鳥山百合子

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

鳥山百合子

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「絵本作家のアトリエ 1」 福音館書店母の友編集部 福音館書店

絵本作家の方々のアトリエを訪問してのインタビューはとても面白く、一気に読みました。

「しょうぼうじどうしゃじぷた」の絵を描いた山本忠敬さん、「ぐりとぐら」の山脇百合子さん、「スーホの白い馬」の赤羽末吉さん、「だるまちゃんとてんぐちゃん」の加古里子さん、「はるかぜとぷう」の小野かおるさん…。

子どもの頃から親しんで来た絵本をつくった方たちのアトリエにある色鉛筆はビンに差し込まれ、絵の具は木の箱の中に無造作に置かれ、机には消印の押されたハガキや手帳やノートが所狭しと積まれていて、飾らず素のままです。今さっきまでここで絵を描いていたことが伝わってきて「絵本作家」というどこか遠いところにいるような気がしていた方たちが身近に感じられるような気がしますし、それと同時に、この場所でコツコツと描き続けてきたことへの尊敬の念が湧いてきます。

描き続けるということには大変なご苦労もあることでしょう。一筆一筆にその方の生き方をも込められているように思います。

今まで親しんできた絵本がまた少し違った風に見えてきます。

鳥山百合子

 

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読んでほしい

選書会

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毎年、土佐町小中学校では「選書会」が行われています。

体育館いっぱいにずらりと並べられた本の中から子どもたちが自分の好きな本を選び、そのなかから、多くの子どもたちに選ばれた本、先生が選んだ本が、毎年100冊ほど土佐町小中学校の図書館の本棚に加わります。

土佐町は「読書の町」。
これは15年ほど前から毎年続けられている、土佐町独自の取り組みです。

まず小学校低学年、その後に高学年、そして午後は中学生が自分の好きな本を選びます。

さあ、どの本を選ぼうかな?

 

たくさんの絵本や図鑑などの中から、自分のベスト3を選びます。

 

本に夢中になっている子どもの背中はいいものです。

 

「これいいね!」と友達同士で相談しながら選ぶ子も。

 

体育館いっぱいの本を運んできてくれたのは、高知市にある絵本専門店「コッコ・サン」。この日は、代表の森本 智香さんが来てくださっていました。

「本を日本中に売ってね!」と言った子の言葉に思わず笑顔の森本さん。

森本さんは子どもたちに絵本を読んでくださったあと、言いました。

「自分の好きな本を探してね。自分で選ぶことが大事なのよ」

 

そして、
「本を子どもたちにどう手渡すか。子どもたちにただ与えればいいということではなく、周りの大人が本を読んで、楽しんでいる姿を見せられたらいいですね」とも話してくれました。

今の時代、大人も子どもも読書離れしていると言われていますが、時間を忘れたように夢中になって本のページをめくる子どもたちの姿を見ていたら、子どもたちにとってやっぱり本は楽しいものなのだなとあらためて感じます。

 

子どもたちが選んだ本は、約1ヶ月ほどで学校の図書館の本棚に並びます。
その日を心待ちにしている子どもたちです!

 

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私の一冊

鳥山百合子

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 「スカーリーおじさんのはたらく人たち」 リチャード・スカーリー 評論社

愛すべき豚であるフランブルさん。「フランブルさん、どうして?!」というドジっぷりの連続、病院で体重計を壊す、レストランでバースデーケーキをひっくり返す、セメント塗りたての道を素足で歩く…。でもめげずにいつもニコニコしているフランブルさんが私はとても好きです。

この本には色々な仕事人の姿が描かれているのですが、町の中で働く人たちにはそれぞれの仕事や人との付き合いがあって、人がこの場所にいることで町が成り立っているんだなと思ったりします。本屋さん、キャンディー屋さん、金物屋さん、帽子屋さん、花屋さん、靴屋さん…、牧師さんもいます。

この本は1979年に出版されています。子どもの頃、弟たちと一緒にこの本を眺めていたことを思い出します。

鳥山百合子

 

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山の手しごと

はちみつの収穫

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土佐町の山沿いの道を見ていて気づくのは、山側の斜面に木箱が置いてあること。その木箱は大抵トタンで屋根がしてあって、箱の下側が少し開いている面が道に向けられ、風通しが良さそうな場所に置いてある。中には箱の表面に大きく墨で名前が書いてあるものもある。

土佐町に来てからしばらくの間、あの箱は何のためにあるのだろうと思っていた。神様が祀ってあると思っていた、と言った友人もいた。
その箱が、はちみつをとる為に置いてあるのだと知った時は本当にびっくりした。ミツバチが花粉を運び込み、その花粉が発酵することではちみつができるのだそうだ。

 

はちみつの収穫は夏。

8月上旬、上津川地区の高橋通世さんが蜂の巣箱をあけ、はちみつを収穫するところを見せてもらいました。

 

車一台がやっと通れる細い山道をのぼっていったところに通世さんのミツバチの巣箱はあり、連なる山々に臨むように置かれています。

ミツバチが巣箱の入り口を出たり入ったり、小さな体で忙しく働いています。

 

ブンブンブンブンブンブン…。

土底から響いてくるようなうなりがひっきりなしに聞こえてきます。

 

ブンブンブンブンブンブン…。

その音は箱の内側から発せられているのに、すぐ近く、まるで耳元を取り巻くように聞こえるのです。

 

「これは重い!よう持ち上げるろうか?」

蜂に刺されないように帽子にネットを付け、長袖長ズボン、手袋をした通世さん。蜂を握ったら刺されるので、蜂に触れないように慎重に巣箱を平らな場所へと動かします。

巣箱は大きな杉を製材して板をひき、通世さんが作ったのだそうです。

 

 

トタンを取ると、中にはミツバチがびっしり!

 

 

蜂が逃げないように、巣箱の口にむしろを巻きつけます。

ブンブンブンブンブンブン…。

ブンブンブンブンブンブン…。

むしろの内側で鳴る羽音が響く中、通世さんは淡々と仕事を進めます。

 

箱の脇を木片で叩きます。そうすることで中の蜂が驚き、巣箱から上がり、むしろの方へ移動するのだそうです。

トントントントン、トントントントン…。

森から聞こえてくる蝉の声と巣箱を叩く音が、山の中に響きます。

 

 

しばらくすると、羽音が静かになってきました。

「音がせんなったら、みんな上がったっていうこと」

むしろをそっと外すと、あんなにびっしりとひしめいていた蜂がいない!

むしろに移動したようです。

 

金色の規則正しい六角形の組み合わせでできた層が、いくつも連なっていました。ミツバチはどうしてこんなに美しい組み合わせを作ることができるのでしょう。ずっと昔から引き継いできた本能なのだと思いますが、あの小さな体に詰まっている知恵は本当に素晴らしい。

みつの匂いを嗅ぎつけて、スズメバチやウシアブが何匹も飛んできます。スズメバチは隙あらばミツバチをさらおうと勢いよく飛び込んできて体当たりしてくるのですが、作業中、巣箱にいた一匹のミツバチがスズメバチに捕らえられ、あっという間に連れ去られてしまいました。

 

竹で作ったヘラで箱に付いている巣の縦の部分を切り、持ち手のついた鉄の棒で下の端を切り、上へと持ち上げます。

「巣箱に戻ってきたミツバチはびっくりするろうね、家がない!って」と通世さん。

夕方、ミツバチがアメ(通世さんは、巣とはちみつのことを“アメ”と言います。ここでは“花粉”の意)を取りに行って、日が暮れるやろ。そしたら山で泊まって、あくる朝に戻ってくる」

泊まり込みで働いて戻ってくるミツバチ…。なんて働き者なんでしょう!

 

 

黄金色のはちみつがポタポタと滴り落ちます。

「ちょっと食べてみや」

まさにエネルギーの塊!美味しい!

 

巣は全部は採らず、いくつか残しておくのだそうです。

「アメを取られて、ミツバチは機嫌悪くして逃げる時がある。ハチにとったら大変よ、全財産取られるんやき。人間だったらおおごと、訴えられる」

 

いくつか残しておいた巣のミツを食べながら、ミツバチたちはさらにミツを集め、冬までにまた巣箱をいっぱいにするそうです。この時のはちみつは採らず、冬の間のハチたちの食料になります。

「冬の間はミツバチは働かんき、外に出んずく巣箱の中でそれを食べて3月ごろまで暮らさないかん」

「3月頃、ミツが足らんかったら死ぬるき、はちみつのエサをやらないかん。砂糖水でもいいけんど、あんまりやったら、巣へも使うき味が悪くなる。一番いいのは、安いはちみつでもいいから、それをやったら違う。ミツを皿に入れて、その上にすりぬかを入れたりしてハチが溺れんようにしてやるのよ」

 

ハチたちの仕事を分けて頂いた分、人間もちゃんとお返しをする。そうすることで、ハチと人間のいい関係を長く続けていくことができるのでしょう。

 

巣箱を元に戻し、下に棒を挟んでミツバチが入りやすいようにしておきます。

 

むしろを広げておくとミツバチは巣へ戻ります。女王蜂が中へ入ると、皆あっという間に中へ入っていくのだそうです。

 

巣箱の中へ入ろうと押し合いへし合いしているミツバチたち

写真の真ん中あたりに、お腹の脇に黄色の花粉をつけたハチがいるのがわかるでしょうか?

「山から戻ってきたのが足に花粉をつけちゅう。これが集まって、中で発酵させてミツにするんやから。気が長い話よ」

 

作業中、ミツの甘い匂いに惹かれてスズメバチが飛び交っていましたが、もしオオスズメバチが巣箱の中へ入ったら、2日ほどでミツバチは全滅、食い殺されてしまうそうです。ミツバチも戦う術を持っていて、入り口付近にスズメバチが現れると、全部のミツバチが羽を一斉に同じ方向へと左右にバタバタと揺らして威嚇します。それでも巣箱のなかに入ってしまった場合、ミツバチたちはスズメバチを一斉に取り巻き、自らの発する熱で蒸し殺すのだそうです。

お互い命がけなのです。

 

働き、戦い、また働くミツバチたち。

今日も山を飛び、せっせと花粉を集め、自分の仕事をしていることでしょう。

 

 

収穫したはちみつは、ひと晩からふた晩、ざるに入れて漉し、はちの巣のカスなどをのけるそうです。通世さんは、さらに網で漉して別の容器に移し替え、純度の高いはちみつともっと細かい不純物を分離させてからビンに詰めるそうです。

その方法も人それぞれ。

自分にとってどの方法がいいのか、はちの巣箱を持つ人と情報を交換しながら色々と試しているそうです。

 

 

*一昨年の8月にも、高橋通世さんのお父様である高橋美雄さんにはちみつを収穫するところを見せてもらいました。美雄さんは、今年の収穫風景をきっと空から見守ってくださっていたことと思います。美雄さん、通世さん、本当にありがとうございました。

高橋美雄(上津川)

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私の一冊

鳥山百合子

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「土佐寿司の本」 松崎淳子 飛鳥出版室

2018年にこの本が出版された時、92歳だった松﨑淳子さん。高知新聞で紹介されていた松﨑さんの記事を読んだことがあったので、松﨑さんが「土佐の伝統食の生き字引的存在」の方であることは知っていました。ぜひ一度お会いできたらいいなあと思い続けています。

この本には松﨑さんのさば寿司や田舎寿司の作り方が載っています。

身の回りにある食材を使った美しいお寿司たちと共に、大小さまざまなおたまや網じゃくしが壁にかけられている写真からは、美味しいものは家々の台所から生まれて来るのだなあという思いをあらためて持ちます。

土佐町にもさば寿司の名人がいます。土佐町地蔵寺地区にある長野商店の長野静代さんです。40年以上、長野商店の台所から美味しいものを作り続けて来た長野さんの技術は素晴らしく、いつ見ても惚れ惚れします。

ある春の日、長野さんはさば寿司のすし飯の中に山椒の葉を刻んだものを加えていました。山椒の緑が映え、柚子酢と山椒の味の組み合わせがとても爽やかだったことを今でもよく覚えています。

作ることを続けて来た人ならではの技と、作る人が重ねて来た時間の層がみえるようなさば寿司。

高知の素晴らしい文化です。

鳥山百合子

 

*長野さんに教えてもらったさば寿司・山菜寿司の作り方はこちらです。

皿鉢料理 その2 さば寿司

皿鉢料理 その5 山菜寿司

*長野さんのことを書いた記事はこちらです。

40年目の扉

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私の一冊

鳥山百合子

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「宇宙兄弟」 小山宙哉 講談社

以前にも「宇宙兄弟」は紹介しましたがもう一度!

この写真の36巻はこの夏に発売された最新刊です。

「宇宙兄弟」は私の道しるべのような存在。「うーーん、いいなあ!」と巻ごとに心に響くセリフがあって、気持ちがしゅんとした時に読むと元気になります。

『「上には上がいる」ってことを痛感した時、打ちのめされるのか、ワクワクするかは、自分で選べばいいからね。ワクワクしながら挑戦するよ、私』。

36巻のこの言葉、グッときました。

多くの子どもたちにも読んでもらえたらいいなあと思います。(土佐町小中学校の図書館にも「宇宙兄弟」は置いてあります!)

 

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らっきょうの塩漬けから約1ヶ月が過ぎ、「そろそろ本漬けしようかと思うんじゃけど」と計美さんが言いました。
その日は7月29日、昼間の色々な仕事を済ませ、その日の夜、いよいよ本漬けです。

この時期は昼間はとても忙しいきよ。毎年、らっきょうの本漬けは夜なべ仕事よ」と計美さん。

 

 

 

 

計美さんは、部屋の奥から一枚の黄色がかった紙を持ってきてくれました。

計美さんのらっきょう漬けのレシピ

30年以上前、雑誌に載っていた「らっきょうの甘酢漬」の作り方。切り取って大事に持ち続け、このレシピでらっきょう漬けを作ってきたのだそうです。

「何十年も昔の本の資料。これがなくなったら困るけ」

作ることを重ねてきた計美さんの蓄積が見えるようでした。

 

「まあ、らっきょうを畑で育てるところからやってみや!」と笑う計美さん。

らっきょうを育て、収穫し、洗って、塩漬け、塩抜き、そして本漬けする。そうすることで初めてらっきょう漬けを食べられる。

長い道のりですが、いつかやれるようになれたらいいなあと思います。

 

*計美さんのことを書いた記事はこちらです。

お山のお母さん 1

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同じく6月18日の夜、昼間に下準備したらっきょうを塩漬けしました。

らっきょうは切ったらすぐに芽を伸ばすので、その日のうちに塩漬けにするのです。

農業を生業としている計美さんは、トマトや他の野菜の世話や出荷、保存食作り、細々とした用事を全部済ませた夜のちょっとしたすきま時間を見つけて作業します。細切れの時間を上手に利用しながらいくつもの仕事をこなしていく。本当に働き者のお母さんです。

 

 

 

 

「だいたい一ヶ月置いたら発酵してくる。水も濁ってくる。泡が出てくらあ。そしたら本漬けにする」と計美さん。

この乳酸発酵が計美さんのらっきょうの美味しさの秘密です。(ある程度、量が多い方が発酵がしやすいそうです)

「もう何十年もそれでつけゆうきね!」

 

計美さんの漬けたらっきょうは天下一品!!食べると元気をもらいます。(実は私も毎年らっきょうを漬けますが、「母さんの漬けたらっきょうより計美さんのらっきょうの方が美味しい」と子どもたちは言います。。)

「色々若い人に教えちょかんとよ。むこうに持って行っても使いものにならんきよ」と計美さんは笑うのでした。

 

「また本漬けの時にきてみいや。声かけちゃおけ」と計美さん。

本漬けは一ヶ月後!

らっきょう漬けづくり 本漬け編に続く

 

*この日の夜、計美さんのご主人の豊喜さんの姿が見えませんでした。聞いてみると「夕方、山水が止まってしまった。途中のホースが抜けたのではと見に行った」とのこと。バイクで山へ上がって行ったそうです。山で暮らすということは、朝昼夜関係なく、何でも自分たちでやっていかなければならない厳しさも隣り合わせにあるのです。

 

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毎年恒例のらっきょう作業。6月のある日、土佐町の和田農園で行われるその作業を私はとても楽しみにしています。

ゴールデンウィークが明けた頃、和田農園の和田計美さんから電話がかかってきます。

「今年も、らっきょうに来てもらえるろうかね?」

「もちろん!」

 

天気予報と計美さんの育てるトマトなどの野菜の生育状況とも相談しながら日程調整が行われ、今年は6月18日に決定。

 

予定が書き込まれたカレンダー。計美さんの家の台所入り口にかけられている。

 

 

 

 

作業自体も楽しいですが、何より楽しみなのは、計美さんの作るお昼ごはん!

テーブルに並べられたごちそうの数々。ちらし寿司、ぜんまい、切り干し大根の煮物、新玉ねぎのポン酢かけ、すまし汁

 

らっきょう作業の日程を決める時に必ず聞かれる「お昼ごはん、何がいいろうかね?」

私は毎年、迷うことなく(遠慮もなく)、この2品を必ずお願いしています。

 

①切り干し大根の煮物(ちりめんじゃこと卵入り)

卵は飼っているにわとりの卵。贅沢に6つも割って、大根の入ったお鍋に溶き入れます。こんなに美味しい切り干し大根の煮物は、未だかつて出会ったことがありません!

 

②干したけのこの煮もの

コリコリコリコリ、歯ごたえがたまらず、つまみ食いが止まりません。春に収穫した、たけのこを干したものを柔らかく戻して味付けしたもの。私も作れるようになりたい。

 

計美さんの料理は土から生まれます。お米や卵はもちろん、大根もたけのこも、計美さんが山からの恵みに手を加えて一年中食べられるよう工夫したものです。もう何も入らない…というお腹を抱えて、また一年が巡ったのだという実感が湧いてくるのです。

 

らっきょう漬けづくり(塩漬け編)に続く

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「おさるとぼうしうり」 エズフィール・スロボドキーナ作・絵 福音館書店

「ぼうし、ぼうし、ひとつ50えん!」

頭に帽子をいくつも積み重ねてかぶり、町から町へ帽子を売り歩くちょっと気取った行商人のこのセリフを、どんな風に読むかが腕の見せどころです(少し大きい子は「50円!安い!」と合いの手を入れてきます)。

行商人はたくさん歩いて疲れたため、大きな木の下で帽子をかぶったまま昼寝をし、あ〜よく眠った!と起きたら、さあ大変。頭の帽子が全部なくなっていたのです。

さて、誰の仕業だったのか?答えは、ぜひこの本を読んでもらえたらと思います。

作者のエズフィール・スロボドキーナさんのユーモアセンス、絵や色の美しさ、この本が1970年に出版されてからずっと愛され続けてきた理由がわかるような気がします。

幼稚園や保育園で働いていた時、子どもたちは本棚に並んでいたこの本を「読んで!」と何度も持って来ました。読み終わると満足げな顔をして笑っていた子どもたちの顔が、今でも心に浮かびます。

鳥山百合子

 

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