2019年3月

図らずもTPP。あっちのTPPではありません。

土佐町在住の写真家、石川拓也がひと月に1枚のポストカードを作るプロジェクト。

2016年11月から始まり、たまに遅れたりもしながら、いちおう、今のところ、毎月1枚発表しています。

各ポストカードは土佐町役場の玄関と道の駅さめうらにて無料で配布しています。

写真:石川拓也 宛名面デザイン:品川美歩

土佐町ポストカードプロジェクト

2019 Feb.

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峯石原 | 田中愛莞、嵩人

 

田中愛莞ちゃんと嵩人くんの姉弟2人と「撮影に行こう!」と車を走らせたが、場所は決めていなかった。

なんとなく石原から黒丸へ上がる道に入り、峯石原に差し掛かったぐらいに、冬の雲と太陽がとても豊かな表情をしていることに、車窓から見て気がついた。

すぐ車を停めて、二人と撮影。

そういえばここは絵描きの下田さんとも車を停めしばし雲の動きに見入った、同じ場所。

雲はどんどん動き続けて、5分後にはこの光景。

山だからこそ見れるこの風景が、小さい二人の心の引き出しに仕舞われて、またいつか引き出しが開けられる時がくる。そうだといいな、と思う。

 

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4001プロジェクト

桂月の作り手たち

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土佐町が誇る銘酒・桂月。 今年の仕込みも佳境に入った2月下旬に、日本酒の製造現場にお邪魔して撮影しました。

約1日半、工程の様々な現場を、詳しい解説とともにじっくりと見せていただきました。(お仕事の邪魔になってないことを祈ります!)

とにかくみなさん並並ならぬ思いを持ってお酒造りに挑んでいること、そのために徹底してお米や気温や湿度などの様子を伺いながら毎日過ごしていること、その仕事に向き合う姿勢はカッコイイ!のひと言です。

日本酒、奥が深すぎて僕が迂闊に語ることはできませんが、「桂月」はこの作り手たちが真剣かつ楽しそうに作っています。
敬称略・左から 三谷潤平 橋本信与 佐竹正行 Brock Bennett  筒井浩史 中山淳 三瓶駿

 

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それから毎日ふたを開けては「今日はどうなっているかな?」と確かめるのが楽しみでした。水は毎日少しずつ増えていき、大根が全部浸った時、よかった!とホッとしました。きっとお漬物を作っているお母さんたちも、日々様子が変わっていくのを同じような気持ちで見ているのではないでしょうか。

智恵さんに教えてもらった酢漬け大根はとてもとても美味しかったです。

智恵さんは「味も硬さもその人の好み、好きなようにやったらいいのよ」と話してくれました。そして「ちょっと辛かったなあと思ったら、また次に漬ける時に少しお塩を減らしたり、もうちょっと甘い方がいいなあと思ったらザラメやみりんを増やしたり、工夫するのも楽しいのよ」とも。

「また来年も一緒に漬けましょうね、その時は、大根もうちのを使っていいから!」と智恵さん。

智恵さん、また来年も一緒に「酢漬け大根」を作りましょう!

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私の一冊

藤田純子

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「わたしは、わたし」 ジャクリーン・ウッドソン 鈴木出版

アメリカには「証人保護プログラム」という制度があるようです。

それは、裁判で重大な証言をした者が危害を加えられたり、殺されたりしないように保護する制度です。

父親が正義の証言をしたために、その家族は暮らしの全てをなくして、知らない土地に移らなくてはならなくなりました。職業も失い、名前すら変えて、今までの自分とさよならしなくてはなりません。

希望を見出すまでの苦難が少女の目を通して描かれています。

絶対に正しいと思うことを貫くことで、大切な家族の生活を一変させてしまう…。銃社会アメリカの悲劇を垣間見ることができました。

藤田純子

 

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私の一冊

西野内小代

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「もものかんづめ」 さくらももこ 集英社文庫

 

「ちびまる子ちゃん」の作者であるさくらももこさんのエッセーです。

抱腹絶倒、嘘のような本当のお話がてんこ盛りです。

ちびまる子ちゃんはももこさんだったんですね。

人生を早足で駆け抜けてしまったももこさん。

きっと天国でも変人(?)の神様たちに囲まれて、エピソードには事欠かない第二ラウンドを過ごされている事でしょうね。

西野内小代

 

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土佐町のものさし

【番外編】ブータン・GNHレポート No.1

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 土佐町の新しい指針を作る過程を追う「土佐町のものさし」、今回は【番外編】として、GNHの産みの親であるブータンのGNHの現状を、とさちょうものがたり編集長である石川がレポートします。

 

1.  GNHコミッション

 

さあ、ここからはGNH関連の人物や取り組みなどを、ブータンの風景などとともに紹介していきます。

順不同で、独断と偏見により石川が紹介したい順に書いていきます。

まずはGNHコミッション(GNHC)

これがティンプーの中心にほど近い、GNHコミッションの建物。

いきなりGNHの総本山のようなところに来てしまいました。

GNHコミッション」はブータン政府の政策が、GNHに基づいた策定がなされているかというチェック機能を持った国権の最高機関です。

GNHの哲学に則した、ブータン全国民にとっての「幸福度の促進」を目指す公的な機関なのです。

 

GNHコミッション入り口。ちなみにブータンの建築物は全て伝統的な外観を保つように義務付けられています。

GNHコミッションのデチェン・ペルモ(Dechen Pelmo)さん。

 5ヶ年計画とブータン・ビジョン2020

 

ブータン政府は、1961年より5年毎に 「5カ年計画」(“The 5 Year plans of Bhutan”) を作成し、それを指針にして国を運営しています。

2018年にその11番目の計画が終了し、2019年度から新たに12番目の「5カ年計画」が始まります。

その5ヶ年計画ももちろんGNHに則ったものであり、それぞれがGNHの理念をどう具体化するかという指標です。
またブータンには1999年に策定した長期ビジョン、通称「ブータン・ビジョン2020」があり、これには都市部と地方部の格差是正、貧困削減、産業振興等が大きな目標として設定されています。

2020年までの目標設定ですね。

 

そういった5年ごと、20年ごとの大きな流れの中で、GNHコミッションは特にGNH(国民総幸福度)をどのようにブータンに浸透させていくか、またはどうGNHの理念と現実を噛み合わせていくかという観点で仕事をしている機関です。

いわばGNHの運用面と言ってもいいかもしれません。

 

第12回5カ年計画 12 FIVE YEAR PLAN 1 NOVEMBER, 2018 – 31 OCTOBER, 2023

Bhutan 2020 : A Vision for Peace, Prosperity and Happiness  Part 1

Bhutan 2020 : A Vision for Peace, Prosperity and Happiness  Part 2

 

  GNHインデックス

 

ブータンのGNHは、GNHインデックスという指標を使い、GNHアンケート調査(前回は2015年に実施)の結果をこれにより分析発表しています。(Center for Bhutan Studies & GNH

GNHインデックスによると、前々回のアンケート調査に比較して、前回のものは例えば‥

  • 身体的な健康は上昇⤴︎
  • 精神的な健康は下降⤵︎
  • コミュニティへの所属意識は下降⤵︎

というような結果が出ているので、この結果に沿った現実的な施策やプロジェクトを行っていくという考え方です。

 

2015年ブータン幸福度調査報告書 A COMPASS TOWARDS A JUST AND HARMONIOUS SOCIETY | 2015 GNH Survey Report 

 

  政策のチェック機能 ポリシー・スクリーニング・ツール

 

またGNHコミッションは幸福度の観点から見た政策それぞれのチェック機能も担っています。

ポリシー・スクリーニング・ツール(Policy Screening Tool)というのがそれにあたり、22種類のチェック項目が、各4点満点で設問されています。

 

上の図のように、1. ストレス 2. 文化 3. 身体的運動‥‥とチェック項目が22個あり、それぞれ4点満点で採点する

 

つまり全てにおいて4をもらえれば、88点満点になります。これを閣僚とGNHコミッションのメンバーの15人〜20人で検討し、66点以上取れればその政策はオッケー!ということになります。

66点以下の場合は策定者に差し戻され、修正のうえ再度のチェックになります。

これはGNHがどうしても「理念」の話であるが故に、どうやって現実的に効力を持たせるかという点においてとても大切なことだと、個人的には思います。

正直に言えば、今回ブータンにはるばる来た理由もそこにあります。

「幸福になった方がいいよね〜」というようなことは、誰でも口で言うことはとても簡単なことな訳です。

「より幸福になりたい」という思いも全人類で共有できるものでしょうし、言えばある程度の共感は得られる。

ただそのために、じゃあ何をどうやっていくのか、が難しい。現実とどのようにぶつかっていくのか、どうしたら言いっ放しにならないで現実的な行動に繋げられるのか、そういった観点からGNHの運用面を知るためにブータンまで来たのです。

そしてこのポリシー・スクリーニング・ツールも、現実とGNHを噛み合わせるための仕組みのひとつと言えるでしょう。

 

 政策(ポリシー)のチェックとプロジェクトのチェック

 

GNHコミッションのデチェン・ペルモさんによれば、政策(ポリシー)のスクリーニングは上記のような仕組みで行っているのですが、その政策に付随する形となる具体的なプロジェクトまではスクリーニングを行っていないということ。

「そうね、プロジェクト単位でもスクリーニングはすべきだと私も思います」

そうデチェン・ペルモさんは話していました。

今後のGNHコミッションの動きとして実現するかもしれません。

 

 

 GNHとビジネス

現在、新たな動きとしてGNHコミッションが取り組んでいるのが「GNH サーティフィケーション (GNH Certification)」と呼ばれる、ビジネスにおいてGNHの観点を当てはめていく仕組み。

これは2018年より稼働し始めた新しい取り組みということです。

ブータンで新たなビジネスを始める際にこの認証を受ける必要があり、この認証はGNHの価値観にそのビジネスが沿っていることを証明するものだそうです。

 

 いきなり堅い話になった!

このブータン・GNHリポート、第一回からいきなり堅い話になりました。

書いている当人もちょっとツライ。。。頭がついていかない。。。

ブータンのGNHのことを見聞きするためのブータン行なので、これはこれで必要なのですが、ずーっとこんな調子でいったらぼくの頭が爆発してしまう。。。

次回は、もう少し柔らかい記事にすることを誓います!!

 

パロ近郊の村での1枚。女の子は「キラ」と呼ばれる民族衣装を日常的に着ています。

 

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 おかげさまで1115枚! みなさまありがとうございました!

とさちょうものがたりと障がい者就労支援施設どんぐりのシルクスクリーン事業がスタートして早1年、いろいろと試行錯誤や小さな失敗を経験しながら、1年間で以下の表のような成果となりました。

これもひとえに、温かい笑顔で(ときにきびしく)応援してくださった方々、そして商品のひとつひとつを購入していただいた方々のおかげです。

本当にありがとうございました!

とさちょうものがたりとどんぐりから、特大の感謝をお伝えしたいと思います。

 

画像 名称 枚数
土佐町 x 下田昌克ポロシャツ 402
  高知大学地域協働学部ポロシャツ 8
  大豊町社協ポロシャツ 132
   ・れいほく博ポロシャツ  30
 ・土佐町小6年生運動会Tシャツ  46
   ・湖畔マラソンTシャツ  238
   ・土佐町ハッピ(産業振興課)  10
   ・野中祭ハッピ  50
・川田ストア駅伝チームTシャツ  43
  ・下田昌克Tシャツ  52
 

トートバック(Edition)

16
  トートバック(マチ付き) 50
・トートバッグ(ブルー) 30
   ・エプロン 8
合計 1115枚

 

 2019年度の新作をお楽しみに!

そして昨年もやりました「土佐町オリジナルポロシャツ」、今年もまた新たな絵柄で新作を販売します!

背中の絵は、もちろん絵描きの下田昌克さん、印刷はどんぐりのメンバー。

もうまもなく詳細を発表いたします。お楽しみに!

 

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私の一冊

石川拓也

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「マイ仏教」 みうらじゅん 新潮新書

 

みうらじゅんさんは天才だと思っています。

なんというか、一貫してすっとぼけた(ように見える)言動ですが、そこに実はとても深い洞察がある。

現実のネガティブな面を、言い方や捉え方でポジティブなものに変えていく力がこの人の言葉には備わっている。

以前、いちど写真の撮影でお会いしたことがあるのですが、その時は

「人間誰もが年を取ってくると、尿漏れとか深刻に悩んだりするけども、それ例えば『スーパー尿漏れ』とか名付けたらちょっとポジティブじゃない?」

ってことを延々と力説されていました。単純におもしろかった。

みうらじゅんさんとか笑福亭鶴瓶師匠とか、そういった力を持った方はたまにいらっしゃいますよね。

昔はお坊さんとかがそういう役割を担っていたのかなと思います。

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くだらな土佐弁辞典

ばあ

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【副助詞】

〜ぐらい(位)

▼使用例:

「ばあちゃんは、そればあのことしっちゅう」
(ばあちゃんはそれぐらいのこと知ってる)

「友だちは2時ばあに来る」
(友だちは2時ぐらいに来る)

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私の一冊

藤田英輔

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「居酒屋兆治」 山口瞳 新潮社

・世の中には頭のいい男がいる。他人のすることを悪意としか受け取らない男がいる。保身のために全力をあげて戦う男がいる。つまらないことを気に病む男がいる。徒党を組まれることを病的に怖れる男がいる。猜疑心の強い男がいる。(兆二には)それくらいのことしかわからなかった。

・(兆二は)絶対に卑怯な真似だけはしないでいようと思った。嘘はつくまいと思った。見苦しいことだけはやるまい。

・(兆二は)あの頃の方が現在より大人っぽかったような気がする。分別臭い処があった。

・さあ、どっちが人間らしい生活だろうか?(メキシコと日本の労働者を比べている。メキシコ人は土曜日に週給をもらうとまず全員が次の週の木曜日まで休んでしまう)。

 

それぞれ記憶に残っている文章である。そう有りたい、そう成るまいと思い生活しているのだが…。

考えるだけ詮ないことだが「いつの頃が楽しかったか?」とか考えて呑んでいると早く酔ってしまうよ。

 

「居酒屋兆治」は高倉健主演で映画になっている。(1983年制作・東宝)伊丹十三、ちあきなおみ…。いい味出してるね。

藤田英輔

 

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