2021年6月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西野内小代

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「年齢は捨てなさい」 下重暁子 幻冬舎

淋しさ→感情
孤 独→ひとりで生きていく覚悟、自由を道連れ

・孤独から逃げようとしても追い詰められるだけ、いいことも悪いことも受け入れる。それが年を重ねるということ。

・時間は今から未来へと向かう、という当たり前の事実に気づき前向きの人生を歩む。つまり、過去への時間を考える事は逆算人生であり、後ろ向きの生き方になりがちである。

・自分を自らの手で管理し、自分で決めたことには必ず従う、責任は全て自分にある。そうする事により、うまく回り始める。

・年だからと言わない、心も身体も醜くなる。

心に残った文章の一部を紹介させていただきました。80代の作家さんの言葉だけに、心に響きます。

 

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山の手しごと

梅シロップを作る

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6月のある日、土佐町の上津川地区に住む川村栄己さんの自宅を訪れました。現在88歳の栄己さんに、早明浦ダムが建設された当時のお話を聞くためでした。

川村栄己さん。「このお花、きれいでしょう?持って帰りなさいや」と切って持たせてくれました。花の名前は、キョウカノコ。

話が終わると、栄己さんが「梅の小さいのがあるけど、いるかよ?」と声をかけてくれました。

栄己さんの自宅から坂を少し下ったところ、ちょうど目の高さに張り出すように伸びた枝には青い梅がたくさん!

道下をのぞくと、草が刈られた斜面には一本の梅の木が立っていました。

 

栄己さんと一緒に、道の小脇のけもの道から斜面を下りました。
梅の木の下にブルーシートを広げ、長い棒で枝をバンバン叩くと、コロコロ、コロコロ…。梅が面白いように落ちてきます。
 
 

こんなにたくさん取れました!

1~2日おくと、青かった梅は黄色みをおび、甘い香りがしてきました。昔から6月15日ごろは「梅子黄(うめのみきばむ)」と呼ばれていたそう。昔の人は、うまいことを言うものだなと感心します。

昔から薬用として用いられてきた梅の実は、豊富なクエン酸を含み、疲労回復や美白・美肌に効果ありと良いことずくめ!

暑い夏、シロップを水やサイダーで割って、ごくごく!う〜ん、なんだか元気になる!それにはちゃんと訳があったのか!と納得です。

 
 

梅シロップの作り方

栄己さんにいただいた梅で、梅シロップを作りました。

梅をきれいに洗って、一つずつヘタを取ります。楊枝を使うと取りやすいです。梅の水気はしっかり拭き取ります。

 

きれいに洗った瓶に、氷砂糖、梅、氷砂糖、梅…、と順番に入れていきます。個人的には、梅と砂糖は1:1の割合が美味しいと思います。

氷砂糖をバクっと口に放り込むのもお楽しみ。梅仕事をした人の特権です。

今回は氷砂糖を使いましたが、お好みで、てんさい糖や黒糖なども使ってみてください。

 

この日の夕方には、瓶の底にシロップが広がってきました。毎日数回、瓶を揺すったり、ひっくり返したりすると早くシロップが上がります。飲み頃は、1週間後くらいから。シロップはペットボトルなどに移し、冷蔵庫に入れておくと良いです。

水や炭酸水で割ったり、かき氷にかけたり。ドレッシングにもなります。

 

ヘタを取った後、一旦、梅を凍らせる方法もあります。

作り方は一緒です。凍らせた梅と砂糖を交互に瓶に入れます。凍った梅が溶けると、それと一緒に砂糖も溶けるため、すぐにシロップが上がってきます。

 

夏のお楽しみ、梅シロップ!ぜひ作ってみてくださいね!

 

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メディアとお手紙

JA広報通信に掲載されました!

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ある日、編集部に一本の電話がかかってきました。

それは農協の冊子「JA広報通信」のライター、則竹知子さんからでした。

「地方のメディアを取材しています。ウェブで『とさちょうものがたりZINE』を知り、気持ちを込め、こだわりをもって作っていることを感じました。創刊の経緯や思い、どのように製作しているかを取材させてほしいのですが」とのこと。

則竹さんは「とさちょうものがたりZINE」を読み込んで、取材してくださいました。

 

インタビュー記事の一部をご紹介します。(全文は写真で読むことができます。)

 

 

−創刊の経緯を教えてください。

石川

創刊の1年ほど前に、町のウェブ サイト(以下サイト) をオフィシャルとは別に新しく作りたいという話を町役場 の人から聞きました。 話の流れで私がや ることになったとき、 名所やおいしい店 紹介など、ネットで検索すれば出てくる ような情報ではなく、もっと深くて捉えどころのない田舎の価値や、言葉になりにくい良さを伝えるサイトにしたいと思 いました。 サイト開設後は、コンテンツを増やしたり、リアルの企画と連動させたりと、 土佐町の魅力を発信するためいろいろと取り組んでいました。

あるとき、東京で活動する知り合いの絵描きを町に呼び、 1週間の滞在の間に 町の人たちの絵を描いてもらう企画を立 てました。 描いてもらった本人はもちろん、周りもとても喜んでいる姿を見て、 これをまるごと一冊にしよう! という話が出てきました。お年寄りの多い町なので、皆に見てもらうにはサイトだけでは限界があります。形として残せるものとして、『とさちょうものがたりZINE』が誕生しました。2018年7月のことです。

(中略)

 
 

−インタビューや撮影で心掛けていることはありますか。

 
鳥山
今まで話を聞いた人たちは、以前から関係のあった人たちが多く、その関係を踏まえて深い話を聞くことができた気がします。 今後はあまり接点がなかった人からも話を聞く機会が増えると思うので、先入観を持たず、その人に共鳴する部分、琴線に触れる言葉を見つけられたらと思います。

たまたま土佐町に来て、暮らし、その人と出会えたことは奇跡みたいなこと。記しておかなければという使命感、会えて良かったという思いを込めて今まで話を聞いてきたつもりですし、これからもそうでありたい。
どんな風に聞き、書いたら、その人となりが伝わるか。もっと言葉の幅を広げたいです。

 

石川
写真も一緒です。 「とさちょうものがたり ZINE」という場所をいただき、仕事として関わる以上、技術を高める一方で、マニアックにこだわるのではなく、土佐町の土から育つ農産物のような写真を撮りたいと思います。人を撮るときって、相手との人間関係まで写る気がするので、そのときの楽しい雰囲気が写真から伝わるといいですね。

 
 

−ローカルメディアの魅力はどんなところにあるのでしょうか。 

 
石川
写真を使って、自分の手が届く範囲で物を作って届ける。それが相手をちょっと笑顔にすることができた、そんな手応えを感じることがあります。土佐町みたいなローカルの規模が自分にちょうど良い。「冊子が届いたよ!」「サイトの記事、更新したね!」などの声も直接聞けますし、町の人が「とさちょうものがたりZINE」を自分たちのものとして考えてくれていると気付いたとき、意外なうれしさがありました。この町に移住して、自分はこういうことをやりたかったんだと気付かされました。


鳥山
町の子どもも喜んで読んでくれている。友だちが載っていて、「次は僕も出たい」などと自分からリクエストしてきた子もいました。また、ご自宅に伺うと自分の写真が載ったページを切り取って部屋の壁に貼ってあったり、しわくちゃになるまで何度も読み返してくれていたり。言葉だけでないこうしたことも、やり続けるモチベーションになります。

 

 

今までやってきたことや普段考えていることを言葉にすることで、あらためて初心に帰るような気持ちになりました。

とさちょうものがたりが始まって5年目に入りましたが、今立っている場所から来た道を振り返る、このような機会をいただいて感謝しています。

則竹さん、ありがとうございました!

 

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「きんこん土佐弁あいうえお」 村岡マサヒロ 高知新聞広告局

高知県民は、みんな知っている!漫画「きんこん土佐日記」。高知新聞に毎日連載されていて、朝、新聞を開いたら真っ先に読みます。

この本は、2014年、高知新聞に掲載された「きんこん土佐弁あいうえお」を切り取って貼り付けた「帳面」です。記憶は定かでないですが、「帳面」は子どもが通う小学校を通じてもらった気がします。毎日、土佐弁4コマ漫画を切り抜いて帳面に貼る。漫画で大体わかる土佐弁の意味が、「帳面」で答え合わせができるようになっています。

なんて粋な取り組み!

ますます「きんこん土佐日記」と高知新聞が好きになりました。

神奈川県出身の私は方言らしい方言を知らずに育ち、学生時代、新潟県や長野県出身の友人がふと漏らす方言をとても羨ましく思っていました。

今、高知の人たちのネイティブ土佐弁を日々耳にしながら、その人が何を言っているのかはほぼわかるし、私も土佐弁らしきものは話している気がします。でもまだまだ修行の身。「きんこん土佐日記」のたくみ君やおじいちゃん、おばあちゃんのように自然に使いこなせるようになりたい!

その土地の言葉があることは、実にゆたかなことです。

高知に来て本当によかったと思っています。

 

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笹のいえ

日常の風景

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この日、下校した長男が外にあるテーブルにランドセルを下ろし、宿題をはじめた。

日がだいぶ傾き、西の空が紅く染まりはじめる時刻。向かいの山の斜面に立つ木々は静かに西日を受けている。あらゆる色がゆっくりと褪せ、風が止み、耳に聞こえてくるのは鳥のさえずりと蛙や虫たちの声。

何かの作業をしていた僕は手を止めて、目の前にある、その場面に見入ってしまった。

僕らは、なんだか素晴らしい場所に暮らしているのだな。

この風景を、息子は大人になっても覚えているだろうか。

でも僕にとって感動的な情景も、物心ついたときからこの環境にいる彼にとっては当たり前の日常。父ちゃんの想いを説明しても理解されないだろう。

人生の一部を過ごすことになったこの土地と時間を評価できるようになるには、一度はここから離れることが必要なのかもしれない。そのときまで、まだあと数年掛かりそうだけど、大人になった彼と「そんな瞬間があった」ことを語り合いたいと思わせるひとときだった。

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ほのぼのと

つきあう

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あれは、中学1年生か2年生の時でした。

1級先輩の男子に廊下へ呼び出され、

「○○君が、つきあってくれと言っている。」

と言われました。

その先輩たちのクラスは、私たちのクラスとは違って、とても荒れているクラス。中でも、私に交際を申し込んできた先輩は、親分格のような存在で、その子分のようにしている人からの伝言でした。

私は困って、友達のFちゃんに相談しました、

すると、Fちゃんが、

「先生に相談に行こう。」

というので、さっそく、担任の先生の所へ行きました。

すると、先生は、

「つきあうとはどういう事ですか?」

 

そういえば、言われてみると、「つきあう」とはどんなことなのか、私も全く分かりません。

言葉に窮して、

「……」

 

その後、どうなったのか、返事をしたのか、そのままで放っておいたのか、先生が何とかしたのか、全然記憶にないので、結末はわからずじまいですが、荒れた先輩たちのクラスは、問題児だった人たちが、順番に処分を受け、少しずつ静かになったような…。

それにしても、今更ながら、中学生にもなって、男子からの「付き合ってくれ」の告白の意味も解らなかったとは…。

今では、考えられませんね。

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私の一冊

西野内小代

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脳には妙なクセがある」 池谷裕二 扶桑社

常日頃、無意識にとっている行動や感情の持ちようは、実は脳のなせる技である。相談する時される時、すでに脳の中では結論が出ている。

私にも思い当たる経験があります。

以前住んでいた所での事。とあるお店でTシャツを物色していると、若干若めの奥様がやおら近づいてきて、「どちらが私に似合っていると思いますか?」とのたまう。

白がメインか、青がメインの色かという違いだけでした。

その方は、青色が好きで青色のお洋服が多いとおっしゃっていました。

たまには違う色もいいんじゃないかと思い「白はお顔に映えますが…」とお答えしました。

でもその方は、一瞬困惑の表情そのまま「今回は見合わせます」と言って帰られました。

今思うと、彼女の脳の中では、青色推しがすでに決定していたのでしょうね。

脳波を調べると、感情が発動する前に脳がすでに反応しているそうで、結局心は脳なのかと推測しています。

こんな脳を設計したのは誰?

私にとって答えの出ない永遠の謎です。

 

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コロナに負けるな

5年目突入プレゼント企画!

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とさちょうものがたり初のプレゼント企画!

とさちょうものがたりが始まってから丸々4年。いつも応援していただいている皆さまのおかげで、本日6月16日から5年目に突入します。

編集部から感謝の意を込めて、初めてのプレゼント企画をすることに決めました。同時に、このコロナ禍のモヤモヤをちょっとでも晴らせたら嬉しいです。

プレゼントはとさちょうものがたりZINE 05号で特集したブータンから、編集長の石川が持って帰ってきたもの。過去の記事でもご報告した「タラヤナ財団」が制作している味のある雑貨です。

過去の記事↓

【番外編】ブータン・GNHレポート No.6 | タラヤナ財団

 

土佐町内外、どなたでもウェルカムですので振るってご応募ください!(発送は日本国内に限らせていただきます)

●応募のルール

応募はinfo@tosacho.com までメールを送ってください。記事末尾にリンクもあります。

メールのタイトルに「プレゼント企画応募」と書いてください。本文には ①お名前 ②送付先住所 ③お電話番号 を明記してください。

当選者の発表はこのサイト上で行いますので、匿名希望の方やニックネーム希望の方はその旨を明記してください。

応募期間は2021年7月1日(木)までとなります。当選者の発表は当サイト「とさちょうものがたり」記事内で7 月初旬〜半ばに行います。

 

 

① ブータンのロウソク x 5 (1名様につき1個)

 

ブータンのロウソクです。素朴な味わいのある手工芸品です。

 

 

②ブータンの手漉き紙ノート x 5(1名様につき1個)

 

ブータンの手漉き紙で作ったノート。写真にあるように、表紙には植物が織り込まれています。

ブータン現地で耳にしたところによると、かつてブータンは紙の製造が盛んな国であったということですが、近年、その技術が失われてしまうほど衰退してしまったそうです。日本の手漉き紙の技術を持ち込むことで、その復活を図っている真っ最中なのだとか。

③ブータンのポーチ各種 x 5 (1名様につき1個)

 

ブータンは織物が盛んな国です。農村部では、腰に巻きつける形の織り機を使用し、布を織ります。タラヤナ財団はその織物を使用し、商品化しています。

 

織物の様子は「とさちょうものがたりZINE05号」でもご紹介しています。

 

 

⑤ヤクの毛キーホルダー x 3  (1名様につき1個)

 

この表情、なんとも言えない味があります笑 これはヤクの毛で編んだぬいぐるみ(?)をキーホルダーにしたもの。

制作の模様はこちら↓

【番外編】ブータン・GNHレポート No.7 | タラヤナ財団

⑥ ブータンのトートバッグ x2 (1名様につき1個)

 

ブータンのトートバッグ2種。ブータンの独特な模様に織られた布で作られています。特に右の一枚は、日本人の色使いの引き出しにはないように個人的には思います。

各バッグの右下には「タラヤナ財団」のタグが縫われています。

 

⑦ 画集 「BHUTAN A SKETCHBOOK」x 1 (1名様1冊)

 

画家であるDoug Patterson (ダグ・パターソン)の画集「BHUTAN A SKETCH BOOK」です。

ダグ・パターソンはイギリスで絵画と建築を学んだ後、世界のあちこちを巡りながらこのようなスケッチを残しています。

建築物のスケッチが多いのは、やはり絵画と同時に建築を学んだことが影響しているのでしょうね。

 

石川拓也

 

今回のプレゼント企画は以上です!

5年目の感謝を込めつつ、みなさまの毎日の、ほんのちょっとの「ウキウキ」になれればと思います。

たくさんの方々のご応募お待ちしております!

 

 

 

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メディアとお手紙

鹿の角ガチャ!高知新聞に掲載されました!

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高知新聞 2021年6月11日朝刊

お守りにシカ角ガチャ

「わ!何かおもろいもんあったで〜」

土佐郡土佐町田井のうどん屋さんの店先。カプセル玩具販売機(ガチャガチャ)に子どもが群がっていた。100円玉を5枚入れ、レバーをくるくる。ポンっと出てきたカプセルを開けると…ひもが通されたシカの角。わ!ワイルド〜。

同封されていた土佐和紙の説明書によると、水難よけや豊穣祈願、金運、武運と、一つ一つご利益の違う「お守り」らしい。

手掛けたのは、土佐町の魅力を発信するウェブサイト「とさちょうものがたり」の編集長、石川拓也さん(46)。地域おこし協力隊員として同町に移住。「町の自然を生かしたグッズをガチャにしたら面白そう」と、2919年の任期終了時に販売機を購入していたという。

町の仏像を3Dプリンターでフィギュア化してみたり、河原で拾った石にペイントしてみたり …。カプセルの中身をあれこれ考えたが、しっくりこないまま2年。今年3月「突然ひらめいた」のがシカの角だ。

シカは国内外で神獣とされ、角はお守りとして重宝されているとか。石川さんは「町をPRして開運もできたら最高じゃん」と、住民から以前もらっていた角を裁断、加工した。

販売機は4月にうどん店に置いたほか、5月には高知市の「高知蔦屋書店」にも設置。有害鳥獣の新たな活用策に、他自治体から早速問い合わせがあったそうだ。

「東京とか都会でもうけるかも」と石川さん。住民の声も聞きながら、お守りの改良や新たなグッズ開発にも取り組むという。お守りの製作は、土佐町や長岡郡大豊町の障害者就労支援事業所の利用者にも担ってもらっており、売り上げの一部を還元する。

石川さんは、「みんなで面白がって、少しずつみんながもうける形になれば。ゴールは決めずゆっくり進めていきますよ」。カプセルには、町の温かい人情や夢も詰まっている。

(嶺北支局・竹内将史)

 

また改めて別の記事でもご紹介するつもりでいますが、この記事が出たあとで何人かの方々から編集部にご連絡をいただきました。

「記事を見たけんど、鹿の角が必要やったら、知り合いの猟師さんに聞いてもらってくるぞ」

といったお電話でした。

作業を担当する大豊町ファーストも、大豊町の方々から鹿の角を大量にいただきました。その角は現在とさちょうものがたりの編集部で預かっていて、御守りになるための加工待ちの状態です。

とてもありがたくもあり、背中を押されるような気持ちにもなります。

なかなか皆様に丁寧なお礼を返すことができていない状態ですが、鹿の角のひとつひとつは大切に使わせていただきます。この場を借りて感謝をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。

 

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私の一冊

山門由佳

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「よあけ」 ユリー・シュルヴィッツ作・画 瀬田貞二訳 福音館書店

かなしいかな、わたしは両親に絵本を読んでもらった記憶がない。 きっと読んでもらったことは絶対にあるはずなんだろうけど、記憶がないのだから仕方がない。 だから、絵本の世界の楽しさを知ったのはわが子をもってから。

おそまきながら知った絵本の世界は、たのしくも美しくもあり、そのすこしの文章と魅力的な絵のシンプルさに度肝を抜かれた。

詩集も絵本も想像力を掻き立てる。 すこしだけのことばと絵。 その圧倒的な情報量の少なさに焦りすら感じる。

この「よあけ」もまた、ただおじいさんとその孫が湖のほとりで一夜を明かすだけの物語なのに、ひとつひとつの場面が静かで美しくて豊かな時間が流れているのが伝わってくる。

いいなぁ、こんなの。

ただそれだけの感想しか浮かばない。

 

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