れた場所だから子どもたちも思いっきり遊べる。子どもを預けた親は、この時間を有効に使うことができる。受け入れる家の負担を少なくするため、一緒にご飯を食べるときは、おかずを持ち寄るなど工夫してる。遠慮せずに助け合える仲間や家族がいる有り難さが身に沁みる。いつもありがとう。

特に休校になってから、お泊まりする機会も増えた。誰かの家に遊びに行って、もっと遊びたいと気持ちが盛り上がり、そのまま泊まってしまうことも少なくない。今日はあの子の家、明日はこの子の家と泊まり渡ることもある。親同士も気心のしれた仲だから、安心して送り出せる。もちろん、うちにも泊まりに来ることもある。一緒に夕食を食べ、お風呂に入り、眠くなるまでトランプやかるたに興じるのは、子どもたちにとって良い経験になるだろうなあ、と自分の記憶を辿って懐かしい気持ちになる。

休校とはいえ(いや、だからこそ)、いそがしくも楽しい日々を過ごす子どもたちだ。

そんな中で、僕はちょっと混乱することがある。

朝一番に起きて、ストーブに火を点ける。湯を沸かし淹れた珈琲で、寝ぼけた頭を起こしながらふと考える。

「はて、今日うちにいるのは誰だっけ?」

毎日のように入れ替わる家族と子どもたちに頭がついていかないのだった。

 

 

休校になって

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私の一冊

西野内小代

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「座右の書『貞観政要』」 出口治明 角川新書

副題にあるように中国の古典「貞観政要」について分かり易く解説してくれているリーダー論です。

未来は分からないのだから過去から学ぶしかなく、よい古典に接する事、歴史を学ぶ事の重要性が説かれています。リーダーのみならず、一般的な人間関係にもとても参考になるかと思います。

観察力・知識力・経験力が判断力を養う。積極的な生き方が勧められています。

西野内小代

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