土佐町に来て、もうすぐ3年になる。
今年10月いっぱいで、協力隊の任期が終わり、
その後の仕事や人生のことで、プチ鬱になっていた。
湿気ムンムンの気候とプチ鬱が重なって、頭痛がする。
「私、11月からちゃんと食っていけるんだろうか….」
と思うと胸がしめつけられて、
家のTVの横にある棚と、こたつ机の間の狭いスペースで、
土下座の姿勢でうずくまっていたりした(笑)
人は、悩みを抱えると、狭い所に行きたくなり、
身体が下に沈んでいくということを学んだ。
ハタからみたらシュールだが、本人、真剣に悩んでいる!
先々週から、やることを整理しようと思い、
優先度の低いことを全部やめることにした。
土佐町へ来てからこれまでの約2年半、
興味があることを手あたり次第やってきた。
白拍子、ダンス、そろばん、台湾茶、韓国舞踊、八極拳、なぎなた、日本舞踊、小鼓、タロット占い、語学教室、アロマセラピー、執筆活動、、、
多い多い!!
自分でも多すぎて収集つかなくなっていた(笑)
「ちょっと好きかな」にエネルギーを注いでいたら、
「大好き」に注ぎたいエネルギーを向けられないことに、
やっと気づいた。
おめでとう、30歳のえりなちゃん
お金のことも、最近まであまりシビアに気にしたことがなく、
あったらあっただけ使う生活だったが、
11月以降のことを考えて、
人生ではじめて、やっと金銭管理をするようになった!!
貯金と節約もはじめた!!
われながら今まで、こんなに浮世離れしていて、よく生きてこれたと思う(笑)
こういった、金銭面で節約する決意もあって、
習い事や出費をかなり精査した結果、
自分の「大好き」が明確になった。
堂々「大好き」選手権を勝ち上がったのは、
【韓国伝統舞踊、八極拳、ダンス、そろばん、執筆活動】
の5つであった。
しかし、「大好き」はクリアになったものの、これらは収入になるのか謎なのである。
ここで頭を悩ませていた。
だからといって、「ちょっと好きだしお金になるかな」という半端な気分ではじめることは、
続かないという教訓がある。
いわんや「やりたくない」ことをや!
これは、”最近の若いもんの甘え”とかそういう問題ではなく、
「やりたくない」ことをやると、わたしは不満がたまって、
コミュニケーションなどでトラブルを起こしてしまい、みんなに迷惑をかける。
発言力と口は達者なので、悪いほうにふれたときの周りへのネガティブな影響力が大きい。
から、自分のためにも人のためにも、「やりたくない」ことはやらないと決めている。
一方、
「大好き」なことだと、勝手に勉強するし、そこに付随してくるネガティブな事柄やめんどくさい事柄も、愛のパワーで乗り越えられる(笑)
ポジティブな影響も大きい。
ダンス教室は、「大好き」があったから始められて、たくさんの子供たちが集まってくれて続けられるに至った。
しかしわたしの「大好き」は事業になるのか謎なのである….
ダンス教室やそろばん教室は、小さな事業にはなっているが、
地域密着で楽しく・通いやすい・みんなが作る場、というのを大切にしたいから、
高額な月謝をとる、ということはしたくない。
韓国伝統舞踊と八極拳はまだまだ新人のヒヨコさんなので、人に教えるなんて論外である。
白拍子は最近、ぶっちゃけ気が重かった。
白拍子にのっかってくるもの、「日本の伝統」「精神性」「型」「継承」など、
白拍子自体に紐づいている、大衆のイメージをちゃんと体現できる私じゃないといけない、
型や正統性を証明しないといけない、
と思ってしまって、つまらなくなってしまった。
白拍子は、いったん、保留。
と、ぐるぐる悩んでいたところに、救世主が現れた。
とさちょうものがたりで大人気連載中の、百歳製造所・林利生太さんが、
大屋敷にPC作業をしに来てくれたのだ。
林さんの事業は、整体やAI事業やストレッチ・トレーニング教室など多岐にわたるが、
それらをやる目的が、すべて1本の軸ですーーっと通っている。
行動もとてもクリアで、日々前進している感じだ。
わたしも、自分がやることの軸が1本あってスーッと通れば、
迷わないから、そういう軸がほしいという事を話した。
さすが経験豊富な人生の先輩、
いろいろと相談にのってくれて、
クリティカルなアドバイスをたくさんくれた。
林さんが普段どういう視点で自身の事業に取り組んでいるのかなども教えてもらって、とても勉強になった。
その時に、林さんがふと、
「”和える”って会社、知ってる~?」
と、とある会社を紹介してくれた。
そのホームページのコンセプトを見たら、
「日本の精神性を次世代につなぐ」『先人の智慧(ちえ)を私たちの暮らしの中で活かし、次世代につなぐこと』 を目指し、
次世代に日本の伝統と精神性をつなげる仕組みを創出するために、誕生しました。
と書いてあった。
ちょうど自分が白拍子に対して、”重い”と思っていた考えそのものだったので、
「こういう日本の伝統、とか精神性、とか、つなぐ、とか
そういうのが重くて、白拍子最近イヤなんですよ。
わたしは、ただ白拍子がかわいかったから始めただけなのに、
観た人は、伝統がどうとか精神性がどうとか、継承がどうとか、言う!」
と正直にグチをこぼしてみたら、
「それ、めっちゃいいやん」
と言われた。
「?」
最初、何が「いいやん」なのか、さっぱりわからずに目を白黒させていた。
「”かわいかったから始めた”って、めっちゃよくない?
”日本の伝統”って、”格式高いもの”とか”ぶっちゃけ何を見せられてるのかよくわからない”ってなってるなかで、
かわいいから、ただそれを体現したいからやってる、って
めっちゃよくない?
伝統を、もっとかわいく。みたいな。」
“伝統を、もっとかわいく”。
その言葉がひびいた瞬間、パーーーーーっと雲が晴れた。
あまりにも視界が明るくなって、涙が出そうになった。
人生の中で、こんな天地ひっくり返るような衝撃はそうそうないだろう。
林さんは、お悩み相談のプロであり、プロデュースの天才だと思った。すごすぎる。
一瞬の間があってから、
これだーーーーーーーーーーー!と声が出た。
というか、思い返してみれば私がやっていること、ほぼ全部”かわいい”が原動力だった。
白拍子は、
大河ドラマ『義経』の、石原さとみさん演じる静御前、そしてアニメ『平家物語』の祇王がかわいすぎたからはじめた。
韓国伝統舞踊も、衣装が派手だし、動きもかわいいし美しいからはじめた。
天平装束での舞踊も、服がかわいいからやろうと思った。
八極拳やなぎなたや古武道も、かわいいのにめっちゃ強い女性キャラクターへの憧れがあったから武術系に関心をもった。
といった自分の根源的なものを、
少し自分でたどってみて、自分の軸ができた!
“伝統を、かわいく・深く・おもしろく❣”
ものすごくしっくりきた!
この軸をとなえると、自然に笑顔になる。
あんなに最近気が重くなっていた白拍子が、輝いて見えた。
これがいわゆる”コンセプト”なるものなのか~!
「かわいく」は、前述したとおり、私の根源的な行動モチベーションだ。
”かわいい”というと、なんだかミーハー感があるけれど、
あくまで私はまじめに、
白拍子や、韓国伝統舞踊や、八極拳や、歴史の勉強など、に向き合っている。
“かわいい”が根っこにありつつ、それをきっかけに、”伝統”を通して知ったり習得したりした素晴らしいことを、
多くの人に知ってもらいたいし、還元していきたいという意味合いで、
「深く」を入れた。
「おもしろく」を入れたのも、理由がある。
伝統、というと、
”厳しく” ”正しく” ”きちんと” ”由緒正しく”
のように、すごくストイックなイメージがあるけれど、
そうではなくて、とってもおもしろいし笑えることがたくさんある、
それがわたしの好きなところだ、というのを入れたかったからだ。
韓国舞踊や八極拳で、
まじめに毎日練習していって、
その成果を稽古でやってみるけれど、なんか変な動きになっていて、
先生にすごく笑われることがよくある。
トンチンカンなことをして、「東大出たんでしょ~」とからかわれることもある(笑)
これかな、と仮説を立てて練習していったことが空回って、
違う方向性に行ってしまう時もある。
その都度先生に、
「えりなさんは毎回新しい笑えるポイントを作ってきますね」
と笑われる(笑)
客観的に見て、そんなことになっていたのか(笑) 直そう(笑)
と、自分でも笑えるから楽しい。
稽古を通して、
過去の変な自分も笑いながら徐々に成長していけるのが、
すごくいいな、と思う。
韓国舞踊の公演で踊った動画を先生に送るのだが、
先生にいつも爆笑される。
不慣れさとまじめさと溢れるパッションみたいなのが、
フュージョンして、なんか笑える、とウケているようだ(笑)
毎回、わたしの公演の動画を楽しみにしてくれていて、
先生が人間国宝の履修の試験のときや、大きな韓国のコンテスト前に練習しているとき、
わたしの動画を見てすごく元気が出た、初心を思い出すからよく見返す、
と言ってくれたのが、とても嬉しかった。
白拍子で、はじめて神社で奉納したときの写真を見た友達が、
「最初のころ、化粧、すごいことになっててめっちゃおもしろかったよ(笑)
芸人でもそこまでしやんでってくらい!(笑)」
と言っていたのも、おもしろかった。
大学のころまでは、何事に対しても、
「できていない」自分というのがすごく恥ずかしくって、プライドが傷つけられるから、
「できない自分」を目の当たりにするのがイヤだったのだが、
韓国舞踊や八極拳を通して、先生の技術の積み重ねと、
型の中にある先人たちの探究の蓄積にふれて、
なんか変でできてない自分も楽しみながら、
できなかったことができるようになっていくのが、すごくいいな、と思うのだ。
まだあまりはっきりまとまっていない気もするが、
活動の方針はスパッと決まった。
“伝統を、かわいく・深く・おもしろく❣”
ということで、まず舞踊教室をはじめてみることにした。
白拍子や天平舞踊を舞える教室にする予定。
舞踊教室は、このコンセプト通りで、
・「かわいさ重視」
練習用のかわいい裳(スカート)をはいて練習したり、かわいい扇を使ったり、といった、練習の時からかわいくてテンションが上がる教室にする。
私服でずっと練習していても、その装束の身体使いにならないし、
何よりテンション上がらないので、練習用衣装必須!
そして本番はかわいい装束で公演発表、そんな、
一人一人が、「かわいい!ときめく!」と楽しく舞える教室にしたい。
・「深く」
ゆっくりとしたシンプルな動きを通して、自分の動きの質を深めていくような、身体にやさしい舞踊を練習できる場にしたい。
激しく速く難しい動きをしなくても、美しさを出すことはできる。むしろそちらのほうが奥ゆかしさが出たりする。
若い人はもちろん、70代くらいの方まで、幅広い年齢層で楽しめる教室にする。年齢を重ねるほど味がでるような舞踊にしたい。
・「おもしろく」
踊りのことだけでなく、歴史の話なども取り入れ、各々の興味関心を持ち寄りながら楽しめる教室にしたい。
一方的に教えるような場ではなく、参加者一人ひとりの背景や得意なことをみんなで持ちよって生かしていけるような場にしたい。
現在、奈良県の天平装束作家さんに、天平装束を製作していただいている。
いつか、教室のみんなで天平装束を着て舞台に立ちたい。
また、
天平文化や平安文化、あるいは海外の伝統文化をかわいく取り入れた、
化粧品や服、靴下、練習着、グッズなどを制作する会社をつくる夢もできた。
夢は描くだけ自由!
すぐにいう事がコロコロ変わる私なので、また3年後になんて言っているか不明だが(笑)
今のわたしはこんな風に思っている。
任期後の収入源については、何も解決していないが(笑)
この活動の軸があれば何とかなる気がした。




