私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「ナショナルストーリープロジェクト」 ポール・オースター編 柴田元幸訳 新潮文庫

「とさちょうものがたり」の連載のひとつ「土佐町ストーリーズ」が生まれたきっかけとなった本です。

アメリカの作家ポール・オースターがラジオ番組で募集した、アメリカで暮らす「普通の」人々の実話が綴られています。
私は特に「お祖母ちゃんの食器セット」「青空」というお話が好きです。

毎日の中にある「普通の」出来事が、実はあの時のあのこととつながっていたんだ、とはっとする時があります。
そのことに気づくのは、いつもあとからなのですが。

今日刻むだろう足跡も、これからの歩いていく道のりも、きっといつかこの先で、どこかで何かとつながっているのでしょう。

鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

前田清美

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

    「 Someday 」 Alison Meghee & Peter. H. Reynolds著 Atheneum Books for Young Readers

 

 

娘が1歳の時に贈った絵本。

親の気持ちは、自分が親になってようやくわかり始めるもの。

いつか我が子も、生まれてきた時、成長していく姿を、母がどれだけ嬉しかったかを知ることでしょう。

前田清美

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

中山美月

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

リトル・フォレスト(全2巻 )  五十嵐大介   講談社

山間の集落で暮らすいち子が、畑仕事をしながら感じる四季の移り変わりを食と共に語ってくれる物語です。
読んでいるとお腹が空いてくるし、畑や山に収穫に行きたくなる。
自給自足での山暮らしは、現実逃避なのか?本当にやりたい事なのか?いち子の心中で葛藤が続きます。どう決着するのでしょう?

この本は、10月に高知県立美術館でも上映された映画「リトル・フォレスト」の原作です。
美しい映像に魅了されていたので、原作漫画に感情移入できるか心配でしたが、杞憂でした!
自然物に対する写実的な描写、映像と変わりなかった…..。
作者コラムやレシピも載っていて勉強になります。

中山美月

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西原聖子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「いーとんの大冒険」 なばたとしたか作 ロクリン社

「こびとづかん」の作家、なばたとしたかさんの絵本です。
自分の欲ばかり追いかけていると近くの大切なものを失っちゃうよ、という内容で、まだ小さかった姪っ子に読んであげたくて。

と思ったんですが、大切なものを見失いがちなのは大人の自分ではないか。

と、結局自分に読み聞かせています。

西原聖子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「せいめいのれきし」 バージニア・リー・バートン作・絵 石井桃子訳 福音館書店

これは、「地球じょうに、せいめいがうまれたときから、いままでのおはなし」です。

劇場を舞台に、銀河系がうまれたとき、古生代、中生代、新生代、現世、このごろひとびとの生活が描かれていきます。

バートンの最後のこの作品は、完成までに8年もかかったそうです。

最後の文章がとても素晴らしいのです。

『さあ、このあとは、あなたがたのおはなしです。その主人公はあなたがたです。

ぶたいのよういは、できました。時は、いま。場所は、あなたのいるところ。

いますぎていく一秒一秒が、はてしない時のくさりの、新しいわです。

いきものの演ずる劇は、たえることなくつづき

いつも新しく、いつもうつりかわって、わたしたちをおどろかせます。』

バートンがこの本に込めたメッセージが伝わってくるようです。

鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

渡貫洋介

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「鳥人大系」 手塚治虫 角川文庫

 

大人が読む手塚治虫漫画と言えば、プッダや火の鳥などが有名だ。

大作は数巻にわたるので、夜更けまで読んでしまう。

その点、短編集はちょっとした空き時間に読めるので嬉しい。

これは「鳥」たちが主役の話をまとめたものだが、猫編もある。

渡貫洋介

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

鳥山百合子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「いやいやえん」 中川李枝子作,大村百合子絵 福音館書店

子どもの頃から大切にしていた一冊「いやいやえん」。

作者は昔も今も子どもたちに愛され続けている絵本「ぐりとぐら」の作者、中川李枝子さんと山脇百合子さん。(「大村」は旧姓です)

お二人は姉妹です。

「いやいやえん」の子どもたちが、遠足に行ってそれぞれの山になっているみかんやりんごを食べたり、積み木の「らいおん丸」という船に乗って海へ出かけ、クジラに出会ったり…。その中のひとりになりきっていた自分自身のことを今でもはっきりと覚えています。

お二人の本は、いつもなんだか安心して読むことができます。

楽しかったり面白かったり、悲しかったり怖かったり、ドキドキしたりワクワクしたり…。
本を通してこれから大きくなっていく子どもたちに「この世界はよいところだよ」と伝えてくれている気がするのです。

鳥山百合子

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西原聖子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「お聖どん・アドベンチャー」 田辺聖子 集英社文庫

田辺聖子さんの小説。
私の名前の由来となった作家さんで、初めて読んだ田辺さんの本です。

文章が苦手だったので田辺聖子さんの本も読んだことがなく、勝手に新源氏物語など古典をイメージしていましたが、これは未来のお話。 政府に表現の自由を奪われ、聖子さん、筒井康隆さんなど作家さんたちが仕事をなくして…と言うお話です。

自分のイメージと違ったお話は親しみが湧き、田辺さんが好きだったおばあちゃんが、その好きだった田辺さんの名前を私に付けてくれたことが今更ながらとっても嬉しく思われた一冊です。

  西原聖子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

渡貫洋介

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「発酵道」 寺田啓佐 河出書房新社

 

「ベタベタと甘く、二日酔いするだけの酒」という僕の日本酒の印象を全く変えてしまった寺田本家。

筆者は他界しているが、その意志は次世代に伝わり、いまもプクプクと発酵している。

目に見えない微生物たちに、僕たち人間が学ぶことはまだまだ多い。

渡貫洋介

 

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
私の一冊

西原聖子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

「お弁当カレンダー」 家の光4月号付録(昭和48年発行)

 

一人暮らしを始めた時に、おばあちゃんに譲ってもらったお弁当の本。

素材別の副菜アレンジのページを見てお弁当生活だった頃はちょこちょこ作ってたなー。

表紙は色褪せてますが、今でも色褪せない内容だ、と私は思うのです。

西原聖子

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone