私の一冊

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

石川拓也

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「ハイキュー!!」 古舘春一 集英社

 バレーボール漫画の金字塔(と勝手に呼んでいます)、「ハイキュー!!」。

とても読み応えのある名作でした。

漫画であれ小説であれ作るということは、何か(主題)を通して「人間を描く」という行為。

その筆の深さや語り口のオリジナリティを競っていると言い換えてもいいかもしれません。

「ハイキュー!!」は高校バレー部の人間関係を舞台に、そこでぶつかり合い成長していく高校生たちがイキイキと描かれていて、40代の大人には非常に眩しく目がくらみます。心から高校の部活に戻りたくなります。

「どういう過去があって今ここにいるか」という、登場人物ひとりひとりの内面描写や人物設定などがとても丁寧でしっかり描かれていて、改めて優れた漫画家のゼロからストーリーを創造する力には頭が下がります。

個人的にはハイテンションで突き進むキャラより、「考えること」を武器にしてローテンションで戦うキャラが好きで、それが故で2枚目のページを撮影しています。

 

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私の一冊

浪越美恵

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「沈まぬ太陽(三)御巣鷹山篇」 山崎豊子 新潮社

今でも忘れる事の出来ない、36年前の520人が犠牲になった日航機墜落事故。

今年も、御巣鷹の事、新聞紙上で目に留まりました。

すべて事実ではないにしても、凄絶な墜落現場の描写や、肉親の遺体を探し求める遺族の苦しみや悲しみ、やり場のない怒り。

補償交渉の非情な現実。

この篇もまた、小説であることを忘れて読み切りました。

 

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私の一冊

田岡三代

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「パッチワークキルト2018.2019.2020」「西村公記グラフィックデザイン展」「山下春代版画展」

土佐町の青木幹勇記念館で開かれているイベントの写真集。

全てのイベントについては、諸事情により作成できていませんが、今、私の手元に頂いている本が5冊。

「パッチワークキルト展」の3年連続のもの。そして、「山下春代版画展」、「西村公記グラフィックデザイン展」。

みなさんの作品に込められた様々な思いが蘇ってきます。

やっぱり、写真にして残すっていいですねぇ~!

 

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私の一冊

浪越美恵

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「沈まぬ太陽(二)アフリカ篇・下」 山崎豊子 新潮社

沈まぬ太陽アフリカ篇・下は、家族との別離、果てしなき孤独を支えたアフリカの大地・理不尽な「現代の流刑」に耐える主人公と家族の宿命の転変とあります。

主人公・恩地元は、航空会社の組合活動により、会社から海外の僻地へ追いやられ中近東からアフリカまで十年近く苛酷な運命を生き抜きますが、日本で待っていてくれるかつての組合員仲間のためにどんな帰る条件を出されても首を振りません。

しかし、アフリカでは果てしない孤独に襲われ自分を見失いかけますが、それにも耐え忍び、日本への帰郷が実現します。長編ですがすべてが事実かとも思われる文章に最後まで一気に読みました。

 

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私の一冊

石川拓也

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『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』 松岡正剛 講談社

 この国の”深い魅力”は本当に理解されているのだろうか?

日本人の文化や心や精神性が、なぜ今のような形になっているのか。そういうことがずっと気になっています。

なぜ古代(や中世)から長く続く行事や習俗がこのような様式になっているのか? 紐解いていくとそこには起源や理由が、もちろんですがあるわけです。

そういったことを知ることは即ち「我々はどこから来たのか」という疑問に対しての答えを求めることであり、ひいては「我々はどこへいくのか」という問いに対しての答えを考えることでもあると思うのです。

博覧強記で知られる松岡正剛氏のこの著書は、タイトル通り「日本文化の核心」に深く潜っていきながら、驚異的にわかりやすい。

例えば日本文化を語る上で重要な「わび」。これはもともとは文字通り「詫び」、謝ることから来ていると喝破しています。

客を迎える主人が、「このような粗末なもてなししかできなくてごめんなさいね」と詫びる。

その主人の客を慮る気持ちこそが美しい、そう考えた中世の日本人の精神性が結晶化した言葉であり概念なのだということです。こんなにわかりやすい「わび」の説明は初めて読みました。

そんな例が最初から最後まで続々と出てくる一冊です。

 

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私の一冊

鳥山百合子

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「サンナカ」 me(歌う旅芸人 う〜み) う〜みの世界社

高知県観光特使であるう〜みさんが、今年9月に出版した本「サンナカ」。三人兄弟の真ん中「サンナカ」であるう〜みさんの幼い頃の思い出や家族への思い、サンナカであるがゆえの悩みや理不尽さ…。う〜みさんがこれまで感じてきた笑いあり涙ありの出来事を描いています。

この本の校正と編集を、とさちょうものがたり編集部の鳥山が担当させていただきました。

う〜みさんと初めてお会いしたとき、なんて温かい、気持ちのよい人だろうと感じたことをよく覚えています。不思議なことに、初めて会ったのに昨日も会っていたような気持ちになりました。う〜みさんが語る言葉に共感し、涙し、また明日も頑張ってみようと素直に思えたのでした。

う〜みさんからメールで送られてくる原稿にペンを入れ、お返しする。それを受けて、う〜みさんが書き直す。いつの間にか、やりとりした原稿の束は机の上に山積み重なっていました。原稿のやりとりの合間にZOOMを使って打ち合わせ。仕事以外の話に飛んで、あっという間に時間がたっていたこともしばしばでした。

原稿が完成したのちの製本作業は、高知大学教育学部付属特別支援学校の生徒さんが行いました。う〜みさんはこの学校の校歌を作ったのだそうです。作業をする日に、私も同行させていただきましたが、う〜みさんが人とのご縁を何よりも大切にしてきた人なんだということが伝わってきました。う〜みさんが「誰だったか覚えてるー?」と尋ねると「あ!う〜みさん!」と笑顔で答える生徒さんたち。お互いが再会した喜びに溢れていました。

出会えたことに感謝する。共にここにいることを喜ぶ。う〜みさんのその姿勢は「愛」そのものです。

全国各地の学校などで行ってきたコンサートでは、う〜みさんが子どもたちに必ず伝えてきたという言葉があるそうです。

「大丈夫、あなたはちゃんと愛されてる」

その一言があることで救われる人がいるかもしれない。その思いを胸にメッセージを伝え続けているう〜みさん。

う〜みさんとの出会いは、私にとって、とても大きなものとなりました。

う〜みさんの愛情詰まった一冊、とさちょうものがたりのネットショップでも販売しています。ぜひ!

 

 

 

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私の一冊

田岡三代

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「危険なビーナス」 東野圭吾 講談社

毎週日曜の夜9時を、楽しみに待ちわびています。

「人って、たったこれだけの事で幸せに感じるんだぁ~!」とは、最近の私の実感です。

TBSのテレビドラマ「危険なビーナス」。結末を急ぐ私は、書店でこの本を購入。もう結果を知ってしまったので、安心してドラマを楽しめます。

「三十億の遺産の行方は、どこへ行くのか」。名家で繰り広げられる様々な人間模様が描かれているこの本。

又、日曜日が待ち遠しい。

 

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私の一冊

田岡三代

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冬雷 冬雷短歌会

「冬雷は、冬雷短歌会と称し、昭和三十七年四月一日創立した。」と、冬雷規定に書いてあります。

先日、土佐町土居の「カフェZOE」へランチに行った時に、ZOEのご主人、藤田英輔さんに頂きました。

藤田さんは、この「冬雷」に定期的に短歌を書いて送っているそうです。

今回の「希望への日々」と題した短歌30首。

幾度となく出て来る「妻」という文字。

ほのぼのとした短歌にすっかり、心が和みました。

 

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私の一冊

西野内小代

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「世界を変えた10冊の本」 池上彰 文藝春秋

・アンネの日記
・聖書
・コーラン
・プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
・資本論
・イスラーム原理主義の「道しるべ」
・沈黙の春
・種の起源
・雇用、利子および貨幣の一般理論
・資本主義と自由

この10冊が選ばれています。宗教・経済・思想・公害…。人類が尊厳ある人間として存在していく為の根拠が記されている10冊のように思われます。

嚙み砕いて要点のみを簡潔に説明しているので、その一冊を読んだ気になってしまいます。

 

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私の一冊

浪越美恵

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「沈まぬ太陽(一)アフリカ篇・上」 山崎豊子 新潮社

この本は(一)~(五)まであるのですが、まだ(一)だけしか読んでいません。巨大な航空会社のおそるべき裏面と暗闇…。

時代と組織に弄ばれた主人公の苛酷な左遷。現代の流刑の徒を鮮烈に描くとありました。

山﨑豊子さんは緻密な取材で知られていますが、航空会社や出て来る人達の名前がなんとなく想像できます。組織の冷たさや怖さの中での、主人公の苛酷な運命が気になり、早く次を読んでみたいと思いました。

 

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